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トランプ大統領、シアトル市とワシントン州に対し “Take back your city NOW. If you don’t do it, I will.”

先月25日にミネアポリス市警の警察官に拘束されたジョージ・フロイドさんがうつぶせにされ膝で首を押さえつけられ呼吸ができず死亡した事件を受け、アメリカ社会の構造的差別、そして警察の黒人に対する暴力への抗議活動が全米で続いています。

シアトルでも29日からダウンタウンやキャピトル・ヒル、インターナショナル・ディストリクトで抗議活動が展開されましたが、8日午後、キャピトル・ヒルにあるシアトル警察の東分署前に設置されたバリケードから警官隊が撤退したことを受け、抗議活動参加者たちが6ブロックを通行止めにし、スピーチやダンス、映画の上映などを行っています。

9日には地元メディアがこの通行止めとなった地域に "Capitol Hill Autonomous Zone"(キャピトル・ヒル自治区)という名称がつけられたと報じました。

同日午後8時30分すぎ、シアトルのクシャマ・サワント市議が1,000人を超える参加者とともにダウンタウンまで行進。市庁舎では、参加者によるスピーチ、歌、ダーカン市長の辞任を求めるチャンティングが約1時間にわたり行われました。その後、参加者たちはキャピトル・ヒルに戻り、ドキュメンタリー『13th』を鑑賞したと報じられています。

KOMO によると、シアトル警察のディアナ・ノレット警部補は地元メディアの取材に対し、違法行為はなかったため出動しなかったと述べました。

トランプ大統領は10日、こうした動きについてダーカン市長とインスリー知事に対し、「アナーキストがシアトルを占拠した。そしてリベラルな民主党の州知事は "それについて何も知らない"と言った」「急進左派知事とシアトル市長は、この偉大な国がこれまでに見たこともないようなレベルで嘲笑され、遊ばれている。今すぐ街を奪還しろ。そうしないなら、俺がやるぞ。遊びじゃないんだ。この醜いアナーキストたちはすぐに止めないといけない。早くしろ!」とツイッターで激しく非難しました。

※stopped を stooped とタイポしています。

これに対し、ジェニー・ダーカン市長が皮肉のこもったツイートを返しました。

「みんなを安全にするために地下壕に戻ってて」というニュアンスのこのツイートは、先月29日にホワイトハウス外で抗議活動が起きた時にトランプ大統領がシークレットサービスに同伴されホワイトハウスの地下壕(bunker)に入ったとウィリアム・バー司法長官が述べたことに基づいています。

また、ワシントン州のインスリー知事も「完全に統治能力のない人は、ワシントン州に関わるべきではない」とツイート。大統領が stop を stoop とタイプミスしたことへの皮肉で "stoop" tweeting(stop tweeting:ツイートやめろ)と締めくくっています。

抗議者たちを市庁舎に誘導したサワント市議は、「トランプが若者主導の人種差別反対運動への報復としてシアトルに軍隊を送ると脅したことは右派がこの強力な実例をますます恐れていることを示している。トランプとその恐ろしい、反動的な意図を拒否する。軍隊も州兵も人種差別的な警察もいらない」とツイートしました。

ワシントン州のプラミラ・ジャヤパール下院議員、シアトルのロレーナ・ゴンザレス市議会議長も、トランプ大統領のツイートにコメントしています。

更新:2020年6月15日 



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