教室で毎年出会う、はじめの一歩
ベルビューでそろばん教室を続けていると、毎年同じような光景に出会います。初めて教室に来た子どもたちは、緊張した表情でそろばんを見つめ、指が思うように動かず戸惑います。多くの保護者は「計算が速くなること」を期待して来られますが、私が長年現場で感じてきたのは、最初に育つのは計算力そのものではなく、数字に自信を持てるようになることだということです。
できない時間が、土台をつくる
入会当初は、思うようにできない時間が続きます。答えが合わない、指がもつれる、集中が続かない。時には「難しい」「やりたくない」と涙を流す子もいます。それでも週に一度、また次の週も教室に通い続ける中で、ある日ふと小さな変化が現れます。姿勢が少し良くなったり、自分から問題に向かおうとしたり。「できた!」という小さな成功体験を重ねが、子どもたちの中に少しずつ自信を育てていきます。
失敗が当たり前の学び
そろばん学習には失敗がつきものです。間違えることは当たり前で、むしろそこから多くを学びます。大会で思うような結果が出なかったり、検定に一度で合格できなかったりすることもあります。それでも挑戦をやめずに続けた子どもたちは、後になって驚くほどの集中力や粘り強さを見せてくれます。結果がすぐに出なくても、積み重ねた時間は確実に力になっていると、私は何度も実感してきました。
正解よりも、向き合い方を見る
教室では、正解したから褒め、間違えたから評価しないという指導はしていません。大切にしているのは、どう考えたか、どこまで自分でやろうとしたかという過程です。答えが違っていても、一生懸命取り組んだ姿勢はきちんと認めます。逆に、たまたま答えが合っていても、考えずに書いたものであれば、一緒にやり直します。この積み重ねが、自分で考える力や、あきらめずに向き合う姿勢につながっていきます。
外国で育つ子どもたちの支えとして
「そろばんは計算が速くなるだけ」と思われることもありますが、実際にはそれ以上の学びがあります。努力を続ける力、失敗から立ち上がる力、自分を信じて挑戦する心。例えば、日本から外国に来て育つ子どもたちにとって、こうした土台はとても大切だと感じています。言葉や文化が異なる中でも、自分の力で前に進める経験は、将来きっと支えになります。
そろばんを通して、子どもたちが数字だけでなく、生きる力を身につけていく。その姿を見守れることが、私にとって何よりの喜びです。
執筆: フォレール優香
Seattle Abacus School
12721 NE Bel-Red Rd, #110, Bellevue WA 98005
電話:(206) 200-2038
公式サイト:www.seattleabacusschool.com
