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ルイジアナ州南部にある米国最大の湿地帯(スワンプ)には、スパニッシュ・モスというコケが垂れ下がるイトスギ(Cypress)が生え、水面にはその根がニョキニョキと顔を出す、独特の景色が広がる。その間を野生のアリゲーターたちがスイスイと泳ぎ、観光客を楽しませてくれる。また、日光浴をする亀や、魚を捕ろうと身構えて微動だにしない鷺、アメリカの国鳥である白頭ワシなど、季節によってさまざまな野生動物に出会うことができる。この大自然をゆったりと満喫するなら、小型の船がおすすめだ。約10人が相乗りするこの船は、マーシュ(水草の草原)には入らず、湿地帯の幅100メートルほどある大きな水路をゆっくりと進む。スピード感はないので、子供からシニアまでがのんびりと楽しめることは間違いなしだ。 普通には入ることができない湿地帯の奥地を探検し、マーシュをスピード感たっぷりに飛ばしたい場合は、エアボートがお勧め。6人乗りと小さいので、網の目のように通じる水路(Bayou)にまで入っていくことができる。湿地帯を極めるなら、必ず体験しておこう。なお、この湿地帯には、フットボールほどの大きさにまで成長する南米産の大ネズミ、ヌートリア(nutria)が生息している。ヌートリアは繁殖力が強く、水草を食い荒らすため、ルイジアナ州では大問題となっており、州政府は捕獲プログラムを運営して湿地帯の保存に努めている。一方でルイジアナではこのヌートリアを使った料理が登場し、インターネットではレシピも見つけることができる。 この湿地帯周辺にはケイジャン(Cajun)と呼ばれる人たちが多く住んでいる。彼らは17世紀初頭にフランスからカナダ南東部のアカディア地区(現在のノバスコシア州とその近郊)に移住したフランス人の子孫でケイジャン(アカディア→アカディアン→ケイジャンと訛っていったそう)と呼ばれるが、イギリスとフランスが植民地を争った7年戦争のあおりで追放され、ミシシッピ川を下ってルイジアナに移住してきたと言われている。主食だった麦はもちろん、バターやハーブがなかなか手に入らない新しい環境に適応していくため、このあたりでとれる米・トウモロコシ・芋・豆・イチジク・魚・アリゲーター・ザリガニなどを食材とする独特の食文化が生まれた。これは現在はケイジャン料理と呼ばれ、ルイジアナのあちこちで食べることができる。
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