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第51回シアトル国際映画祭 2025:世界中の映画が集まる11日間の祭典、5月15日(木)開幕

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今年で第51回を迎える「シアトル国際映画祭(Seattle International Film Festival)」が、2025年5月15日から11日間にわたって開催されます。映画好きにとって春の風物詩ともいえるこの映画祭は、世界中の新作や注目作、隠れた傑作が一堂に会する、北西部屈指の国際映画イベント。今年は74カ国・地域から集まった245作品が、各地の映画館で上映されます。

オープニング作品には、アイルランド発の感動コメディ『Four Mothers』が選ばれ、クロージングにはA24製作の話題作『Sorry, Baby』が登場。菅田将暉主演の黒沢清監督最新作『Cloud』、北マケドニアの青春ドラマ『DJ Ahmet』など、アジア・ヨーロッパ・中東を含む多彩な作品が注目を集めています。

この記事では、そんな2025年の映画祭の見どころと注目作品をご紹介します。

シアトル国際映画祭 概要

上映作品と注目のラインナップ

映画祭以外では観られない?配給が未定の作品も

SIFFの公式発表によると、今年上映される作品245本のうち、なんと約73%にあたる約179本はまだアメリカ国内での配給契約が決まっていないそう。つまり、映画館での一般公開や配信サービスで観られる予定が今のところなく、映画祭だけでしか観られないかもしれない作品がたくさんあるということになります。

​特に、新進気鋭の監督による初監督作品や第2作目の作品も多く、こうした「今しか観られないかもしれない」作品に出会えるのは、映画祭ならではの楽しみです。

また、SIFFのいろいろなコンペティション部門(新監督、アメリカンシネマ、ドキュメンタリーなど)では、もともと配給が決まっていない作品を対象にしているので、必然的に未公開の作品が多くラインアップしています。

配給が未定の作品をスクリーンで観られるチャンスは本当に貴重。映画ファンにとっては見逃せないイベントですね。

オープニング&クロージング作品

5月15日(木)オープニング作品『Four Mothers』 ダレン・ソーントン監督

あらすじ:将来有望なクィアの小説家エドワード。しかし、若さと自由をもう一度取り戻したいと願う親友3人が突如プライド旅行に出かけてしまい、彼らの母親たちの面倒まで見る羽目に。果たして、週末はどうなる?2024年BFIロンドン映画祭プレミア上映作品。

「この作品はお茶目で、心温まる映画です。今年の映画祭の幕開けにぴったりです。今年は、70カ国以上から集まった映画を10日間にわたって上映し、例年通り、インディペンデントな視点や映画作家に焦点を当てています。今年の映画祭のすべての要素を象徴する作品を、オープニング作品に迎えられることを嬉しく思います」
– SIFFアーティスティック・ディレクター ベス・バレット氏

会場: パラマウント・シアター
開催日: 2025年5月15日(木)
チケット:SIFF会員 78ドル、一般 88ドル、VIP 360ドル(チケット購入

5:00pm:VIP体験のプレレセプション(パラマウント劇場ステージにて)
6:00pm:一般チケット購入者入場開始
7:00pm:SIFFのウェルカム&『フォー・マザーズ』上映開始
上映後:パラマウント劇場内およびナインス・アベニューにてアフターパーティー開催

オープニングナイト・フィルム&パーティーのチケットは、公式サイト、またSIFFシネマの窓口で発売中。フィルム&パーティーパッケージから、プレレセプション、スワッグバッグ(記念品)、上映会での指定席、有名なアフターパーティーでの専用ラウンジとバーが含まれたVIP体験まで、さまざまなオプションがあります。今年は、オープニングナイトのペアチケットと鑑賞券6枚がセットになった新しい「オープニング・ウィークエンド・パック」も登場しました。

5月25日(日)クロージング作品:​『Sorry, Baby』(エヴァ・ヴィクター監督)

Sorry Babyエヴァヴィクター監督

A24製作のシリアスコメディ。主人公のアグネスは、人に気を遣いすぎる英文学教授。トラウマがどのように人生に影響を与え、そしてどのようにゆっくりと癒えていくのか(あるいは癒えないままなのか)を繊細に描き出します。エヴァ・ヴィクターの監督デビュー作。2025年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、「ウォルド・ソルト・スクリーニング賞(Waldo Salt Screenwriting Award)」を受賞しました。

会場:SIFF Cinema Downtown (上映後のパーティーは MOHAI で開催)
開催日:5月25日(日)
チケット:SIFF会員 78ドル、一般 88ドル、VIP 230ドル(チケット購入

