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究極のプレイグラウンド、ウィスラーへの旅

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川合由佳子さん

執筆者:川合由佳子さん

1年を通じてさまざまなアクティビティが楽しめるのはワシントン州ならでは。「何でもやってみよう!」という気持ちで、いろんなことにトライしています。

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さて、前回も書いたとおり、シアトルは知る人ぞ知るスキー天国。

それに加えて、2010年冬季オリンピックが行われた世界レベルのウィンター・スポーツ・リゾート地、カナダはウィスラーへも週末旅行で行けちゃいます。日本に住んでいた時何十万円もかけてわざわざウィスラーへ海外スキー旅行に来たことがある私にとって、これは素晴らしいことなのです。

準備編:リフトのチケット代を節約するには

さて、世界レベルのウィスラー、リフトチケットの値段も世界レベルです(涙)。

でも、実は、ウィスラーに入る一歩手前の街、スクワミッシュにある 7-Eleven(38471 Cleveland Avenue, Squamish, BC)で割引リフトチケットが購入できます。金曜の遅くに到着しても営業しているので便利ですし、リフトチケットの実物がもらえるので、売り場に並ぶ必要がありません。忘れずに立ち寄りましょう。

ワシントン州に住んでいる人なら、1・3・5・10日から選択できるパス 『EDGE Card』(エッジ・カード)を事前に購入できます。でも、これは絶対に行くことがわかっていて、オフィスまで取りに行ける人に限られます。

準備編:どこに泊まるか

もちろんホテルはウィスラー・ビレッジ内がいいのですが、お値段もお高くなります。節約するには、ビレッジ内にコンドミニアムやタイムシェアを持っている人がお手ごろな値段でレンタルしてくれるサイトをチェックしてみましょう。

または、ビレッジ内ではありませんが、安いホステルもあります。でも、Hot Tub(ホット・タブ、ジャクージ機能などが付いている、数人で入れる大きな浴槽。あるとないとで大違い)がついていませんし、遠くに泊まることになるので、自分で運転しない人はビレッジまでバスがあるかどうか事前に確認する必要があります。

さて、なぜホット・タブが大切かというと、ナイターも含めて丸1日滑るのが当たり前の日本からきた日本人にはびっくりですが、ウィスラーのリフトは午後3時には止まってしまうんです。なので、夜はやはりホット・タブに入ってゆっくりするのがおすすめ。

ウィスラー側の施設。この時はウィスラーを満喫!
ブラッコムまで行く時間がありませんでした

では、私の典型的なシアトルからの週末ウィスラー旅行をご紹介してみましょう。

金曜日の夜

仕事を終えてからの出発だと、だいたい6-7時間かかると考えていいでしょう。シアトルからバンクーバー BC までが、交通渋滞を含めて約3時間。カナダへの国境は3つあるので、交通状態をチェックしてどの入口から入国するか決めるのがいいですね。それからカナダはガソリンが米国より高いので、国境を越える前にタンクを一杯にしていきましょう。バンクーバー BC から SEA to SKY Highway(海から空へのハイウェイ)99号線を走れば、ウィスラーに到着です。

99号線はオリンピックの開催でかなり道路が良くなったとは言え、雪が降っているときは要注意。横道に突っ込んでる車をよく見かけます。また、リムジンも結構多い。グループでバンクーバー BC からウィスラーへ出かけるのにリムジンをチャーターして、到着前からパーティーをしているのでしょう。たしかに、真っ暗な山道を運転しないでいいのは楽ですよね。

土曜日の朝

ウィスラーとブラッコムを結ぶ Peak to Peak ゴンドラ

ウィスラー・ビレッジからウィスラーとブラッコムの両方の山行きのゴンドラは朝8時半にオープンしますが、ゴンドラ・ステーションにはその30分前ぐらいから列ができはじめます。でも、係員がいるので、列が長くてもスムーズに動きますからご心配なく。

