世界各地で毎年10月に行われる地震防災訓練『Great ShakeOut Earthquake Drills(グレート・シェイクアウト)』。地震が起きた瞬間、どのように身を守るかを体で覚えるこの国際的な訓練は、2025年も10月の第3木曜日にあたる10月16日(木)午前10時16分に実施されます。
地震が起きた瞬間の行動を練習する国際訓練
『Great ShakeOut Earthquake Drills』は、地震時の安全行動を学び、日常の中で防災意識を高めるための世界的な訓練です。
米国地質研究所(USGS)によると、2008年にカリフォルニア州で始まり、今ではアメリカ全土、カナダ、日本、フィリピンなど世界各地に広がっています。
ShakeOutの特徴は「誰でも、どこでも、同時に参加できる」こと。家庭でも職場でも学校でも、わずか1分でできるシンプルな訓練として、多くの場で利用されています。
合言葉は「Drop, Cover, and Hold On」
ShakeOutで行う基本行動は、世界共通の3ステップ:
「Drop(ドロップ)」「Cover(カバー)」「Hold On(ホールド・オン)」という合言葉で覚えます。
- Drop(ドロップ)
揺れを感じたら、すぐに床に膝をついて低い姿勢を取り、転倒を防ぎます。 - Cover(カバー)
頭と首を腕で覆い、近くのテーブルや机の下に入ります。 - Hold On(ホールドオン)
揺れが収まるまで、テーブルの脚などをしっかりつかみます。
これが、地震時に最も安全で現実的な行動とされています。
かつて推奨された「ドア枠に立つ」「屋外へ走り出す」といった行動は、落下物の危険が高く、現在では推奨されていません。
10:16にそろって行動 — 数字でつながる世界の防災訓練
ShakeOut の実施時刻は、現地の10月16日に合わせた「10時16分」。
2025年も世界中で数百万人が同時に参加する予定で、地域や職場ごとに独自の訓練や啓発イベントも行われる場合もあります。
訓練をきっかけに「日常の備え」を見直す
ShakeOutは、「備えを特別なものではなく、日常の一部にする」ことが目的。たった1分の訓練ですが、その効果は大きいと言われています。この機会に、自宅や職場の防災対策を改めて見直してみませんか。
日常でできる地震への備え:
- 家具や家電を固定して転倒を防ぐ
- 飲料水・非常食・懐中電灯・救急用品を備蓄する
- 家族や同僚と避難経路や集合場所を共有する
- スマートフォンの緊急通知機能を確認する
- 訓練後に気づいた点を話し合い、改善する
ワシントン州・シアトルは地震多発地域
太平洋岸に位置するワシントン州は、アメリカ国内でも地震が多い西海岸にあり、地震に伴う津波、火山噴火、山火事といった大規模自然災害につながる可能性がある地域です。
また、シアトルを含むカスケード山脈より西側の地域一帯は、二つのプレートがぶつかるカスケディア地震帯の上にあり、また、ピュージェット湾岸地域に複数の断層があるため、いつ大規模地震が起きても不思議ではないと言われています。
まとめ:1分の訓練が、未来の備えになる
ShakeOutは、特別なイベントではなく、日々の生活の中で防災を考えるきっかけを作ることが目的です。家族や友人、同僚と、地震時の行動を話し合い、1分間の訓練で安全を確認しましょう。その積み重ねが、もしもの場合の安全な対応につながります。