6:00pm:上映開始
8:00pm:MOHAI にてアフターパーティー開催


注目作品

1. 『Cloud クラウド』2024年公開作品

Cloud クラウド
2024年公開作品

監督・脚本:黒沢清
主演:菅田将暉
ジャンル:​サスペンス/スリラー
上映時間:123分
公式サイト:cloud-movie.com​(日本語)
あらすじ:​転売屋として日銭を稼ぐ男が、憎悪を募らせる得体の知れない集団に狙われるようになり…。ジャンルを超えたポットボイラー的な作品で、現代社会の闇を描く。

2. 『DJ Ahmet』

DJ Ahmet

監督・脚本:​Georgi M. Unkovski
主演:​Arif Jakup
ジャンル:​ドラマ/コメディ
上映時間:97分
受賞歴:​2025年サンダンス映画祭 ワールドシネマ部門 観客賞受賞
あらすじ:​北マケドニアの保守的な農村に住む15歳の羊飼いアフメトが、電子ダンス音楽に魅了され、伝統と現代の間で葛藤する姿を描いた作品。

3. 『Diamonds』

Diamonds

監督:​フェルザン・オズペテク
主演:​ルイーザ・ラニエリ、ジャスミン・トリンカ、ヴァネッサ・スカレラ
ジャンル:​ドラマ/メタシアター
上映時間:120分
あらすじ:​イタリアの劇場を舞台に、舞台と現実の境界が曖昧になる中年女性たちの人生を描いた作品。

4. 『Dancing Queen in Hollywood』

監督:​オーロラ・ゴッセ
ジャンル:​コメディ/ドラマ
上映時間:87分
あらすじ:​ノルウェーの少女ミナが、ロサンゼルスで音楽ビデオに出演する夢を追いかける中で、大作映画への出演チャンスを得る物語。2023年のSIFFゴールデン・スペースニードル賞(最優秀作品賞)を受賞した『ダンシング・クイーン』の続編。

5.『Seeds』

Seeds

監督・撮影:​ブリタニー・シャイン(Brittany Shyne)
製作:​ダニエル・ヴァルガ、サブリナ・シュミット・ゴードン
上映時間:123分
制作国:アメリカ
受賞歴:​2025年サンダンス映画祭 アメリカン・ドキュメンタリー部門 グランプリ受賞
あらすじ:アメリカ南部で代々農業を営むアフリカ系アメリカ人農家のドキュメンタリーです。​1910年には1600万エーカーの土地を所有していた彼らが、現在ではその大部分を失い、土地の継承や金融支援の困難に直面しています。​モノクロの映像で日常の美しさを捉え、土地と伝統を守る人々の姿を静かに映し出しています。 ​

6.『Sally』

監督・脚本:​クリスティーナ・コスタンティーニ(Cristina Costantini)
製作:​ナショナル・ジオグラフィック、ローレン・チオッフィ、ダン・コーガン、ジョン・バーディン
制作国:アメリカ
受賞歴:​2025年サンダンス映画祭 アルフレッド・P・スローン賞受賞
あらすじ:1983年にアメリカ初の女性宇宙飛行士として宇宙に旅立ったサリー・ライドの公私にわたる人生を追ったドキュメンタリー。パートナーとの関係や、NASAでの挑戦、メディアの注目に対する葛藤など、これまであまり知られていなかった側面に焦点を当てています。

7. 『happyend』

happyend

監督・脚本:​空音央(Neo Sora)
制作国:日本
公式サイト​www.bitters.co.jp/HAPPYEND/
あらすじ:近未来の東京。幼馴染で大親友のユウタとコウは、こっそり忍び込んだ夜の学校で悪戯を仕掛け、怒った校長は学校に四六時中生徒を監視する AI システムを導入する。それをきっかけに、コウは自身のアイデンティティと社会に対する違和感について深く考えるようになり、今までと変わらず仲間と楽しいことだけをしていたいユウタとの友情がギクシャクし始め…。

賞とコンペティション

SIFFについて

シアトル国際映画祭 Seattle International Film Festival(SIFF:シフ)は、1976年から開催されている北西部最大の映画祭。現在は、シアトル国際映画祭に加え、さまざまな映画の上映、映画人によるトークイベント、教育プログラムなどを市内の4つの劇場で通年開催し、映画を通して共感と喜び、そして人と人とのつながりが生まれる世界の実現を目指しています。

10日間にわたる映画祭では、70か国以上から集まった多彩な作品が上映され、インディペンデントな声が主役となるこの祭典。今年はオンライン配信(5月26日〜6月1日)も予定されています。

詳細は公式サイトでご覧ください。

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