ワシントン州西部では、特に秋から冬にかけて(9月〜2月頃)は低気圧が襲来する回数が増えて暴風雨が増えるため、停電が起きやすくなります。停電に備えるうえで大切なのは、風の予報をこまめに確認すること、停電前後にすべきことをあらかじめ把握しておくこと、そして電気以外の暖房手段を用意しておくことです。この記事では、停電の前後に備えておきたい具体的な対策と、冬に重要となる暖房の準備をまとめました。
天気予報・強風注意報・警報などの情報をチェック
1. Wind Advisory / High Wind Watch が出たら、停電の可能性を考える
米国国立気象局(National Weather Service:NWS)によると、以下の基準で注意報や警報が発表されます。
Wind Advisory(強風注意報)
持続風速31〜39mph(約50〜63km/h)が1時間以上続く場合、または突風46〜57mph(約74〜92km/h)が発生する場合に発表されます。
High Wind Watch / Warning(強風警戒・警報)
持続風速40mph(約64km/h)以上が1時間以上続く場合、または突風58mph(約93km/h)以上が発生する場合に発表されます。
シアトル地域は針葉樹が多く、地盤が湿りやすいため、強風による倒木で電線が被害を受けやすく、停電につながりやすいといわれています。特に停電しやすい地域にお住まいの方は、注意報や警報が出た時点で準備を始めておくと安心です。
2. gust(突風)が強いと停電リスクが上昇する
gust(ガスト:突風)とは、平均的な風速から急激に強まる一時的な風のことです。NWSの定義では、突風の持続時間はおおむね20秒未満とされていますが、瞬間的な強さは持続風速を大きく上回ることがあり、枝折れや倒木、飛来物の原因になりやすいため、停電リスクを見るうえで重要な指標です。
以下は、突風の強さと停電リスクの目安です。前半の欄はNWSが定める公式な注意報・警報の基準、「軽度の停電の可能性」の行は、それより弱い風でも起こりうる影響を記事側でまとめた目安である点にご留意ください。
| 突風(gust)の瞬間最大風速 | 目安 | リスクの傾向 |
|---|---|---|
| 35〜45mph(約56〜72km/h) | NWSの警報基準未満 | 枝折れなどによる軽度の停電が起こる場合がある |
| 46〜57mph(約74〜92km/h) | Wind Advisory 相当 | 枝折れ・倒木による停電が起きやすい |
| 58mph以上(約93km/h以上) | High Wind Warning 相当 | 広範囲での停電が発生する可能性がある |
3. スマートフォンでも確認
多くの天気アプリでは、以下の情報を確認できます。
- Wind Advisory
- High Wind Watch
- High Wind Warning
- gust(瞬間最大風速)
強風の予報を見たら、すぐに準備を
NWSはウェブサイトやSNSなどで強風の予報を発表しています。こうした予報を見かけたら、次のものを準備しておくと安心です。
- スマートフォン、モバイルバッテリーの満充電
- ガソリンの補給、またはEVのフル充電
- 懐中電灯・予備電池の準備
- 屋外の物を片付けて、飛来物を防ぐ
- 停電時に必要な暖房器具などの確認
- 電気以外の暖房手段(灯油、プロパン、薪など)の用意
- 電力会社のアプリで最新情報を受け取れるよう設定しておく(後述)
- 備蓄品の確認
- 医療機器(CPAPなど)が電源を必要とするかどうかの確認
- 冷蔵保存が必要な薬があるかどうかの確認
- 屋外の家具や遊具などの固定
- ゴミ箱をガレージなど風の影響を受けにくい場所へ移動
家にある電気機器を一覧にしておくと、停電時に充電しておくべきもの、シャットダウンしておくもの、電源を抜いておくものが把握しやすくなります。
備蓄品については、在シアトル日本国総領事館が備蓄品チェックリストを公開しているほか、Puget Sound Energy の緊急時の準備リスト、米国政府 Ready.gov の防災用品リストも参考になります。
停電しそうな場合
- 家電の電源を切る
- ブレーカーと主電源の位置を確認しておく
- ガレージの電動シャッターを手動で操作する方法を確認しておく
