寒い季節になると、夜から朝にかけて気温が下がり、屋外にある蛇口が凍ってしまうことがあります。凍ると水道管の中で氷がふくらみ、蛇口や管が破裂するおそれがあります。破裂すると水が止まるだけでなく、家の中が水びたしになることもあります。
そんなトラブルを防ぐために、冬が本格的に始まる前に準備しておくことが大切です。ここでは、簡単にできる4つの対策と、もし凍ってしまったときの対応方法を紹介します。
水道の中の水を抜く
寒さが厳しくなる前に、まず蛇口や管の中の水を抜いておきましょう。
やり方の一例:
- ホースがついていたら外す
- 水抜き用のバルブを閉める
- 蛇口を開けて、水が出なくなるまで排出する
- 水が抜けたら蛇口を閉める
水抜き用のバルブがない場合も、ホースを外して蛇口をしっかり閉めておくだけで効果があります。
蛇口カバーをつける
屋外にある蛇口は、冷たい風に直接さらされるため、凍りやすくなります。そのため、蛇口のまわりをあたたかく保つ工夫をするのがポイントです。
その一つの例が、蛇口を外気から守る蛇口カバーをつけること。アメリカでは “Outdoor Faucet Cover(アウトドア・フォーセット・カバー)” などと呼ばれ、Home Depot などのようなホームセンターやオンラインショップでも手軽に購入できます。
種類はいくつかあります:
- 発泡スチロール製(軽くて安いタイプ)
- 固いプラスチック製(耐久性が高い)
- ナイロン製(断熱材入り)
蛇口カバーは簡単に取りつけられるものが多く、寒さ対策としてとても手軽です。
写真と同じモデルはもう販売されていないようですが、ほぼ同じ形状のものを Amazonでも購入できます。(アフィリエイトのリンクが開きます)
蛇口をあたためる
ホームセンターなどで売っている保温材(スポンジのようなチューブ)を巻き、その上からビニールなどで防水することもできます。タオルを巻いて、その上からビニール袋で覆う簡単な方法でも効果があります。
取り付け方は、とても簡単。シアトル市が提供しているこのビデオで、つけ方がわかります。
水道管が凍ったり破裂したときの対応
シアトル市は、水道管が凍ったり破裂した時の対応として、下記を紹介しています。
1. 凍ってしまったときの対応
シアトルで雪が降ることは珍しいものの、冬になると気温が零下になる日があります。そんなときに多いのが「水が出ない」「蛇口の先で凍ってしまった」というトラブルです。SPUは、次のような順番で落ち着いて対応するよう呼びかけています。トラブルが大きいときは迷わずSPUまたは業者に連絡しましょう。
手順
- 配管(pipes)が凍っている場所を探す
外壁の近くや床下など、冷えやすい場所から確認します。 - 蛇口(faucet)を少し開けておく
氷が溶け始めたときに水が流れ出すよう、出口を開けておきます。 - ゆっくり温める
タオルをぬるま湯に浸して巻いたり、ドライヤーやヒーターで温めたりして、少しずつ解凍します。
⚠️ 熱湯をかけると破裂の原因になるため避けます。 - 水が出るまで温め続ける
途中でやめず、水圧が戻るまでしっかり温めます。 - 解凍できないときは業者を呼ぶ
届かない場所や安全に作業できない場合は、配管業者(licensed plumber)に依頼します。
2. 破裂してしまったときの対応
もし配管が破裂(pipes burst)してしまったら、すぐに水を止めて被害を広げないことが最優先です。
手順
- 元栓(止水バルブ:main shut-off valve)を閉める
家の中または外にある元栓を閉めて、水の流れを止めます。(SPU 公式サイト参照) - 元栓が見つからない・止められないときはSPUに連絡
SPUでは、水道メーター側で止水してもらえる緊急対応があります(24時間体制)。 - 配管業者に修理を依頼
破裂部分の修理や交換は、資格を持つ業者に任せます。
冬のはじまりにチェックしておきたいこと
SPUは、冬が始まる前に以下の準備をすすめています。
- 蛇口や管にヒビや緩みがないか確認する
- 水抜きバルブが動くかどうか確認する
- 屋外の蛇口や露出している管をカバーで覆う
- 断熱材やタオル+ビニールで保温する
- 氷点下になる夜は蛇口を少し開けて水を流す
- 家の中も寒くなりすぎないよう暖房をつける
こうした対策をしておくだけでも、冬場のトラブルを大きく減らすことができます。凍る前の対策がいちばん効果的です。
シアトル大都市圏では雪はあまり降りませんが、気温が零下になることはあります。実際、「もっと寒い地域から引っ越してきたので大丈夫だろう」と思い、蛇口をカバーしなかった人が、外の水道管が破裂して地下室が水びたしになったという話もあります。そうしたトラブルを防ぐためにも、寒さが本格的になる前に屋外の蛇口をカバーしておくことが大切です。
