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【2026年版】マウント・レーニア国立公園|ワシントン州の最高峰を巡る旅

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ワシントン州にそびえるマウント・レーニア(Mount Rainier)は、標高14,411フィート(4,392m)を誇る州の最高峰で、アメリカで5番目に古い国立公園「マウント・レーニア国立公園」の主役です。アメリカ本土最大規模の迫力ある氷河、夏の短い期間だけ楽しめる色とりどりのワイルドフラワー、ハイキングや登山の聖地として、年間200万人以上の観光客が訪れています。この記事では、そんなマウント・レーニア公園の魅力と実用的な訪問情報をまとめました。

マウント・レーニアとは?

Credit line Courtesy of Visit Tacoma Pierce County
Visit Tacoma Pierce County
Naches Peak Trail Mount Rainier Pierce County Metro Puget Sound | Nature Landscapes

ワシントン州の最高峰にして活火山

マウント・レーニアは、カスケード山脈に位置する氷河を抱く活火山。主に1ヵ所の火口から噴火を繰り返し、溶岩と火山火山砕屑岩が降り積もってできた、円錐形に近い形の成層火山(stratovolcano)です。最後の噴火は1894年〜1895年頃で、現在も火山活動の監視対象にありながら、その美しさと自然の多様性からユネスコの暫定世界遺産にも登録されています。

火山活動によってすぐに何らかの問題が起きる可能性は低いと見られていますが、傾斜がきつく、大部分が氷雪に覆われているため、火山活動が活発になれば結果的には周辺地域に大きな影響を与えると予想されています。エベレストとほぼ同じ傾斜であるため毎年何人もの登山家が登頂に挑戦しますが、2016年には48%しか成功していません。(National Park Service 調べ)。

名前の由来

1800年代にこのあたりを調査していたイギリス出身の探検家ジョージ・バンクーバー船長が、友人のピーター・レーニア(Peter Rainier)提督にちなんで名付けた名前です。

しかし、約9000年前からこの山で狩りをしたり食べられる植物の採集を行っていた先住民は、すでにこの山に名前をつけていました。現在は、その中でもピュアラップ族が使っていた「Tahoma」(タホマ)または「Tacoma」(タコマ)という名前が知られています。これには “mother of waters” や “frozen water” といった複数の意味があります。(国立公園局の公式サイト

また、戦前に日本から移住してきた日本人は、富士山に似たその姿から、「タコマ富士」と呼んでいました。

“The mountain is out!”

シアトル地域で言う “The mountain is out!” というフレーズは、「マウント・レーニアが見えてるよ!」という意味。ローカルがこの山に対して感じている愛と誇りを感じさせます。

入口ガイド|マウント・レーニア国立公園に入るための4つのルート

ニスカリーエントランス

マウント・レーニア国立公園へは、シアトルから車で約2時間半。レンタカーが最も便利で、日帰りも可能です。パブリック交通機関は限定的なため、事前の交通手段確保が重要です。

以下に、マウント・レーニア国立公園の主要4つの出入口について表にまとめました。

出入口名特徴シアトルからの距離(約)
Nisqually Entrance(ニスクアリー)最も人気の出入口。ロングマイヤーやパラダイスへのアクセスに便利約87マイル(140km)
White River Entrance(ホワイトリバー)サンライズ方面のアクセス拠点。夏季限定でオープン。※2025年は予約が必要。約80マイル(129km)
Stevens Canyon Entrance(スティーブンスキャニオン)公園東側からのアクセスに便利。ルートは景観が美しい約107マイル(172km)
Carbon River Entrance(カーボンリバー)原生林が残る静かなエリア。車道は未舗装が多く、自然派向け約65マイル(105km)

距離は交通状況や経路により異なる場合があります。アクセス前にNPS公式サイトやGoogleマップなどで最新情報をご確認ください。

マウント・レーニア国立公園の公式サイトで、道路状況をご確認ください。

2026年の入園パス

入園する人は下記の3つのどれか一つのパスを購入している必要があります。

利用方法パスの種類料金
この国立公園を一度だけ訪れる場合スタンダード・パス$15.00–$30.00
この国立公園を年間に何度も訪れる場合アニュアル・パス$55.00
年間にさまざまな国立公園を何度も訪れる場合アメリカ・ザ・ビューティフル・パス無料〜$250.00

