健康を考えるとき、私たちが毎日食べる野菜や果物の安全性は無視できません。特に気になるのが「残留農薬」(pesticide residues)。その指標として注目されるのが、米国の環境保護団体 EWG(Environmental Working Group) が毎年発表する「Dirty Dozen(ダーティ・ダズン)」と「Clean Fifteen(クリーン・フィフティーン)」です。
2025年版では評価方法が見直され、順位に大きな変化がありました。
2025年版の主なポイント
- ほうれん草が1位に浮上(前年まで9年連続1位だった「いちご」を抜く)
- ブラックベリー(10位)とジャガイモ(12位)が初登場
- 評価方法に農薬の毒性が加わり、リスク指標がより精緻に
- USDA・FDAの公式調査では基準内が大半とされつつも、EWGは「複合曝露」を考慮した消費者ガイドとして発表
ダーティ・ダズン(残留農薬が多い12品目)
- ほうれん草 ※2024年の2位から1位に浮上
- いちご ※2024年まで連続9年1位
- ケール/コラード/マスタードグリーン
- ぶどう ※皮ごと食べる点に注意
- もも
- さくらんぼ
- ネクタリン
- なし
- りんご
- ブラックベリー(新規)
- ブルーベリー
- ジャガイモ(新規)※発芽防止剤の影響
クリーン・フィフティーン(残留農薬が少ない15品目)
- パイナップル
- スイートコーン(生・冷凍)※GMO作物あり
- アボカド
- パパイヤ ※GMO作物あり
- たまねぎ
- グリーンピース(冷凍)
- アスパラガス
- キャベツ
- すいか
- カリフラワー
- バナナ ※2025年からランクイン
- マンゴー
- にんじん
- きのこ
- キウイ
中間リスト(16〜35位)※ Middle of the List 2025
「ダーティ・ダズン」と「クリーン・フィフティーン」の間に入るグループです。
ブロッコリー、カンタロープ、サツマイモ、なす、オレンジ、ラズベリー、ミニトマト、プラム、セロリ、きゅうり などが入っています。
なぜ2025年に評価方法が変わったのか?
従来の評価は「検出率・検出数・濃度」が中心でしたが、2025年からは「毒性」(toxicity)が追加されました。
この変更によって、
- ブラックベリー:初めての大規模データ公開で順位が上昇
- ジャガイモ:貯蔵時に使われる発芽防止剤の影響で高リスクに
といった新しい動きが出ています。
実生活でできる工夫
- 流水でよく洗う/ブラシでこする(石けん・洗剤は不可)
- 外葉の除去・皮むきで残留を軽減
- 有機栽培の購入を優先(特にダーティ・ダズン)
- 冷凍有機野菜・果物も有効な選択肢
- 野菜や果物を多様に食べること自体の健康効果は大
知っておくと良い英語
- 残留農薬:pesticide residues
- 農薬:pesticide
- 有機農産物:organic produce
- 慣行栽培:conventional farming
- 許容量(基準値):tolerance level / maximum residue limit(MRL)
- 毒性:toxicity
- 複合曝露:cumulative exposure
- 発芽防止剤:sprout inhibitor
- 洗浄(流水で洗う):rinsing / washing under running water
- 皮をむく:peeling
- 外葉を取り除く:removing outer leaves
まとめ
2025年版「ダーティ・ダズン」では、ほうれん草が首位となり、ブラックベリー・ジャガイモが初登場しました。
一方で、政府の基準ではほとんどの食品が「安全」とされています。
このランキングについての詳細はニュースリリースで確認できます。