ワシントン州キング郡は、「Stop Hate Hotline（ストップ・ヘイト・ホットライン）」の開設を発表しました。
Stop Hate Hotline（ストップ・ヘイト・ホットライン）」とは
このホットラインは非営利団体 Crisis Connections（クライシス・コネクションズ）が運営し、ヘイトクライム（憎悪犯罪：hate crime）やバイアス（偏見：bias）の被害を受けた際の通報に利用できます。24時間365日利用可能で、200以上の言語に対応したリアルタイム通訳が提供されます。
被害者は匿名での通報も可能で、希望すれば連絡先を提供し、フォローアップ支援を受けることもできます。
2022年、キング郡議会はレーガン・ダン議員が起草・提案した法案を全会一致で可決し、被害者の通報手段拡充を進めました。この法案は、King County Coalition Against Hate and Biasによる調査とコミュニティからの意見を基に策定され、他地域の成功事例も参考にしています。
このホットラインは、ヘイトクライムや偏見に基づく事件の被害者・目撃者の信頼できる通報・支援窓口として機能することが期待されています。
ヘイトクライム（hate crime）とは
キング郡では、ヘイトクライムとは「通常の犯罪」に、被害者の属性（人種・宗教・性別・性的指向・国籍・障害など）への偏見や敵意が加わった犯罪を指します。暴行・脅迫・財産損壊などの行為が、特定集団への差別意識に基づいて行われた場合に該当します。ワシントン州法（RCW 9A.36.080）に基づき、ヘイトクライムは通常の犯罪より重い扱いを受けることがあります。
偏見 ー バイアス・インシデント（bias incident）とは
バイアス・インシデントとは、犯罪には至らないものの、人種・宗教・性別・国籍・障害など、実際または知覚される属性を理由とした差別的・攻撃的な言動を指します。差別的発言や嫌がらせ、侮辱などが典型例です。キング郡ではこうした事案も通報対象とし、偏見による影響を記録・分析することで地域全体の安全性向上を目指しています。
以下は、キング郡『Stop Hate Hotline』公式FAQの日本語要約です（内容に忠実に翻訳・要約しています）。
Stop Hate Hotline FAQ ー よくある質問
この新しいホットラインについてキング郡が提供している FAQ を日本語に要約しました。
誰が電話に対応するのか
『Stop Hate Hotline』には、非営利団体 Crisis Connections（クライシス・コネクションズ）の専門スタッフが対応します。60年以上にわたり電話による危機支援を提供してきた経験を活かし、すべての通話に思いやりを持って対応します（compassionate support）。電話対応者は、必要に応じて専門的な支援が必要かを判断し、適切な支援機関へつなぎます。
Crisis Connections とは
Crisis Connections は1964年創設の非営利団体で、年間60万人以上に支援を提供しています。250人のスタッフと450人のボランティア、地域団体との連携により、200以上の言語での対応が可能です。主な連携先には、988 Suicide and Crisis Lifeline、24時間クライシスライン、モバイル危機対応、211ナビゲーション、911-988-211ディバーション、ティーンリンク、ウォームライン、リカバリー・ヘルプライン、自殺遺族支援などがあります。
なぜ通報が必要なのか
ヘイトクライムやバイアス・インシデントを通報することで、地域内の傾向やパターンが明らかになり、効果的な予防策や対応策の立案に役立ちます。小さな出来事でも通報することが、地域全体を守ることにつながります。
いつホットラインに電話すべきか
自分自身、知人、または目撃した人が、実際または認識上の属性（人種・宗教・性別など）を理由としたヘイトクライムまたはバイアス・インシデントを経験した場合に電話してください。ホットラインは事案を記録し、必要に応じて支援やリソースを提供します。
ただし、緊急の危険がある場合は911に通報してください。