支払い方法と注意点

注意

2026年は事前予約する必要がなくなりました。

無料入園日(Fee-Free Days)

年間数日間、全米の国立公園で入園料が無料となる「Fee-Free Days」が設定されています。詳細は下記でご覧ください。

季節別の楽しみ方

春〜秋のアクティビティ

Mark Downey Courtesy of State of Washington Tourism

冬のアクティビティ

冬のマウントレーニアでスノーシュー
©︎ Chiaki

冬季は4つある入口のうち、南西端にあるニスカリー・エントランスと北西端にあるカーボン・リバー・エントランスの2つのみオープンします。ニスカリー・エントランスからアクセスできるロングマイヤー、そしてその先のパラダイスは、冬も最も人気のあるエリアです。真冬でも天気のいい日は、パラダイスの駐車場が満車になることもあります。

【ロングマイヤーのゲートの開閉時刻】
ゲートオープン:午前9時
登りのゲート閉鎖: 午後4時
下りのゲート閉鎖:午後5時

パラダイスに向かう場合に通過するロングマイヤーにはゲートがあり、夜間は閉鎖されます。パラダイスとロングマイヤーは片道30分はかかると見ておきましょう。ゲートのオープンは天候や道路状況によって予定時刻より遅れたり、一日閉鎖されることがあります。ロングマイヤーのゲートの現在の状況やその他の道路の最新情報は、アラートでご確認ください。オープンすることを確認できたら、ロングマイヤーに向かうのがおすすめです。

11月1日から5月1日までは、4WDとAWDの車も含め、すべての車両にタイヤのチェーンを積んでおく必要があります。チェーン装着義務のアナウンスがあった場合、自分でタイヤにチェーンをつける必要があります。

詳細は公式サイトでご覧ください。

ビジターセンターと施設案内

マウント・レーニア国立公園には、5つのビジター・センターがあります

Longmire Museum(ロングマイヤー・ミュージアム)

マウント・レーニアの南部にある二スカリー・エントランスから約6マイル(約10km)、標高2,700フィート(約822m)。1928年にオープンした、アメリカの国立公園サービスでは最も長い歴史を持つ小さな博物館。もともとはレンジャーのオフィスでしたが、今はマウント・レーニアの自然と地理的な歴史や動物などの展示物があります。レンジャーかボランティアのスタッフが質問に答えてくれます。また、すぐそばにはレストラン・ギフトショップ・宿泊施設のあるナショナル・パーク・インがあります。

Henry M Jackson Memorial Visitor Center(ヘンリー・M・ジャクソン・メモリアル・ビジターセンター)

マウント・レーニアの南部、標高5,400フィート(1,647m)のパラダイスにあるヘンリー・M・ジャクソン・メモリアル・ビジター・センター。トイレ、レンジャーかボランティアのスタッフが質問に答えてくれるインフォメーション・デスク、スナックの販売、ギフトショップ、国立公園の映像の上映、原生植物や動物、火山についての展示があります。そのすぐそばにあるパラダイス・インは、レストラン・ギフトショップ・宿泊施設が揃っています。

パラダイスの駐車場が満車であれば、ロングマイヤーからパラダイスに向かう途中の右手に設置された標識にライトがつきます。

Ohanapecosh Visitor Center

マウント・レーニア国立公園の南東の角、州道123号線にあるビジター・センター。最寄の町 Packwood から約12マイル(約19km)。キャンプ場の「Ohanapecosh Campground」の隣で、オレゴン州の Natural Hot Springs と Silver Falls のトレイルヘッドのそばでもあります。トイレ、展示物があり、夏季にオープン。レンジャーかボランティアのスタッフが駐在していれば質問に答えてもらえます。

Sunrise Visitor Center

サンライズから見るマウントレーニアとエモンズ氷河

マウント・レーニア国立公園の北側にあり、州道410号線から入って約15マイル(24km)の Sunrise Road の終点にあります。マウント・レーニア国立公園内で車で到達できる最高地点で、標高は6,400フィート(1951m)。舗装道路なので、自転車で上り下りすることもでき、ビューポイントからは周囲の谷、マウント・レーニア、およびマウントアダムスなどのカスケード山脈の他の火山をほぼ360度見渡すことができます。レンジャーかボランティアのスタッフが駐在していれば質問に答えてもらえます。ビジター・センターのそばの建物では、トイレ、ギフトショップ、スナックの販売あり。