リフトで一緒になった人と話をすると、ウィスラーには世界中から人が来ていることがわかります。カナダ、アメリカだけでなく、ヨーロッパ、イギリス、オーストラリアなどが多いです。ウェアが派手なアジア人は、たいてい日本人ですね(笑)。目一杯滑って、午後3時ちょっと前くらいに山の頂上にいるくらいがベストでないでしょうか?そうするとビレッジに戻ってくるのは午後3時半くらい。そんなにぎりぎりまで滑ってるのはたいてい私たちぐらいで、いつだったか、誰も残っていないか確認するパトロール隊が、後から滑ってついてきてたこともありました。たいていの人達は、すでにウィスラー・ビレッジでビールを飲んで山を眺めながらゆっくりするか、ホテルに戻ってさっそくホット・タブを楽しんでいるというわけです。

土曜日の夜

カナダはアメリカと法律が違うので、ウィスラーのあるブリティッシュ・コロンビア州はお酒は19歳から。完全にはじけちゃっているアメリカ人の若者で、ビレッジの夜は大きなパーティー会場となるのでした。それでも次の日の朝にはみんな目がぱっちり覚めるスキー根性はすごい!

キッチンのついているコンドミニアムに宿泊していることの多い私の場合は、たいていビレッジ内のスーパーマーケットで食料品を買い込み、みんなでわいわい夕飯を作りながら部屋で過ごしています。

日曜日

昨日の筋肉痛とともに起床。毎週シアトルで滑っていても、ウィスラーを滑った次の日は筋肉痛です。荷物を車に詰め込んで、宿泊先を出ます。たいていの宿泊先では荷物さえ片付ければ車は停めておいてもいいと言ってくれますが、だめな場合はスキー場にも有料パーキングがあります。

午後3時まで滑った後、着替えもそこそこにウィスラーを出発。ちょうど夕飯時にバンクーバー BC かリッチモンドに到着。以前はラーメンを食べて帰るのが楽しみだったんですが、今ではシアトルでもおいしいラーメンが食べられるので、居酒屋さんか中華料理で舌鼓。何を食べてもおいしいカナダ、シアトルに戻るのが遅くなっても、その価値ありです。

私のお気に入りのゲレンデ・スポット

床の一部がガラス張りのゴンドラ

ピーク to ピーク ゴンドラ
ウィスラーとブラッコムの間は以前はベース部分でしか行き来することができず、1日で両山滑るのは時間的に難しいものがありましたが、両山の中腹を結ぶ世界最長のゴンドラが完成したことで、2つのゲレンデを簡単に楽しめるようになりました。ウィスラーを知り尽くしている人は、リフトの開き状況と混み情報を見ながら、2つの山を滑り分けます。26機のうち2機は床の一部がガラス張りになっているゴンドラ。森を上から覗く醍醐味が味わえるのはここだけではないでしょうか。熊がいるかもしれませんよ。この床がガラス張りのゴンドラだけが銀色なので、これにどうしても乗りたい場合はそれを待つこともできます。

オリンピックのサインがある場所
ゲレンデ上部にあるバンクーバー・オリンピックのモニュメントで写真を撮るのが定番のようですが、Lower Dave Murray(男子ダウンヒルに使われたコース)にも緑色のオリンピック・サインがあります。こっちの方が写真を撮るには空いています。

左:ゲレンデ上部にあるバンクーバー五輪のシンボル「Inuksuk」のモニュメント
右:五輪モニュメントの穴場スポット

お土産屋さんでもよく見かける、ウィスラーの頂上にあるシンボル 『Inuksuk』
バンクーバー・オリンピックの大会公式エンブレムにもなったイヌクシュクは、カナダの原住民であるイヌイットの友情・歓迎・希望を意味する言葉に由来しています。イヌクシュクはイヌイットが道しるべとして積み重ねた5つの岩のことですが、ウィスラーを目指す私達の道しるべとしてそびえています。

