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ソーシャル・メディアを使うティーンの子育てに不安を感じています。

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Q:アメリカ育ちの16歳の娘についての相談です。最近私と話している時でも友達とテキストを送りあい、部屋にこもって、フェイスブックやスカイプでの交流にはまっているようです。成績は良い方ですが、宿題の提出が遅れて成績が下がったりする時もあります。文句を言ったり、友達のことを質問したりすると逆切れされ、本当に腹が立ちます。車の運転免許も取りたいと言っていますが、そうするとますます目が届きにくくなるので、今後の子育てに不安を感じています。

A:ティーンの間でのウェブサイトやソーシャルネットワーキング・サイト(フェイスブックやツイッター)、テキストでのコミュニケーションの急速な広まりは、携帯電話もなく育った親世代にとって、これまでとまた違った子育てのチャレンジが生まれています。携帯電話もあまり普及していなかった頃は(と言っても10数年前ですが)、放課後の活動は、まず自宅に電話をして親に話してから始まるものだったのが、アメリカのティーンは今やテキストで休みなくメッセージを送りあい、外で会わなくてもスカイプで話したり、一緒に宿題をしたりと、親の目が届くような状況ではありません。後からテキストやフェイスブックを使い始めた親は、子供に使い方を教えてもらったり、どう使ってよいのかわからないまま放棄したりして、子供とのコミュ二ケーションの溝か広がったりすることも多々あります。

子育ては、子供がまだ幼く、親が言ったことを子供が比較的素直に聞く時期に良いコミュニケーションの基盤を作り、ティーンの子育ては親と離れて自力で生きていくための準備期間だと考えてみてください。友達関係が重要になり、反抗してこそ、社会で生き抜いていく力がついていくのです。でも、この時期の子供は体が大人に近いので、「もうこのくらいのことはわかるだろう」と、大人の論理で説得しようとしてしまいがちです。でも、まだ子供だからと、「こうしなさい」と命令調になると、コミュニケーションをうまく取ることはできません。ティーンの子育ては、テクノロジーの導入の前から、いかに普段からスムーズなコミュ二―ケーションが取れているかが鍵だと思います。反抗するのは成長の過程で、反抗していても何かあったときには親に話せる安全な環境を作るのが大切です。

ティーンの子育てに役立つ対策法を、次のようにまとめてみました。

  1. なるべく「講義をしない」で、子供の話を聞くようにする。
  2. 長期的なゴールより、今週何が必要かの話をする。ティーンという成長過程にある子供たちは、「わかっている」と言いますが、「こうすれば3年後はどうなっているか」なんて、想像がつきにくいのが事実です。ゴールについても、「今週はこんなことをするべき」と親が言うのではなく、本人のゴールを言ってもらいましょう。
  3. ムードの安定している時期を見計らって、一緒に何かをする時間を取る。これはあくまで子供が興味を持って一緒にやりたいと思うことを選びます。たとえば、スタバに一緒に行って10分話す、好きな DVD をリビングルームで一緒に見る、といったもので、嫌がられることは避けてください。子どもの興味があることに、興味を示すことが大切です。
  4. 普段から、安全面(麻薬、お酒、セックス、ネットを通しての交流、いじめなど)についての話を少しずつして、子供が安全に対する知識があることを確認した上で外に送り出す際、「信用しているよ」と伝えること。
  5. 子供に携帯電話を持たせる際、親が子供にどのような行動を期待しているのかをハッキリさせる。たとえば、宿題をしてから友人と連絡しあうこと。能力相応の成績を維持し、それができない場合は携帯電話を1週間止める、などです。契約書を交わしてハッキリさせておくと、後で携帯電話を止める事態になってもケンカになりにくいと思います。携帯電話は携帯会社のサイトに行くと簡単に一時的に通じないようにすることができます。先に条件をつけないで携帯電話を与え、後で親が腹を立てて携帯電話を取り上げるようなことは避けてください。
  6. フェイスブックは、安全でないと感じたもの以外のポストには何のコメントもしないといった条件で友達にしてもらうと子供の社交関係がつかめます。でも、簡単に切られてしまうこともあるのでご注意を。
  7. 自分の家をティーンに開放し、時間制限や男女交流の条件などをつけた上で、子供に安全なたまり場を提供すると、友人関係がかなり把握できます。

ご相談の娘さんですが、成績も良いとのことですし、親の不安からガミガミ小言を言うよりも、「あなたはいろいろな可能性があって、能力もあるから、信用しているよ。でも、何か相談ごとがあれば、いつでも話に乗るから」といった方向性で話しかけてみるのはいかがでしょうか。

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高田 Dill 峰子さん
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