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予想外に奥が深い!歩くスキー、クロスカントリーに挑戦!

クロスカントリー

執筆者:川合由佳子さん

1年を通じてさまざまなアクティビティが楽しめるのはワシントン州ならでは。「何でもやってみよう!」という気持ちで、いろんなことにトライしています。

川合さんのプロフィールはこちら

ダウンヒルスキーやスノーボードはもう当たり前。
雪スポーツ制覇を目指し、ずっとやってみたかったクロスカントリースキーに挑戦!

ダウンヒルスキーの魅力は斜面を滑り降りるときのスピード。(「スキー天国のシアトルで、この冬もスキー三昧!」)なので、クロスカントリーは平たんな道をひたすら歩くというイメージで、「どうも大変そうだなあ」としか思っていなかったのですが、スノーシューでバックカントリーに行くようになってからは、クロスカントリーも雪山や森、時には氷結した湖の上をも自由に歩き回れる "スキーを使ったハイキング" というイメージに変わってきました。

歩ける人であれば誰でもできるスポーツと聞いてはいたのですが、何事も最初が肝心。基礎から学ぼうと、スノコルミーパス主催のクロスカントリー・レッスン3回コースに申し込みました。

スノコルミー・イーストが素敵過ぎる件

スノコルミー・パスのスキー場には、West、Central、East、Alpental の4つのエリアがあります。シーズン・パスを購入し始めてもう10年近く経ちますが、実は East(ハヤック)スキー場へ来たのは今回が初めて。

バニーランしかない、正直言って子供専用・・・なんて思っていたのですが、East のトレイルマップを見てびっくり!

全長15.5キロの Mount Catherine Loop など、美しい雪山や冬景色を楽しめるトレイルの長さは合計50キロ以上。ダウンヒル・スキーヤーの冬山の世界とはまったく違った、ノルディックの世界がここにあったのでした。

今までここを知らなかったなんて、ほんと損しました。

クロスカントリーにも種類があった!

まずは、East のレンタルショップで道具をレンタル。
さすがノルディック・スキーの本拠地。クロスカントリー&スノーシューでいっぱいです。

「クロスカントリーもダウンヒルもそんなに違いはないだろう」

なんてちょっとたかをくくっていた私でしたが、しょっぱなからわからないことだらけ!

レンタルのお兄さん「クロスカントリーのレンタルだね。どっちのスキー?」

私「えー!どっちのスキーって、クロスカントリーにも種類があったの?」

(1)クラシックスキー
両足につけたスキー板を、左右のスキーを平行に保ちながら交互に前後させて進みます。ゆっくりと歩き、簡単な健康づくりとして始めたい人向け。ノルディック・ウォーキングに近い運動になります。

(2)スケートスキー
スキー板を逆ハの字形に開いて、片足で踏み蹴ってもう片方に乗り込んで進みます。アイススケートの動きに似ています。歩くスキーより運動強度が強いので、スキーマラソン等の大会出場を目標にするならコレ。

初心者レッスンはクラシックとのこと。

スニーカーのように軽くて柔らかい靴と、ダウンヒル用に比べると幅が狭くてものすごく軽い板。

板と靴をつなぐ金具(ビンディング)は、踵が上がる構造になっているので、スキーを履くときは、つま先だけをビンディングにはめる。

ちなみに、ノルディックスキーにもパスが必要なんです。たとえリフトに乗る予定がなくても。

クロスカントリーは雪がきちんと整備(グルーム)されてないと滑れませんので、その整備費に使われます。

注意)クロスカントリーへ行かれる方は必ず事前に Trail Status をチェックしてから行きましょう。平日などはグルームされていないこともあります。

私たちのレッスンの先生、Debbie さん(写真中央)。

普段はノルディック Kids クラスを教えていらっしゃるそう。
なので、
何にもない所で転んでる生徒には
「ほら、snow snake には気を付けてね」
とか、
坂を上る練習のときには
「Stomp! Stomp! Walk like an elephant(どしん!どしん!象のように歩いて)」

まったくの初心者の私達には非常に判りやすい(笑)。

レッスンが始まってすぐに学んだこと

  1. ダウンヒルスキーでは半分以上の時間をリフトの上で過ごすので、防寒にスキージャケットは欠かせません。が、クロスカントリーはほとんどの時間歩き回っていますので、私のように厚着していくと大汗をかきます。なんとなくわかってはいたのですが、レッスンだし、先生の話を聞いてる時間とか寒いんじゃないなあなんて・・・そんな心配をする必要はありませんでした。
    外に出る前に「ちょっと寒い」くらいで十分です。
    その代わり、カロリー消費もかなり高いですよね。健康に良さそう。

  2. 持久力が必要なスポーツであることは間違いなし。なのでスタミナ勝負になるとは思いますが、ローラースケートのようにひざに負担をかけない、ロー・インパクト運動であるのがうれしい。

  3. クロスカントリーにもエチケットがあります。トレイルにできたトラック(truck)を滑ること。そして、常に右側のトラックを滑ること。真ん中は、スケートスキーの人、追い越す人、転んだ時に後ろから来た人をよけるために空けておくのです。なので、間を踏んだりして故意に崩したりしないこと。

「ダウンヒルスキーができたらクロスカントリーだってすぐにできるようになる」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、クロスカントリースキーにはエッジがない!なので、エッジで滑ったり止まったりするダウンヒルスキーのつもりでいると、すぐに転んでしまいます。

でも、ちょっと慣れてくれば、子供からお年寄りまで自分のペースで楽しめることがわかります。ダウンヒルの経験がない人でも、運動音痴でも(?)、どんな人でもできるはずです。

クロスカントリースキーのことを "nature ski" と呼んでいたアウトドア雑誌がありましたが、実にいいネーミングですね。

ぜいぜいしながらマラソン距離を鼻水を垂らしながら滑る過酷なオリンピックの競技、または移動の道具くらいにしか思われていないこともあるクロスカントリー・スキー。でも、本当のクロスカントリー・スキーは私たちが自然と遊ぶための道具なんですね。

もっともっと経験を積んで、楽しみたい!

Happy Winter!

掲載:2016年2月



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