ダックリフト
ウィスラーのピーク Express リフトに乗ったことのある人は気がついたかもしれませんが、たくさんのラバー・ダック(ゴム製のアヒル)を見かけます。どうして始まったか私も今まで知りませんでしたが、公式 Facebook にこんな記事を見つけました。

コース選び

もちろん全部のコースが好きなのですが、どうしてもひとつ選ばないといけないなら、ブラッコム・グレーシャー・ボウル。ブラック・ダイアモンドになりますが、ここに行くにはいまだにTバーを使わないと行けないのです。何度スキーに行っても私はこのTバーがとっても苦手。乗る前はどきどきしてしまいます。子供向けのロープトーとは比べ物にならないくらいに長い。よくスノーボーダーが途中で転んでるのを見かけますが、そうするとまた下まで降りて、最初からやりなおさないといけない。その上、Tバーを降りた後、ボウルの入口に立つには少しながらあるギャップをハイクアップする必要があります。ちょっとの距離でもスキーをつけてのハイクアップは大嫌いなのですが、ここだけはこれをしないとウィスラーに来た気がしません。やっとたどり着いたボウルを滑り降りるのは気持ちがいいものです。

掲示やサインは必ずチェックしましょう!

何度も言うようですが、世界レベルのウィスラー、コースのバラエティの豊富さにはびっくりです。ある時、友人の上級者について滑っていて、「なんか今ダブル・ブラック・ダイアモンドのサインを見たような・・・」と思ったら、今度は自分のスキーをかついで引き返してくるカップルが。ああああ、と思ったときにはもう遅かった。でくわしたバーンはものすごい急斜面のうえに幅が10メートルもない。下を覗いても、ふもとが上から見えないくらいの長さ。さっきのカップルのように自分のスキーをかついで戻るか、この坂を勇気を持って滑り降りるか。なんとか横滑りを使って最後までたどりついたものの、ウィスラーのダブル・ダイアモンド・コースを甘く見ないこと。

リフトの乗り口に「迂回コースはないので、アドバンス(上級)スキーヤーのみ」のサインが出ていないかどうか見逃さないように。

山があまりにも大きすぎてどこを滑ったらいいのかわからない人のために、パトロール隊主催の無料ツアーも毎日やっています。私が参加したときは、ちゃんと最初にスキーのレベルを聞いてくれて、無理をしなくてもついていけるところに連れて行ってくれました。

ウィスラーこぼれ話

そこらのスキー場とは大きさの規模が違うウィスラー。頂上はパウダースノーなのに、山の下は冬でも雪がべちゃべちゃだったり、上と下の雪質がまったく違うところが多々あります。そのため、山のふもと近辺のリフトは、なんと降りる人用にぎりぎりまで動いています。降りるリフトに乗ったことがある人はあんまりいないと思いますが、私もウィスラーが初めてでした。

ウィスラーといえばヘリ・スキーという人も多いですが、私はしたことがありません。予約をしていかなくても、ビレッジを歩いていると、ヘリ・スキーやキャタピラ・スキー(私のような高所恐怖症の人向け?)が申し込める旅行代理店がたくさんあります。スキーヤーであれば、人のいない遠くまで連れていってもらって楽しむバックカントリー・スキーは憧れなのですが、ウィスラーは普通に2日間滑りまくっても時間が足りないくらい。日程が限られているのであれば、必ずしもヘリ・スキーをしなくてもいいような気がします(値段も高いですし。もちろんお金に余裕があればいつかは挑戦してみたいですが)。

思い存分スキーを楽しみ、おいしい空気を一杯吸って、美しい自然も見られて、ビレッジのパーティー気分も味わえるウィスラー。何度行ってもまったく飽きることのない、スキーヤーの究極のプレイグラウンドにぜひ行ってみてください。

Enjoy the Slope!

掲載:2014年12月

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