スマートフォンやタブレットがあれば、最寄りの公立図書館の貸出カードを使って電子書籍 や オーディオブックを “無料” で楽しめることをご存知でしょうか。アメリカ全土の多くの図書館が導入しているアプリ『Libby(リビー)』を活用すれば、自宅はもちろん、外出先からでも好きな本を簡単に借りてダウンロードし、読む・聴くことができます。
公共図書館の蔵書とデジタル技術を組み合わせたこのサービスは、節約できる上、読書や学習にも最適。紙の本を借りるような感覚で、最新のベストセラーからクラシック作品まで幅広いジャンルを楽しめます。ここでは、その使い方をまとめました。
公立図書館と連携する無料の電子書籍サービス
Libby は、アメリカの公立図書館と連携して電子書籍やオーディオブックを無料で借りられるサービスです。利用には図書館の貸出アカウントが必要ですが、スマートフォンやタブレットにアプリをダウンロードすれば、自宅や外出先からでも簡単に本を読む・聴くことができます。
このアプリは、1986年にオハイオ州クリーブランドで創業した OverDrive によって開発されました。OverDrive 社は、2015年に楽天によって買収された後、2019年に KKR が取得しています。
OverDrive 社の公式サイトによると、世界115か国で 92,000 を超える公共図書館・K-12校・大学などで利用されています。
『Libby』の誕生と特徴
もともとOverDriveは『OverDrive(オーバードライブ)』というアプリを提供していましたが、2017年にコア機能をよりシンプルにした『Libby(リビー)』をリリースしました。Libbyはインターフェースが直感的で、初めての利用でも迷いにくい設計が特徴です。
iOSとAndroidの両方に対応しているので、図書館の貸出カードを持っていれば、アカウント情報を入力するだけで利用を開始できます。
なぜ無料で利用できるのか
アメリカの公立図書館は税金などの公的資金で運営されています。そのため、利用者が電子書籍やオーディオブックを借りる際に追加料金を支払う必要はありません。
提供されているタイトル数は200万以上で、自伝、ビジネス、ミステリ、旅行、ヤングアダルト、ノンフィクション、テクノロジーなど幅広いジャンルを網羅しています。最新のベストセラーやNPR(アメリカ公共ラジオ)で紹介された人気作も多く揃っています。
ただし、図書館は1回の貸し出しごとにOverDriveに費用を支払うため、1タイトルあたりの貸出人数には制限があります。すべて貸し出し中の場合は「Hold(貸出予約)」を設定して順番を待つことができます。
有料サービスの場合は、買いたいときに買い、ダウンロードできます。でも、公立図書館が提供しているこの無料サービスの場合、「今すぐ読みたい、今すぐ読まないといけないのに借りられない」という場合は、有料サービスを利用するしかありません。
利用方法
- 公立図書館の公式サイトや窓口で貸出カード(Library Card)を作成します。
- iOSまたはAndroid端末にLibbyまたはOverDriveアプリをインストールします。
- アカウント情報を入力してログインします。
- タイトルを検索し、「Borrow(借りる)」または「Hold(予約)」を選択します。
- 電子書籍はスマートフォンやタブレットで直接読むか、Kindleへ送信することも可能です(米国の図書館のみ)。
- オーディオブックはダウンロードまたはストリーミングで利用できます。
- 貸出期限になると自動的に返却され、延滞料金は発生しません。延長も可能です。
オーディオブックのメリット
- 目が疲れない:画面を見続ける必要がありません。
- リスニングの練習になる:外国語で聴く場合は語学学習にも役立ちます。
- 移動中や作業中にも聴ける:通勤や家事の合間に活用可能です。
- スピード調整が可能:再生速度を1.25倍などに変更できます。
- 著者朗読の作品もある:例えば、ミシェル・オバマの自伝『Becoming』は本人による朗読です。
- 俳優や声優による朗読:朗読の神のような人もいて、ラジオ劇場のように臨場感があります。
「声やアクセントにどうも慣れることができない」「好みの声ではないので、気持ちよく聴くことができない」という場合もあります。そんな時は無理せず、紙の本か電子書籍で読むのがいいでしょう。
公立図書館の新しい楽しみ方
紙の本だけでなく、電子書籍やオーディオブックも無料で楽しめるのは、公立図書館の大きな魅力のひとつです。図書館の蔵書によっては、特定ジャンルが限られる場合もありますが、まずは公式サイトやアプリでラインアップを検索してみて下さい。
こんなサービスが無料で使えるアメリカの公立図書館って、すばらしいですね!みなさんもぜひ利用してみてください。