- 電力会社のアプリをインストールしておく(シアトル市内はSeattle City Light、周辺エリアはPuget Sound Energyなど、契約している電力会社のものを選んでください)
- 室内の足元を整理しておく(停電時のつまずき・転倒を防ぐため)
- 発電機を持っている場合は、稼働の準備をしておく
- 緊急食料・物資を確保しておく
- 天然ガス・電気の遮断方法を確認しておく
- 高齢者・障がいのある方・ペットへの対応を準備しておく
- 停電でも使える電話機を用意しておく
- 別の地域に住む家族や友人の緊急連絡先を控えておく
- 電話がかけられない場合のスマートフォンでのテキスト送信方法を確認しておく
- カセットガス燃料を使う卓上コンロを用意しておく(例:Iwatani 35FW Single-Burner Butane Portable Cooktop、Chef Master 15,000 BTU Butane Portable Camp Stove)
- 卓上コンロ用のカセットガス燃料があるかどうかを確認しておく
発電機を使用する際は注意が必要です。Consumer Product Safety Commission(CPSC)は、一酸化炭素中毒を防ぐため、発電機を屋内やガレージ、地下室、物置などの閉じた空間では絶対に使用しないこと、建物や窓・ドアから20フィート(約6m)以上離れた屋外で使用すること、排気を建物と逆方向に向けることを呼びかけています。
停電中にしておきたいこと
- 電力会社のウェブサイトやアプリで停電地図(outage map)を確認する
- 電力会社のウェブサイトやアプリで停電を報告する(report outage)
- 冷蔵庫・冷凍庫のドアを開けない
- 食品の温度が40°F(約4℃)以上になった場合は廃棄する
- 倒木や落下した電線に近づかず、外出を控える
冬の停電の時にすること
- 電気以外の暖房を使用する(次項を参照)
- ドアや窓の隙間を塞ぐ
- カーテンを閉めて、室内の熱を逃がさないようにする
- 重ね着で体温を保つ
- 家族で一部屋に集まって過ごす
- 室内用の簡易テントを使うと保温効果が高まる
- 卓上コンロで調理する
電気以外の暖房器具を準備すること
灯油ヒーター(kerosene heater)
灯油はガソリンスタンドなどで購入できます。使用の際は換気が欠かせません。室内での使用が認められているモデルかどうか、事前に確認しておきましょう(例:Sengoku Indoor & Outdoor Kerosene Heater)。
プロパンヒーター(propane heater)
こちらも室内使用が可能なモデルかどうかの確認が必要です。換気を十分に行い、一酸化炭素警報器とあわせて使うことがすすめられています(例:9,000 BTU Portable Buddy Radiant Propane Heater)。
ガス暖炉(gas fireplace)
停電時に使用できるかどうか、点火方式をあらかじめ確認しておくと安心です。
薪ストーブ(wood stove)
使用前に排気設備の点検をしておきましょう。
暖炉(fireplace)
すでに煙突が設置されている場合は、煙突内の汚れ具合を点検しておくと安心です。
床暖房(radiant floor heating)
ガスボイラー式であれば、停電時にも作動する場合があります。
電池式・充電式の暖房器具
部屋全体ではなく、体の一部を温める用途に向いています。
まとめ
シアトル地域では、暴風雨が多い冬を中心に停電が発生することがあります。NWSの風の注意報・警報や突風の予測をこまめに確認し、早めに備えることで、停電時の安全性は大きく変わります。
停電シーズンが本格化する11月を迎える前に、契約している電力会社(シアトル市内はSeattle City Light、周辺エリアはPuget Sound Energyなど)のアプリで停電通知の登録を済ませておくと、いざという時にスムーズに対応できます。
本記事には、Amazon アソシエイト・プログラムを利用したアフィリエイトリンクが含まれています。リンクを経由して商品をご購入された場合、弊社に紹介料が支払われることがあります。ユーザへの負担は一切ありません。
