2025年7月発表の最新人口推計(2025年4月1日付)によると、シアトル市内の人口が初めて80万人の大台を突破し、81万6,600人に達しました。この1年間で約18,900人の増加があり、前年比2.4%の成長を記録しています。
シアトルの人口はなぜ増えている?
主な要因は、他地域からの移住(純移動)によるもので、シアトル市内の集合住宅の増加や高い就業機会も背景にあります。2024年から2025年にかけて、カリフォルニア州のサンフランシスコ市では約3,000人の人口減少があったのに対し、シアトルは逆に大幅に増加。現在のトレンドが続けば、2年以内にサンフランシスコを人口で上回る可能性もあります。
ワシントン州全体でも人口増加は継続
ワシントン州全体の人口は811万5,100人となり、前年比で約7万9,400人(+1.0%)の増加となりました。ただし、過去10年間の平均年間増加数(約9万8,200人)に比べるとやや鈍化しています。
増加の内訳
- 他州・外国からの移住者による増加:6万1,700人(人口増加の78%)
- 自然増(出生-死亡):1万7,700人(22%)
出生率は2017年頃から減少傾向にあり、特に10代・20代前半の出産数の減少が影響しています。35歳以上の母親の出生率が上昇しているものの、それだけでは全体の減少を補えていません。これに対し、死亡数はベビーブーマー世代の高齢化により、上昇傾向にあります。
人口が増えている都市と郡は?
市別の増加数上位15位(数値増加順)
- シアトル:18,900人
- タコマ:3,300人
- ベルビュー:3,000人
- バンクーバー:2,500人
- レドモンド:2,340人
- ショアライン:1,830人
- スポケーン:1,700人
- スポケーン・バレー:1,400人
- オーバーン:1,370人
- マリズビル:1,250人
- カークランド:1,140人
- ボセル:1,090人
- ベリンハム:1,070人
- リンウッド:1,040人
- ポート・オーチャード:960人
成長率が高い郡(前年比)
- ウィットマン郡(+1.4%)
- キング郡(+1.4%)
- スポケーン郡(+1.2%)
住宅の建設も活発 中心はキング郡
住宅供給の面では、2024年から2025年の1年間で約47,900戸の新規住宅が建設されました。そのうち68%が集合住宅で、州内の5大都市圏郡(キング、ピアス、スノホミッシュ、クラーク、スポケーン)に76%以上が集中しています。特に、州最多の人口を抱えるキング郡は2万戸超となり、州全体の42%を占めました。