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凍雨(freezing rain)に備えよう|ワシントン州西部の気象警報と対応策

Image by ASSY from Pixabay

冬の天気予報で、ときどき freezing rain という言葉が出てくることがあります。
「それって、何だろう」と、ふと気になったことがある方もいるかもしれません。

凍りそうな雨なのか、凍った雨なのか。
雪や霙(みぞれ/sleet)と何が違うのか。
そして、なぜここまで注意が呼びかけられるのか。

実はこの freezing rain、日本語では「凍雨(とうう)」と呼ばれ、ワシントン州西部では特に警戒が必要な冬の気象現象のひとつです。見た目はただの雨のようでも、気づかないうちに日常生活に影響を及ぼすことがあります。

この記事では、凍雨とは何か、その仕組みや影響、霙(sleet)との違い、そして事前にできる備えについて、まとめました。

freezing rain(凍雨)とは

凍雨(とうう)とは、上空では雨として降った水滴が、地表付近の気温が氷点下の環境に入ることで、地面や物体に触れた瞬間に凍結する降水現象です。英語では freezing rain と呼ばれます。

ナショナル・ウェザー・サービス(国立気象局)によると、雪や霙(みぞれ/sleet)と異なり、雨粒は空中では凍らないため、一見すると普通の雨のように見えるのが特徴です。

でも、路面や歩道、車、木の枝、電線などに透明な氷(雨氷)が付着し、短時間で非常に危険な状況を引き起こします。

凍雨による被害

ブラックアイス

凍雨の最大の危険性は、気づかないうちに氷が広がることです。

道路や歩道はすぐに滑りやすくなり、車両のスリップ事故や歩行者の転倒事故が発生しやすくなります。特に橋や高架道路は、周囲を冷たい空気に囲まれているため凍結しやすく、注意が必要です。

また、凍雨による雨氷は樹木の枝や送電線に付着して急速に重くなり、枝折れや電線の断線を引き起こすことがあります。その結果、停電や通信障害が発生し、復旧に時間がかかるケースも少なくありません。

雨氷による被害をまとめると:

2022年の年末、シアトル地域では雨氷で凍結した道路で歩行者が転倒して怪我をしたり、車が滑って事故を引き起こしたり、広範囲で停電したりする被害がありました。

電気の節約が呼びかけられる理由

凍雨の影響で停電が発生しやすくなると、電力供給が不安定になる場合があります。そのため、当局や電力会社は不要な電力使用を控えるよう呼びかけることがあります。

特に暖房機器の使用が増える時期は、電力需要が一時的に高まるため、節電は医療施設や緊急インフラへの電力供給を守るための重要な協力行動と位置づけられています。

節約の方法としては、室内の設定温度を68°F(20℃)以下に下げる、ウォーターヒーターの設定温度を120°F(48.9℃)以下に下げる、食洗機・洗濯機・乾燥機などの電化製品の使用を制限するなどが挙げられます。詳しくは Puget Sound Energy の公式サイトでご確認ください。

道路や交通カメラなどへの影響

凍雨は道路状況だけでなく、交通カメラや信号機、監視機器にも影響を及ぼします。カメラレンズに氷が付着すると映像が不鮮明になり、道路状況の把握が難しくなることがあります。また、信号機や標識への着氷は視認性を低下させ、交通の安全性に影響を与える可能性があります。

凍雨の予報が出されたら、不要不急の外出を控え、最新の道路情報や公式発表を確認することがおすすめです。

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