感謝祭(Thanksgiving)から年始にかけてのホリデーシーズンは、特有の挨拶やフレーズが日常的に使われます。これらの表現は単なる直訳ではなく、宗教的背景や多文化社会としての配慮が反映されている点が特徴です。この記事では、アメリカで一般的に使われている年末年始の英語フレーズを、文化的背景とともに整理します。
クリスマス前後に使える定番フレーズ
Merry Christmas!(メリー・クリスマス)
“Merry Christmas!” は「楽しいクリスマスを」という意味の挨拶です。
クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う宗教行事であり、キリスト教文化を背景に持つ人々にとって最も一般的な表現です。カジュアル・フォーマルのどちらでも使えます。
返答例:
- Merry Christmas!
- You, too!
- Merry Christmas to you, too!
- Thanks, you too!
Happy Holidays!(ハッピー・ホリデーズ)
“Happy Holidays!” は「良いホリデーシーズンを」という意味で使われます。
アメリカのような多文化・多宗教社会では、特定の宗教行事に限定しないこの表現が広く用いられています。
“Holidays” が複数形であることからも分かるように、感謝祭前後から年末までの期間全体を指します。
クリスマスを祝わない宗教や文化圏の人に対しても使えるため、初対面やビジネスシーンでも無難な挨拶です。
クリスマスを祝う宗教や文化ではない場合、”Merry Christmas!” と言われた時に、”Happy Holidays!” と返事をするので、「クリスマスを祝う人たちではない」ということがわかります。
大晦日・元日は英語で何て言う?
- 大晦日:New Year’s Eve
- 元日:New Year’s Day
- 新年パーティー:New Year’s party
- 新年の乾杯:New Year’s toasts
- 新年の抱負:New Year’s resolution(s)
年末に向けた挨拶・会話フレーズ
新年の準備が始まるこの時期、会話に使えるフレーズには、次のようなものがあります。友人や同僚だけでなく、年末年始に会う予定のない遠方の家族や親戚にも言うことができます。
年末の予定を聞く
- What are your plans for the holidays?(ホリデーシーズンの予定は?)
- Are you ready for the new year?(
いずれも挨拶代わりに使われる、カジュアルな質問です。よくある “What are your plans for the weekend?” と同じような感じなので、相手との関係性や状況に基づいて答えることになります。
仕事納めに関する表現
アメリカには「仕事納め」という概念はなく、「今年最後の勤務日」と表現します。
- When is your last working day of the year?
- When is your last day at work this year?
答えの例:My last working day of the year will be December 27th.
感謝を伝えるフレーズ
年末は感謝の気持ちを伝えるのに絶好のタイミングでもあります。メールやカードにも書くことができますし、照れくさいかもしれませんが、心を込めて口頭で伝えるのも効果があります。
- Thank you for all your support this year.(今年一年のサポートに感謝します)
- I’m grateful for everything you’ve done this year.(今年のすべてのご協力に感謝しています)
- Looking forward to working with you again next year.(来年も一緒に仕事ができることを楽しみにしています)
「良いお年を」にあたる英語表現
日本語の「良いお年を」に完全一致する英語はありませんが、次の表現が近い意味で使われます。ホリデーシーズンに入ってから、年内ではもう会うことがない場合に言います。
- Enjoy the holidays!(良いホリデーをお過ごしください!)
- Have a great new year!(良いお年を!)
- Enjoy the holidays and see you next year!(ホリデーシーズンを楽しんで!また来年お会いしましょう!)
- Enjoy the holidays and have a happy new year!(ホリデーシーズンを楽しんでください。良いお年を!)
- Have a wonderful holiday season!(素晴らしいホリデーシーズンをお過ごしください)
- Take care and have a great new year!(お元気で、良いお年を!)
年始に使えるフレーズ
Happy New Year!(あけましておめでとうございます)
“Happy New Year!” は、新年に誰にでも使える一般的な挨拶です。
使用期限に明確な決まりはありませんが、「その年に初めて会う相手」に使われることが多いです。
間違い:A Happy New Year
正しい挨拶:Happy New Year
“A Happy New Year!“
この間違いの原因の一つかもと言われることがあるのが、有名な楽曲の『We Wish You a Merry Christmas』の歌詞。
“We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.”
ここでは “We wish you” が前にあるので、”a Merry Christmas and a Happy New Year.” となります。
挨拶では “Happy New Year” だけなので、”a” は不要です。
Did you have a good New Year’s?
年が明けてから、相手の年末年始について聞く際に使われます。
ここでの “New Year’s” は省略形で、「New Year’s Eve(大晦日)」や「New Year’s Day(元日)」を含むと理解されています。
カジュアルな言い換え:
- How was your New Year’s?
- Did you have a good New Year’s Eve?
- How did you celebrate New Year’s?
New Year’s resolutions(新年の抱負)
新年の話題として、抱負を聞く・話す場面もよくあります。
- Have you made any New Year’s resolutions?(新年の抱負は決めましたか)
回答例:
- My New Year’s resolution is to stay active.:私の新年の抱負は、アクティブであり続けることです。
- My New Year’s resolution is to quit my job and start my own business.:私の新年の抱負は、仕事を辞めて、起業することです。
- My New Year’s resolution is to graduate this June.:私の新年の抱負は、この6月に卒業することです。
- I decided not to set (make) a New Year’s resolution.:新年の抱負を決めないことにしました。
まとめ
年末年始の英語フレーズは、言葉そのものよりも背景にある文化や配慮を理解することで、より自然に使えるようになります。この記事がアメリカでの年末年始のコミュニケーションを円滑にする一助となれば幸いです。