サンライズへの道路は、通常、10月上旬から6月頃まで閉鎖され、夏季のみオープンしています。

Carbon River Ranger Station

マウント・レーニア国立公園の南西の角にあり、天候が安定している時はレンジャーかボランティアのスタッフが駐在し、質問に答えてくれるほか、ウィルダネスのキャンプ許可を出してくれます。

その他の施設

マウント・レーニア国立公園の南西の角、二スカリー・エントランスの東6.5マイル(約10.5km)にある Longmire Administration Building。1930年に完成した建物で、公園職員のオフィス、ウィルダネス・インフォメーション・センターとして機能しています。

宿泊ガイド

キャンプ場

© Yuko Watanabe

ホテル・ロッジ

National Park Inn(ナショナル・パーク・イン)

マウント・レーニア国立公園の南西のニスカリー・エントランスから車でアクセスするロングマイヤー(標高2,700フィート)にあるNational Park Innは、マウント・レーニア国立公園内で通年営業している唯一の宿泊施設です。歴史ある山小屋風のロッジで、レストランや暖炉ラウンジを備え、自然に囲まれた静かな滞在が魅力。パラダイスやハイキングトレイルへのアクセス拠点としても便利です。混雑を避けて訪れたい春や秋の宿泊先としてもおすすめ。25室の客室があり、レストラン、土産物屋、郵便局があります。

詳細はこちら

Paradise Inn(パラダイス・イン)夏季限定・早期予約必須

夏季限定で営業するParadise Innは、マウント・レーニア国立公園の南西のニスカリー・エントランスから車でアクセスできるロングマイヤー歴史地区を通過してさらに約30分のパラダイス(標高5,400フィート/1,645メートル)にあります。1917年にオープンし、1987年に米国国定歴史建造物に指定された大型ホテルで、館内にはレストラン、カフェ、土産物屋があります。目の前に広がる氷河や高山植物の絶景を望め、朝焼けや星空観賞にも最適。例年早期予約が必須のため、旅の計画はお早めに。ハイキングの拠点としても人気です。

詳細はこちら

マウント・レーニア国立公園外にも、アシュフォードやパッカードなどの町にロッジ、モーテル、B&Bが点在しています。

人気のハイキング・登山スポット

© Yuko Watanabe

ロングマイヤーのトレイル

Trail of the Shadows

Trail of the Shadows(初級):全長0.7マイル(約1.1キロ)起伏20フィート、所要時間45分
短いループトレイルで、自然の中を歩きながら、ロングマイヤーの歴史を学び、感じることができるトレイル。ロングマイヤー・レンジャー・ステーションのエリアから始まります。このエリアは入植者のジェームズ・ロングマイヤーが1890年に温泉療法リゾートのロングマイヤー・メディカル・スプリングス・リゾートを建設したところで、古いホテル跡を示す標識があります。

パラダイスのトレイル

郊外でもマウントレーニア国立公園でも珍しくない鹿

ニスカリー・ヴィスタ・トレイル(Nisqually Vista Trail):全長1.2マイル(約1.9キロ)起伏200フィート、所要時間45分
きちんと舗装されたトレイル。マウント・レーニアの雄大な姿とさまざまな野生の草花を見ながらの散歩といった感じです。途中、この山では5番目に大きい氷河のニスカリー・グレーシャー全体を見ることもできます。夏季にはレンジャーがいろいろな説明をしてくれる無料ツアーもあり(ツアー開始時間はビジター・センターで確認すること)。

デッド・ホース・クリーク・トレイル(Dead Horse Creek Trail)
全長2.5マイル(約4キロ)、所要時間1.5時間
ニスカリー・ヴィスタ・トレイルの起点の右横から始まり、グレーシャー・ヴィスタまで平坦な箇所と上り坂が続くトレイル。ニスカリー・ヴィスタよりも変化に富んだ地形と、遠くはマウント・セント・へレンズまで見渡せるパノラマ・ビューが楽しめます。きちんと舗装されているので、少し大変な思いをしても登る価値はあるでしょう。標高差は400フィート。

