シアトルで唯一の手打ちうどん専門店『あづき』。オーナーシェフの宮田竜治さんは、東京で鮨職人として働いていた時に誘いを受けて渡米し、シアトルにあるいくつかの日本食レストランで働いた後、念願の独立開店を実現しました。
渡米当初は「独立が叶うなら日本でやっていたような鮨店だろう」と考えていたとのこと。ところがこの地で年を重ねるにつれ、故郷の四国で幼少のころ慣れ親しんでいたうどんを手造りして提供する店、できれば専門店でと考えが固まりました。どの日本食レストランでも必ずメニューにあり、働く人の賄いでも喜ばれていたのも強く印象付けられたそうです。
丁寧に仕込んだ20種類を超える豊富なうどんのメニューと巻きずしなどのサイドアイテム。人気は牛バラ肉を使った「肉うどん」と「鶏肉の柚子塩」。その他、持ち帰り専用メニューの小さい丼メニュー。また、季節限定では夏は冷やしうどん、冬は鍋も登場します。
「こんな小さな店に詰め込み過ぎです。それでも更に新しいメニューを出し続けています」と宮田さんが言うとおり、お話を伺った日も手書きの黒板メニューにいくつか『NEW!』という表示がつけられていました。こうした新作や限定品をインスタグラムで紹介すると、それを目当てに来店する常連さんも多くいるそうです。
早速、『NEW!』の付いた「茄子天キノコおろし」を注文。
エノキ、シメジ、キングオイスターなどのキノコがたっぷり入った温かいスープのうどんに、切れ目を入れた日本の茄子丸ごと天ぷらが盛られています。すべてのうどんメニューに茶碗蒸し、お新香、小豆ゼリー、薬味のおろし生姜が供されます。枕崎に揚がった一本釣りの鰹厚削り節を真ん中にイリコや昆布、野菜を加え甘味を拝した100%天然出汁はアツアツで、体の芯からポカポカします。
「自分がやりたいことをやってるんだから、儲からなくても仕方ない。少しでも喜んでいただければ幸いです。」
現在、店の前のマディソン・ストリートで工事が続いていますが、車で行く場合は店の裏手や住宅地に路上駐車できます。
インスタグラムでは、手打ちうどんを作る様子や新しいメニューが頻繁に紹介されていますので、ぜひフォローしてみてくださいね。