2026年9月15日より、アメリカのF-1学生ビザに関するルールが大きく変わります。
新しいルールについてお話しする前に、まずは、ビザとステータスの違いについて簡単にご説明します。
ビザとステータスの違い
ビザ(査証)とは、外国人がアメリカに入国するために、入国前に米国大使館または領事館で申請し、承認されるとパスポートに貼付される渡航許可のことです。ビザを取得すると、アメリカの入国地で入国審査を受ける資格が与えられますが、ビザを持っているというだけで入国が保証されるわけではありません。最終的な入国の可否は、入国審査官が判断します。
一方で、ステータスとは、アメリカに入国が許可された外国人に与えられる滞在資格のことです。例えば、外国人の学生がアメリカの大学に通う場合、入国する際にF-1ビザが必要ですが、入国が許可されたあとは「F-1ステータス」となり、アメリカ国内で認められている活動に専念することができます。
ビザは、入国時に必要なものです。ですので、入国後、ビザの有効期限が切れてしまっても、ステータスが有効で許可された滞在期限内である限り、アメリカに滞在し、合法的な活動を継続することができます。反対に、ステータスの滞在期限が切れてしまうと、ビザの有効期限が残っていたとしてもアメリカには滞在できません。このように、ビザとステータスは、移民法上、異なる概念です。
ステータスのカテゴリによっては、滞在期限があらかじめ決められているものがありますが、現在、F-1ステータスは滞在期限が特定されておらず、D/S(Duration of Status)という制度によって管理されています。ビザの条件を満たして有効なステータスを維持している限り、アメリカに滞在できるという制度です。つまり、F-1ステータスの場合は、学校に在籍し、学業に専念している限り、期限なくアメリカに滞在できるという意味です。
D/S(Duration of Status)制度の廃止 2026年9月15日から
しかし、2026年9月15日よりD/S(Duration of Status)制度が廃止されることになりました。
つまり、F-1学生ビザ保持者は、参加する修学プログラムに必要な期間に沿って滞在が許可されることになり、その期間は最長4年となります。
さらに、英語の修学プログラムに参加する留学生のみ、滞在できる期間が最長24ヶ月に制限されることになりました。
修学期間延長や出国準備期間、プログラム変更やトランスファーの厳格化
修学プログラムの期間延長が必要な場合、これまでは大学のDesignated School Official(DSO)がSEVISを通じて延長手続きを行っていました。しかし、今後は、移民局を通じてステータス延長手続きを行わなければなりません。延長申請には、申請料金、バイオメトリックス、身元調査が含まれます。
また、修学プログラムの修了後に認められる出国準備期間(グレースピリオド)が、60日から30日に短縮されます。
さらに、入学後のプログラム変更やトランスファーなどに関する規制も、修学の進捗レベルによってルールが異なるものの、全体的に厳しくなります。
留学生は自分の状況にあった対応の確認を
現在、D/S制度の下でアメリカに滞在している学生については、移民局は移行手続きに関するガイダンス・ルールを発表しています。ただし、2026年9月15日以降にアメリカから出国して再入国する場合、または滞在期間の延長を申請する場合には、新しい制度が適用されます。学生は、移民局の移行ガイダンスを確認し、自分の状況にどのように適用されるかについてDSOに相談することが重要です。
今後、F-1ビザ保持者は、I-20だけでなく、許可された滞在期間についても確認する必要があります。また、修学プログラムの延長やOPTの申請などを行う場合、新制度の影響を受ける可能性があるため、早めに大学のDSOへ相談するとよいでしょう。さらに、9月15日以降アメリカへ入国・再入国する場合は、入国のたびにI-94に記載された滞在期限を必ず確認することが重要です。
移民局は、この新ルールは、外国人留学生が本来の目的である学業を修了し、修了後は帰国するという趣旨を徹底するものだと説明しました。
今回のコラムでは F-1学生ビザに焦点を当ててお話しましたが、D/S制度の対象であるJ-1ビザやIビザ保持者についても、9月15日からこの制度が廃止され、滞在期限に上限を設ける新たな制度へ移行します。
琴河・五十畑法律事務所 弁護士・琴河利恵さん
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コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。
