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2026年9月:アメリカのグリーンカード(永住権)審査 公的扶助(Public Charge)の判断基準が2026年9月18日に変更

Image by GreenCardShow from Pixabay

米移民局(USCIS)は2026年7月16日、グリーンカード(永住権)申請の審査において、公的扶助(Public Charge)の判断基準の見直しを発表しました。

現在の判断基準はバイデン政権下で導入されたものですが、新しい判断基準は2026年9月18日から適用されます。

経過措置は設けられないため、9月18日以降に提出する申請書は、新しい基準・新しい様式で審査されることになります。

公的扶助(Public Charge)とは

公的扶助(Public Charge)とは、「アメリカ政府の経済的支援に依存する可能性が高いと判断される人」を指す移民法上の用語です。

一部のグリーンカード申請では、申請者が将来、公的扶助を受ける可能性があるかどうかが、重要な判断材料の一つになります。

対象となる申請

この規定は、すべてのグリーンカード申請に適用されるわけではありません。

難民申請や暴力被害者救済法(VAWA)に基づく自己申請などは対象外です。

一方、米国市民との結婚による申請、米国市民が親を呼び寄せるための申請、雇用ベースの申請、抽選永住権の当選者による申請などは、対象に含まれます。

Form I-864との違い 提出済みでも安心とは限らない

家族ベースのグリーンカード申請では、「Form I-864 Affidavit of Support」という書類の提出が求められます。これは、申請者の外国人がグリーンカード取得後にアメリカ政府の公的扶助に頼ることがないよう、スポンサーが経済的な支援を約束する書類です。つまり、スポンサーは通常、一定以上の収入や資産があることを証明しなければなりません。この「Form I-864」の提出要件と「Public Charge」規定は、同じものではありません。

まず、「Public Charge」の適用対象となるすべてのケースで、Form I-864の提出が必要となるわけではありません。

雇用ベースのグリーンカード申請は「Public Charge」の対象ではあるものの、「Form I-864」の提出は原則必要ありません。

したがって、申請者に「Form I-864」の提出が求められていないという事実だけをもって、その申請者が「Public Charge」の対象ではないことにはなりません。

逆に、「Form I-864」の要件を満たし、適切に提出した場合でも、それだけで「Public Charge」に該当しないと判断されるわけではないケースもあります。「Form I-864」は、あくまで「申請者が将来、公的扶助を受ける可能性があるかどうか」考慮する要素の一つにすぎません。

Form I-485も新様式に 旧版は経過措置なしで受理されず

この「Public Charge」規定改正に伴い、申請書「Form I-485 Application to Adjust Status」も改正されます。

猶予期間はないため、9月18日以降に旧版の申請書を提出した場合、申請は受理されません。

審査官が考慮する要素と、9月18日以降に広がる裁量

移民局の審査官は、申請者が公的扶助を受ける可能性を判断する際、スポンサーの「FormI-864」に加え、申請者の年齢や健康状態、家族構成、資産、学歴、教育、スキルなどを総合的に考慮します。申請者が過去に受けた公的給付も審査の対象となりますが、9月18日以降は対象となる公的給付の範囲が広がり、審査官の裁量も、これまでより大きくなります。

申請前の準備が重要に 保証金制度も

「Public Charge」以外の審査基準を満たしていると審査官が判断した場合、申請者から「Public Charge Bond」と呼ばれる保証金を受け付ける制度もあります。

この制度は、申請者が公的扶助を受けることにならないと保証するために、保証金を支払うか、保証会社による保証金を提出する制度です。

保証金の額は、審査官が申請者の公的扶助受給資格や実際に受給を受ける可能性などを踏まえて判断するもので、移民局から提出を正式に招請を受けた申請者のみが利用できる制度です。申請者が自ら進んで利用できるものではありません。

今後の対応で重要なこと

今回公表されたのは、審査官が「Public Charge」を理由にグリーンカード申請を却下するかどうかケースごとに判断する際のガイダンスであり、審査官の判断方法を一律に定めたものではありません。

このことから、申請者それぞれの事情を考慮して判断する審査官の裁量が、これまで以上に広がったことがわかります。過去に公的扶助を受けたからといって、自動的に申請が却下されるわけではありませんし、スポンサーの年収や資産が「Form I-864」の要件を満たすことができなければ、これまで同様、ジョイントスポンサーを利用することもできます。

2026年9月18日以降にグリーンカードを申請する予定がある人は、新しいガイダンスを考慮し、念入りに準備することが重要です。

執筆者

琴河・五十畑法律事務所 弁護士・琴河利恵さん
Kotokawa & Isohata, PS
6100 219th Street SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043. USA
【電話】(206) 430-5108
【公式サイト】www.kandilawyers.com

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。

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