スカイライン・トレイル(Skyline Trail)
全長5マイル(約8キロ)、所要時間4時間
グレーシャー・ヴィスタとパノラマ・ポイントまで続くトレイル。マウント・アダムス、マウント・セント・へレンズ、そしてニスカリー・グレーシャーを見渡すことができます。デッド・ホース・クリーク・トレイルとはクリークを隔ててほぼ平行に設置されていますが、傾斜は比べ物にならないほど急なため、運動をしていない人には非常にきつい。スカイライン・トレイルとつながる地点までは前述のデッド・ホース・クリーク・トレイルがおすすめ。

サンライズのトレイル

サンライズのトレイル

エモンズ・ヴィスタ・トレイル(Emmons Vista Trail)
全長0.5マイル(約0.8キロ)、所要時間0.5時間
駐車場の南側から出発し、エモンズ・グレーシャーを見ることができるトレイル。

ネイチャー・トレイル(Nature Trail)
全長1.5マイル(約2.4キロ)、所要時間1時間
駐車場の北側から出発し、草花とマウント・レーニアの雄大な姿を眺めることができるトレイル。

クライミング(登頂)

マウント・レーニア登頂は上級者向けの技術登山で、死亡事故も起きる山です。登頂したい場合は準備と訓練が必須で、ガイド付きの遠征プランが多数あります(5月〜9月)。クライミング(climbing)とハイキング(hiking)は、まったく違います。

キャンプ・ミューア(Camp Muir)
全長8マイル(約12.8km)、獲得標高4,640フィート(1,414m)、所要時間6~8時間
スカイライン・トレイルをぺブル・クリーク(Pebble Creek)まで2.3マイル(3.7km)を登ると、ミューア・スノーフィールド(Muir Snowfield)の起点に到着します。ここからキャンプ・ミューアまで標高約10,000フィート(3,048m)まで登ることになります。初心者向きではなく、トレーニングが必要。ミューアとは、国立公園の設置を提唱した「自然保護の父」と言われるジョン・ミューア(John Muir:1838-1914)のラストネームから。このキャンプ・ミューアまで登る場合はクライミング・パーミット(登頂許可証)はいりませんが、標高14,410フィート(4,392m)の頂上に登頂する場合は、クライミング・パーミットが必要です。詳しくはワシントン州トレイル協会の公式サイトなどでご覧ください。

マウント・レーニア国立公園は年中オープンしていますが、観光に最適な季節は通常7月中旬~8月下旬。特に人気があるパラダイスは通常、7月中旬までトレイルに雪が残っているので、しっかりした靴をはいていても歩きにくいことがあります。秋は空気が澄んでいて、美しい紅葉が楽しめます。上に積もった雪が解けて青く光る氷河を見ることができるのが魅力。冬には積雪などのためロングマイヤーとパラダイスに行くニスカリー・エントランスからしか入ることができない上、高い標高にある道路とトレイルが閉鎖されます。秋から春にかけては、マウント・レーニアの公式サイトや SNS で道路状況を確認する必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q. マウント・レーニア国立公園はいつがベストシーズンですか?
A. ワイルドフラワーが咲き誇る7月〜8月が最も人気ですが、紅葉の9月、雪景色の冬もおすすめです。

Q. 日帰りでも行けますか?
A. シアトルから約2時間半で行けるため、日帰りも可能です。ただし、サンライズや奥地へ行く場合は早朝出発がおすすめ。

Q. 2025年の入園予約は必要ですか?
A. 詳細はまだ発表されていません。NPS公式サイトで確認を。

Q. 歩ける幼い子ども連れでも楽しめますか?
A. はい。ニスクアリー・ビスタやトレイル・オブ・ザ・シャドウズなど、家族向けの安全なトレイルも整備されています。

Q. 登山には許可が必要ですか?
A. はい。山頂登頂(クライミング)には、パーミットと事前トレーニングが必要です。ガイド付きツアーを利用する人も多いです。

いかがでしたか?マウント・レーニア国立公園は、火山・氷河・森林・野生動物・四季の花々が融合した、アメリカでも屈指の自然公園です。日帰りでも、泊まりがけでも、何度でも訪れたい絶景の宝庫。ワシントン州にいるなら、ぜひ一度足を運んでみてください。

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