2026年に開催されるFIFAワールドカップを前に、11月17日、米国政府とFIFAは米国への渡航者向けに新制度『FIFA PASS(FIFA Priority Appointment Scheduling System)』を発表しました。
ロイターによると、すでに212か国のファンが試合観戦チケットを購入しています。国務省は、これに対応するため、領事職員を400人以上増員。このFIFA ワールドカップには、世界212か国と地域から観戦客が訪れ、500万〜1,000万人規模の来場が見込まれています。
FIFA PASS とは
FIFA PASS とは、FIFAワールドカップ2026のチケット保有者を対象に、米国ビザ面接の優先予約が可能になる仕組みで、現在ビザ面接に長い待機期間が生じている国・地域に向けた支援策として導入されます。
FIFAは公式案内の中で、『FIFA PASS』は2026年の大会前に順次運用を開始し、具体的な利用方法は2026年初頭にチケット保有者へ通知する予定だと説明しています。
なお、優先制度は入国保証ではなく、通常の審査は従来通り行われます。
ESTA対象国は「待たずに申請」を推奨
米国政府は、ビザ免除プログラム(ESTA)対象国の渡航者や、すでに米国ビザ面接の空きが十分にある国・地域については、『FIFA PASS』を待って申請する必要はなく、今から ESTA またはビザ申請を行うことを推奨しています。詳細は国務省の公式サイトでもご覧ください。
「ワールドカップの観戦チケット=入国許可」ではない
FIFAワールドカップ2026のチケットを所持していても、カナダ・メキシコ・米国への渡航ビザや入国は保証されません。渡航者は、自身で各国の入国要件や必要書類、医療要件を確認する必要があり、最新の情報を入国管理当局や大使館・領事館の公式情報で確認することが重要です。
開催国のビザ公式情報
- 米国(FIFA専用案内):https://www.state.gov/fifa-world-cup-26
- カナダ:https://ircc.canada.ca/english/visit/visas.asp
- メキシコ:https://consulmex.sre.gob.mx/nuevayork/index.php/en/visas-foreigners
米国入国をスムーズにする制度も利用可能
すでに渡航に必要なビザを取得している人や、過去に ESTA での渡米経験のある人は、米国入国時の手続きを迅速化する有料のトラステッド・トラベラーズ・プログラムや無料の入国手続きアプリを利用できます。
有料のプログラム
- Global Entry(グローバル・エントリー):米国市民、米国永住権(グリーンカード)保持者、対象国の市民がメンバーになれるシステム。書類審査・面接に合格する必要があります。
- Nexus(ネクサス):米国・カナダ間の入国を迅速化する共同プログラム。米国市民、米国永住権保持者、カナダ市民、カナダ永住権保持者、メキシコ市民が利用できます。
無料のプログラム
- Mobile Passport Control:米国市民、米国永住権(グリーンカード)保持者、B1/B2ビザを持つカナダ国籍者、ビザ免除プログラム(VWP)参加国籍者で、ESTA(エスタ)承認済みかつ過去に米国への渡航歴がある人(初めてのVWP利用者は利用不可)が利用できます。
まとめ
FIFAワールドカップ2026を米国で観戦するチケット保有者のために導入された、ビザ面接優先予約制度『FIFA PASS』。ビザ申請の面接の予約にかかる時間を短縮したい人にとっては利用価値がある一方で、ESTA対象国などは制度開始を待つ必要はなく、早めの渡航準備が推奨されています。公式情報を随時確認しながら、2026年に向けて万全の準備を進める必要があります。
