|
| |
企業と学生が比較的近い関係にあるアメリカでは、新卒採用でも学校で専攻して得た専門的な知識はもとより、在学中のインターンシップやパートタイムジョブを通して、企業が求める知識や技術を身に付けた、 "求められる人材" が対象になることがほとんどです(企業が求める知識や技術は、求人情報に細かく書かれています)。これは、アメリカで就職したいと考える外国人にとっても同じことですが、就労可能なビザを取得しないと合法的に働くことができない外国人の就職には、なにかと障害が生じることがあります。弁護士を雇えばビザは簡単に取得することができると言われますが、労働局・移民局・弁護士とのやり取りにかかる時間・労力・費用を厭わない会社を見つけることは、なかなか簡単ではありません。従って、外国人である場合は "求められる人材" 以上に、 "会社がビザを取得してまでも欲しい人材" である必要が出てきます。ビザに関しては移民法の "ビザ: 労働ビザ" のコーナーをご覧下さい。そのような人材になるには、どうしたら良いのでしょうか?まず、現在の移民法における就労ビザ(Hビザ)は、4年制大学卒業者、または、それと同等の経験者にのみ与えられます(さまざまなケースがありますので、移民法専門弁護士にお問い合わせください)。限られた期間しか滞在することが許されない外国人がアメリカの4年制大学に留学する場合、その限られた期間の始まりから積極的にキャリアを模索・決定し、そのキャリアに沿った、内容の濃いボランティアやインターンシップをこなし、良い学業成績で卒業することが必須条件と考えられます。特に、ボランティアやインターンシップをこなすことは知識や経験を得ることはもちろんですが、"Networking"(ネットワーキング〜人脈作り)のツールとも考えられています。人脈作りはビザなどのハンデが無いアメリカ人でさえも、"It depends on who you know."(誰を知っているかによる)と言うぐらいに大切と考えていることです。ですから、ハンデのある外国人の場合、長期間のインターンシップを通して自分を理解し、紹介者(リフェレンス)となってサポートしてくれる人々に出会うことが、アメリカ人以上に重要なことが理解できるでしょう。 また、職種や応募するポジションによっては4年制大学以上の学歴を持っていることが有利になったり、必要になったりする場合があります(これは時勢によって変化しますので、移民法専門弁護士に問い合わせる必要があります)。たとえばマネジャー(部長)クラスへの雇用や昇進はMBAなどに代表される"Master's Degree"(修士号)を持っている経験者が対象になることがほとんどです。 ■アメリカの経済状況 現在アメリカは不景気で、たくさんのアメリカ人が失業している状態です。従って、就職を希望する人はたくさんいるにも関わらず、求人自体が少ない状態にあります。ハイテク産業・バイオテクノロジー産業・エンジニア関連産業が発達しているワシントン州も、2000年頃に起きたドットコムの崩壊や2001年に起きた同時テロ事件の影響で、2004年には全米ワースト3位の失業率を記録しました。つまり、アメリカ人にとっても大変な状況である現在、外国人であればよほどの人材でない限り、就職は困難を極めます。そんな状態でも常に良い人材を探している企業もあるので、チェックしてみる必要があるでしょう。しかし、前述のとおり、在学中からインターンシップやパートタイムジョブで実地経験を積んだアメリカ人と競争するわけですから、それ以上の努力をした優秀な人材か、日本人を探している業界であれば、就職が見つかる可能性も高くなります。このような状況を念頭において努力しなかった人は、卒業後にアメリカで就職したくても、大変厳しい状況に置かれることになるでしょう。 ■英語 いまや選択肢の1つになっている海外就職ですが、誰もが簡単にできることではありません。生まれ育った国の中での就職以上の労力も体力も必要で、語学力は当然のこと、自分の考えや意欲など、個人としての明確なビジョンがなければ、その大変さは増すだけです。ですから、アメリカで仕事を探すにはまず自分のセールスポイントを持ち、それをうまく表現できるようになる事が必要です。また、「英語と日本語が話せます」という能力は、ただの日常会話や学生英語ではない、ビジネスで通用するレベルであればこそ使えるもので、「英語はプロフェッショナルな場で使うレベルが当たり前、日本語はプラス」と考える必要があります。「英語はどのくらいできる必要がありますか」などという質問をしなくてもいいように、インターンなどを通して十分な実践経験を積んでおきましょう。 ■セールスポイント 自分のセールスポイントをアピールする方法はいろいろあります。留学生の場合、良いインターンシップをする事は自分の力にもなりますし、企業側があなたの実力を判断するための非常にパワフルな材料となります。既に職務経験があるならそれにこしたことはありません。また、資格を取得することも職種によっては良いアピールの材料になりえます。たとえばマイクロソフト社が設定している資格や、公認会計士(CPA)などの資格を取るために勉強を重ねている人もたくさんいます。しかし、やはり実践経験を持たない資格だけの人は、豊かな実戦経験を持つ人よりも価値が低くなります。したがって、資格と実戦経験の両方を在学中に得ることは非常に大切です。 ■アメリカは学歴社会 アメリカでは「どの大学」ということに加え、「何を勉強してきて、何ができるのか」が考慮される、「実力学歴社会」と言えるでしょう。というのは、殆どの場合、大学の専攻は将来を考えて選択したものという前提で、その専攻内容に沿った仕事につくことになっているからです。例えば、英文学教師になるための専攻をした人が、教職の空きが見つからなかったのでハイテク企業のプログラマー職に応募しても、コンピュータ関連の専攻で卒業した人と同等、またはそれ以上の技術を披露する必要があり、それができない場合は門前払いです。また、外国人留学生の場合、移民法に従い、専攻と職種が関連付けられていなければなりません。 自分のセールスポイントとは 自分のセールスポイントについてアピールするための準備は、自分がいったい何ができるのかと自分を客観的に眺めることから始まります。「何もできませんが、やる気はあります」が通じない、厳しい状況だということを理解する・しないで、就職に対するアプローチのしかたが変わってくるでしょう。まず、自分の学歴、そしてその他の活動(インターンシップやアルバイト)などから、自分の市場価値を考えてみましょう。外国で就職するということは、その国の国籍を持っている人、つまり、アメリカで就職するならアメリカで生まれ育ったアメリカ人と競争することを意味するのです。目的意識の高いアメリカ人の中には、自分のやりたい仕事につながる専攻を勉強し、それに関連したインターンシップやアルバイトをこなし、卒業後すぐに仕事ができるぐらいの実力を身につける努力を惜しまない人がたくさんいます。したがって、卒業する時の彼等のレジュメ(履歴書)には大学名だけでなく、インターンシップ・アルバイト・ボランティアの経歴がたくさん書かれています。そんなアメリカ人と同一線で就職探しをするということを考えると、いかに自分の就職についての考え方を明確にしなければならないかわかるでしょう。
|
|
||||||
|