ウミタナゴは、スズキ目に属する 20cm ほどの魚で、淡水のタナゴ(分類:コイ目コイ科タナゴ亜科)と区別してウミタナゴと呼ばれます。
北太平洋の沿岸の岩礁域に分布し、日本では各地の外洋に面した岩礁や湾口部に生息しているため、防波堤からの浮き釣りで子供や初心者でもよく釣ることができます。商業用には刺し網や定置網で漁獲されます。日本のウミタナゴの漁獲量は、2023年度の全国合計では58トン、1位は岩手県の30トン、2位は青森県の21トン、3位は宮城県の7トンと、この3県でほぼ100%のシェアとなっています。
日本では春から夏が食べ頃で、春には子持ちが人気が高く、ほとんどが鮮魚として産地の市場で消費されます。
魚は卵が孵化した稚魚が成魚になるとばかり思われていますが、このウミタナゴは卵ではなく、ある程度成長した仔魚(シギョ)を生むという卵胎生の不思議な魚で、一腹に平均13尾の仔魚がいます。親魚からの栄養物を摂取して成長しているので、生まれたばかりでも全長約 5cm と、かなり大きくなっており、十分な運動能力があります。しかし、仔魚は尾びれを先にして出てくることもあり、これは人間でいえば逆子に当たるため、妊婦に食べさせてはならないという地域もありますが、その一方では安産を祈願して食べる地域もあります。
ワシントン州の沿岸にも、胎仔を持つ同種のものがいます。名は surf perch(または white perch)。通常、商業用漁獲は許可されていませんが、太平洋岸でのスメルト漁などで混獲された場合は商業用に販売が許可されているようです。冬から春頃にかけて獲れ、重さは約2ポンド(900g)ほどの美味な白身の魚で、当地では丸ごとフライにして食されるようです。
もの覚えの悪い筆者の記憶をたどっても、宇和島屋に最後にいつ頃入荷したか、または入荷したことがあったのか思い出せません。
東京に住んでいた頃の思い出として、毎年6月頃になると「冷やし中華」だけは、なぜか「冷やし中華を始めました」という暖簾がラーメン屋さんの入り口に吊り下げられます。この暖簾を見ると、吸い込まれるようにそのラーメン屋さんに入り、大好きな「冷やし中華」を注文したものでした。
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