今回のコラムでは、最近発表された2つの米国移民法の最新情報について詳しくお話します。
DV Program 抽選永住権
DV Programとは Diversity Visa Program のことで、日本語では通称「抽選永住権」または「宝くじ永住権」と呼ばれています。
このプログラムは、米国務省が実施するグリーンカードの抽選制度で、家族関係や雇用関係とは関係なく、アメリカへの移民数が少ない国の外国人を対象に、グリーンカードを取得できる機会を与えるといった、アメリカの多様化を促進するためのプログラムです。このプログラムでは、応募者の中から無作為に当選した外国人に、毎年55,000件のグリーンカードが発給されています。
ただし、当選したからといって、グリーンカードを自動的に取得できる訳ではありません。当選者は、出生国や教育・就労経験などプログラムの基本条件や、永住者資格の基準を満たしているかなどの審査を経てグリーンカードを取得します。
このプログラムの登録期間は毎年秋頃に設けられていましたが、昨年はいつもの時期になっても詳細が発表されず、プログラムが続行されるのかどうかもわからない状態でした。その後、このプログラムに新しい変更を導入するため、登録期間が遅れることが発表されました。
そして先日、米国務省から主な変更が発表されました。
- 一部の例外を除き、登録時に有効なパスポートが必要になります。これまでは、当選し、実際にグリーンカードを申請する時にはパスポートが必要で、登録時には必要ありませんでしたが、今後は登録時に有効なパスポートの顔写真・プロフィールのページをアップロードしなければなりません。
- 登録料金として$1かかります。これまで登録は無料でした。
- 申請書に記載されている「Gender」が「Sex」に、「Age」が「Date of Birth」に変わります。
最終的な規則は2026年4月10日に施行され、次回の DV Program 登録から適用される予定です。しかし、本稿執筆時点で、次回の登録期間はまだ発表されていません。
ビザ・ブリテン(Visa Bulletin)
ビザ・ブリテンは、永住権(グリーンカード・移民ビザ)の発行待ち時間を示す公式速報です。
アメリカでは毎年発給できるグリーンカードの数に制限があるため、申請するカテゴリによって待ち時間が発生します。米国市民の直近の家族(近親者)はこの制限の対象外です。
待ち時間を判断する上で重要なのが、優先日(Priority Date/プライオリティ・デート)です。Priority Date とは、申請者の順番を示す日付です。通常、申請(ペティション)が最初に提出された日が Priority Date になります。家族ベース申請であれば、Form I-130、雇用ベース申請であれば、PERM または Form I-140を提出した日です。この Priority Date をビザ・ブリテンと照らし合わせて、待ち時間を判断することができます。
ビザ・ブリテンは、毎月米国務省によって更新されますが、日付は前進したり、据え置かれたり、場合によっては後退することもあります。家族ベースまたは雇用ベースのグリーンカード申請を待っている人にとって重要な情報なので、確認するのを忘れないようにしましょう。
ビザ・ブリテンには2つのチャートが掲載されています。
- Dates for Filing:グリーンカード申請書を提出できる時期を決定するもの
- Final Action Dates:グリーンカードが実際に承認される時期を決定するもの
家族ベースのグリーンカード申請には、いくつかカテゴリがありますが、そのうちF2Aというカテゴリは、申請のスポンサーがグリーンカード保持者で、申請の受益者が その配偶者や子供のカテゴリです。
2026年4月のビザ・ブリテンによると、このカテゴリには「C」と記載があります。「C」とは「Current」のこと。つまり、待ち時間が発生することなく、申請できるという意味です。
しかし、それは申請がすぐに承認されることを意味するわけではありません。申請提出後、面接を含め、申請内容の審査および処理には、引き続き時間がかかります。
琴河・五十畑法律事務所 弁護士・琴河利恵さん
Kotokawa & Isohata, PS
6100 219th Street SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043. USA
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コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。
