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第11回 子供のいるお産(1)

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ナースプラクティショナー・助産師・看護学博士
押尾 祥子さん

Sachiko Oshio, CNM, PhD, ARNP

Nadeshiko Women’s Clinic

【メール】 info@nadeshikoclinic.com
【公式サイト】 www.nadeshikoclinic.com
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「2人目、3人目の出産の時に、上の子供の立会いをどうするか」ということを妊婦さんからよく相談されます。上の子供の年齢・子供に参加させたい理由・施設の規則などによって事情は異なりますが、基本的には自分の兄弟姉妹の出産に子供が参加することは良いことだと思います。子供が一緒に参加したお産で、思い出に残る場面をいくつかご紹介しましょう(個人の秘密を守るため、状況や性別を変えてあります)。

Aさんの子供は6歳の女の子。とてもしっかりしたお姉ちゃんです。出産に立ち会うかどうかをお母さんに聞かれて、自分でお産に参加することを選びました。お産の前に2つの約束をしました。1つ目は、お母さんはお産の時には大きな声を出すけれど、お産というのはそういうものだから、びっくりしないこと。もう1つは、お産の時は他の人たちはそれぞれ役割があって忙しいので、人に頼らず、自分のことは自分でがんばること。彼女はお母さんと病院に来た時には、自分で好きなビデオを選んで持ってきて、陣痛の間中、1人でビデオを見たり、本を読んだりしていました。赤ちゃんが生まれるとそっと席を立ってお母さんの手を握り、お母さんから「1人でよくがんばったね」とほめてもらいました。妹の世話には必ず関わる、世話好きなお姉ちゃんです。

Bさんの子供は4歳の男の子。出産のために入院してきたBさんには、ご主人・私・看護師・日本から駆けつけた妹さんの4人がついていました。みんなで代わる代わるAさんのサポートをしながら、手の空いた人が子供と遊びます。赤ちゃんが生まれるテーマの本も持ってきてありますが、普段から好きなおもちゃや本、ビデオが中心です。じっと陣痛の部屋にいると退屈ですし、緊張感が増すので、少し飽きてくるとカフェテリア・中庭・小児科の待合室・ロビー・ギフトショップなど、病院の中でも子供が自由に動き回ることができる場所を探検して歩きます。最後の手段として、どうしても退屈してしまった時のために、とっておきの列車セットを出してきて、パパと一緒に遊びます。いよいよ赤ちゃんが生まれるときには、お母さんの妹さんに抱かれてパパの後ろから覗くようにして見ていました。生まれた日は、赤ちゃんがかわいくて一生懸命世話をしていました。退院してから最初の2ヶ月ぐらいは赤ちゃんを邪魔にしていましたが、それが過ぎたら、また、赤ちゃんとよく遊んでくれるようになりました。

Cさんの子供は3歳の女の子。私や看護師さんやドゥーラの人たちが、お母さんをサポートするために汗を拭いたり、お水を持ってきたり、背中をさすったりしているのを見て、自分もお母さんの手をそっとなでてあげます。いよいよ出産の時が来て、お母さんはベッドに横たわり、向こうを向いて上の脚を抱え込むようにした姿勢でいきんでいます。私は出産の介助をするために、そのすぐ脇に座っていたのですが、お姉ちゃんは、赤ちゃんが生まれるのをそばで見たくて、私とお母さんの間に入ってきて赤ちゃんが生まれるところを見ていました。

Dさんの子供は2歳半の男の子。お産が夜中になったので眠いのですが、どうしても寝ません。たまたま担当の看護師さんが小児科で働いていた経験のある人だったので、根気良く一緒に遊んでいてくれました。眠くて眠くて、止まると眠ってしまうのがわかっていたため、お産が終わるまでちょこちょこと動き回っていました。赤ちゃんが生まれて元気な泣き声を上げたのを見届けると、自分からベッドにのぼって、そのままぐっすり眠っていました。

次回は、子供をお産に立ち会わせるためにはどんな準備をしたら良いかについて、ご説明します。

掲載:2005年6月

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