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ナマズ (Catfish):アメリカで市民権を得たナマズと世界の養殖事情

Photo by Laura España on Unsplash

米国に来た当初、エビガニと同様にナマズもアメリカでは堂々と市場で販売されていることに驚きました。アメリカでは、ナマズはアイダホ州や南部の州で養殖され、フライ、フィッシュ&チップス、ソテー、ムニエルなどに調理されます。

宇和島屋鮮魚部でも、アイダホ州産の養殖生鮮ナマズを毎週定期的に仕入れ、販売しています。味は淡白で、日本では煮付け、天ぷら、蒲焼きのほか、椀種や吸い物にも使われます。

旧東京都中央卸売市場(築地市場)では、ナマズはごくまれにしか入荷しませんでした。地方によってはナマズ料理を専門とする地域があり、都内の郷土料理店がそうした産地から仕入れていたと考えられます。

世界における養殖ナマズの生産動向

天然ナマズの漁獲量は世界的に減少傾向にありますが、養殖の生産量は急増しています。1999年には54万トンだった世界の養殖ナマズ生産量は、2008年に138万トン、現在では約2,000万トンにまで拡大しました。

世界最大の養殖生産国はベトナムで、2023年の生産量は171万トン。その他の主要生産国はアメリカ、中国、インドネシアです。

昭和30年(1955年)頃の神明町と川魚の記憶

昭和30年当時、筆者が育った東京都足立区・神明町は、綾瀬川、綾瀬川と中川を結ぶ運河、溜めの川、葛西用水に囲まれたゼロメートル地帯。まるでイタリアのベニスのような水の町でした。

家に入るには、長さ約500m・幅2m弱の用水路にかかった頼りない橋を渡らねばならず、台風や大雨が来ると、まず家の前の用水路を確認し、さらに徒歩1分の溜めの川、4分の綾瀬川の水位を見て、橋が流されないか、床下浸水で済むのか、床上浸水になるのかを予想し、子どもながら両親に報告していました。水に四方を囲まれた暮らしは、まさに四面楚歌でした。

そんな環境から、川魚は日常の遊びや食卓と深く結びついていました。ナマズ、コイ、ウナギ、フナを釣ったり、運河で素手でハゼを捕まえたり、艪船(ろぶね)を借りて綾瀬川から運河を経由し、約1.5km先の中川まで行って、カタッケと呼ばれる貝を素潜りで採ったこともあります。ナマズは特によく釣れ、天ぷらにして食べたのを覚えています。

『お魚豆知識』は、宇和島屋鮮魚部・沖良三さんが発行する『Seafood Newsletter』からの抜粋です。入荷情報やおすすめ商品など、鮮魚に関する最新情報が満載!購読をご希望の方は、seafoodnews@uwajimaya.com まで日本語でお申し込みください。

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