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ワシントン州経済への影響に懸念 米国がカナダ・メキシコ・中国に関税を発動

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更新:トランプ大統領は6日、メキシコとカナダからの輸入品の一部に対する25%の関税を1カ月延期すると発表しました。この関税措置の目的は合成オピオイドのフェンタニルの米国への密輸阻止と貿易赤字の是正と主張しており、依然として4月2日から「相互」関税を課す計画であると述べています。AP通信は、「トランプ氏が提案した関税は、数十年にわたる北米の貿易協定に大きな傷を与え、カナダは迅速かつ強硬な対抗措置を取らざるを得ない状況となっている。また、トランプ氏の関税計画は株式市場の下落を引き起こし、米国の消費者にも不安を与えている」と報じています。

先月の発表通り、トランプ政権は4日、カナダからの輸入品に25%、 メキシコからの輸入品に25%、 中国からの輸入品には先月の10%に追加で10%を課して合計20%の新たな関税を発動しました。また、カナダから輸入するエネルギーには10%の関税を課しています。

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米国に対する報復関税

カナダのジャスティン・トルドー首相はこの関税措置を「非常に愚かな行為」と批判し、アメリカからの輸入品に25%の関税を課すと発表しました。 メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領も報復関税を含む対抗措置を取る意向を示し、9日に詳細を発表すると述べています。 また、中国はアメリカから輸入する食品に10〜15%の関税を課すと発表しました。

消費者価格への影響

小売大手の Target のブライアン・コーネル CEOBest Buy のコリー・バリー CEO は、CNBC などに対し、「この関税により消費者向け商品の価格が上昇する」とコメントしています。Target は冬季にメキシコから野菜や果物を輸入しており、Best Buy は中国からエレクトロニクスや電化製品を輸入しています。CNBC によると、Best Buy の製品の約60%(コストベース)が中国から輸入されており、メキシコが2番目に大きな供給国であることから、新たな関税によりスマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップ、テレビ、モニター、家電製品、ゲーム機器、ヘッドホンなどの家電や電子機器の価格が上昇する可能性があります。

また、関税措置により、新築住宅の価格が上昇する可能性があると、CNBC は報じています。最近のCoreLogic のレポートによると、関税によって住宅建設に不可欠な木材製品、セメント、鉄鋼、アルミニウム、家電などのコストが上昇すると、今後12ヶ月で建設コストは4%から6%上昇し、新築住宅の販売価格が約1万7,000ドルから2万2,000ドルほど引き上げられる可能性があると分析されています。

ワシントン州への影響

米国通商代表部によると、2024年におけるワシントン州の主要な貿易相手国トップ3は、中国、カナダ、日本でした。ワシントン州の対中輸出額は120億ドルで、州全体の輸出額の21%にあたります。また、カナダへの輸出額は79億ドル、日本への輸出額は50億ドルでした。今回の関税はワシントン州の貿易関係に影響を及ぼし、2025年には輸出量や経済関係が変化する可能性があります。

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