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ケイティ・ウィルソン氏、シアトル市長選で現職ブルース・ハレル氏を破り当選確実に

©︎Visit Seattle/David Newman

2025年のシアトル市長選で、進歩派(progressive)の活動家ケイティ・ウィルソン(Katie Wilson)氏(43)が現職のブルース・ハレル(Bruce Harrell)市長(67)を僅差で破り、当選が確実となりました。

今回の選挙では物価高と住宅問題を背景に進歩派が勢いを取り戻す動きが見られ、シアトル市長選もその一つとなりました。

シアトルは人口が増加し続けており、現在は物価高騰、財政赤字、警察改革、治安対策、さらに来年の夏のFIFAワールドカップに向けた準備などの課題があります。

キング郡選挙管理局による集計結果

キング郡選挙管理局が12日にに発表した公式データでは、ウィルソン氏が50.19%、ハレル氏が49.48%の得票率で、約1,976票の差がついています。開票が進むにつれて票差が広がっており、主要メディアはウィルソン氏の勝利を事実上確定と報じました。

総投票数は279,525票で、登録有権者数505,393人のうち投票率は55.31%でした。

ハレル氏は開票初日に約7ポイントのリードを保っていましたが、シアトルでは郵便投票が主流のため、後半に数えられる投票が進歩派候補に有利に働く傾向があります。結果的に、後日集計分の票によってウィルソン氏が逆転しました。KUOW によると、「過去20年間、現職市長が予備選で敗れた後、11月の本選で勝利した例はない」とされています。

正式な開票結果はキング郡選挙管理局(King County Elections)が11月25日に認証し、その翌週にはワシントン州政府が認証します。結果が確定すれば、ウィルソン氏は2026年1月1日に新市長として就任します。

ケイティ・ウィルソン氏略歴

ケイティ・ウィルソン氏は1982年ニューヨーク州生まれ。高校卒業後に英国オックスフォード大学バリオール・カレッジで物理学と哲学を専攻しましたが、卒業間際に中退。2004年にシアトルへ引っ越し、さまざまな仕事を経験しながら地域の市民活動に関わり、2011年にトランジット・ライダーズ・ユニオン(Transit Riders Union)を共同設立。公共交通のアクセス向上、低所得者向け交通制度の創設などを推進し、Amazon など大企業への課税や労働者の賃上げを推進する活動を続けてきたことで知られています。公式サイトはこちら

ブルース・ハレル氏略歴

2021年から市長を務めてきたブルース・ハレル氏は、1958年、シアトル生まれ。アフリカ系アメリカ人の父と日系アメリカ人の母を持ち、ワシントン大学で政治学の学士号と法務博士号を取得した弁護士です。2008年から2020年までシアトル市議会議員(2016~2020年には議長)を務め、2021年の市長選で当選し、2022年1月1日に第57代シアトル市長に就任しました。ホームレス対策や治安回復を中心に取り組んできましたが、今回の選挙では生活費の高騰と住宅危機が最大の争点となり、有権者の間で政策転換を求める声が高まっていると指摘されています。公式サイトはこちら

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