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シアトル体験取材: 『Classic Helicopter Corporation』でヘリコプターの操縦を体験

シアトルを訪れるのが初めての人はもちろん、住み慣れている人にもぜひおすすめしたいのが、シアトルを空から一望できるヘリコプター・ツアー。ダウンタウンから車で約15分のボーイング・フィールドにあるクラシック・ヘリコプター社では、パイロットでインストラクターでもあるオーナーの瀬島一郎さんやパイロット歴14年のインストラクター、武内大一さんと一緒にヘリコプターの遊覧飛行や操縦飛行が気軽に体験できます。

今回は30分の操縦飛行を体験させていただくということで、まずは武内さんから簡単な講習を受けました。最初に言われたのは、「今回体験するヘリコプターはとても敏感。前に行きたいと思ったら前に行きたいと思うだけでいい」ということ。興奮するとつい思い切って操縦菅を操作してしまいそうですが、ほんの少し動かすだけでコントロールできるそうです。次はヘリコプターが動く仕組みについて少しテクニカルなお話がありました。手で握るのが、サイクリック・ピッチ・コントロール(操縦菅)で、前後の動きを操ります。足下にあるペダルは、上空では機体を安定させ、地上では機首を左右に向けるために使うもの。エンジン・パワーをつかさどるコレクティブは高度を調整します。そして最後に教えてもらうのが、自分が操縦を体験する場合に使う「ポジティブ・トランスファー」という合図。これは2人同時に操縦菅から手を離してしまう事態を避け、事故を未然に防ぐためのもので、武内さんが "You have control" と言われた後、自分が "I have control" と言うと、もう一度武内さんが "You have control" と言って操縦菅から手を離します。つまり、その時は自分だけが操縦菅を握っている状態になります。操縦を任されてもできるだけ何も動かさないように注意して、遠くを見ながら水平線など何か目標を定め、それと一定の距離を保つことを意識すれば、ヘリコプターは不安定にならないとのことでした。

一通り理論を理解できたら、今度は飛行コースを確認します。あらかじめ設定されているコースは3種類ありますが、今回はボーイング・フィールドから北上し、ワシントン大学からグリーンレイク上空を通過してゴールデン・ガーデンズ・ビーチを巡り、チッテンデン水門、クイーン・アンを通ってスペース・ニードル、ダウンタウン、セーフコ・フィールドなどの上を飛ぶコース。途中に自宅があることを伝えると、「では旋回して写真を撮りましょうか」と言ってくださいました。講習が終わると、講習を受けたことを確認する誓約書にサインをして、いよいよランプへ向かいます。

この日は風はありましたが、雲ひとつない青空で、絶好のヘリコプター・ツアー日和。ヘリコプターには2人乗りのほかに4人乗りもあるそうですが、今回は2人乗りの小型機を使用。機体まで案内されると座席の狭さに驚きましたが、乗り込んでシートベルトを装着すると、思いのほかペダルが遠く、身長155センチの私は足が届きません!残念ながら席は動かせないので、今回は操縦菅のみの操作を体験することになりました。 武内さんの指示に従って頭にヘッドフォンをつけると、武内さんが管制塔と交信する様子が私の耳にも入ってきました。機内は風や機械の音で声が聞こえにくくなるので、武内さんと話す時にも、マイクを口にぴったりとつけた状態でこのヘッドフォンを通して会話をします。武内さんがエンジンをかけると、プロペラが旋回を始めました。しばらくして機体が浮き上がった瞬間は特に合図もなく、機体の前面がほぼガラス張りで開放感があるということもあって、自分の体がふわっと浮き上がったよう。武内さんの合図とともにそのまま500フィートほど上昇すると、さっきまで自分がいたボーイング・フィールドがあっという間に小さくなりました。500フィートと言うと、ちょうどスペース・ニードルの展望台ぐらい。いったん上空で安定したら、遊覧飛行の始まりです。高度を変えずに、親指ほどのサイズの車や家などを眺めながら直線距離で進んで行くと、ワシントン大学まではわずか4分。ヘリコプターに慣れて来たら、操縦菅を補助させてもらいながら、グリーンレイクをまたいでゴールデン・ガーデンズ・ビーチへ。空が澄み渡っているおかげで視界が開け、遠くまで見渡せます。普段はバスで移動している私は「シアトルってこんなにコンパクトだったのか!」とビックリしてしまいました 。

チッテンデン水門を回ったら、いよいよ前方にクイーン・アンの丘に立つ3本の赤い塔、その向こう側にダウンタウンのビル群、そしてスペース・ニードルが見えてきます。スペース・ニードルではゆっくり旋回できるので、絶好の撮影スポット。展望台の人からもヘリコプターの内部が見えるようで、手を振ると振りかえしてくれます。ダウンタウンのビル群を越えたら、最後にマリナーズの本拠地セーフコ・フィールドへ。ほぼ真上を通るのでフィールドを覗くこともでき、タイミングが合えば選手が練習している様子が見られるそうです。セスナ機には一度乗ったことがあるものの、窓からの視界がセスナ機とは比べ物にならないほど広いので、眼下に広がる景色に夢中になっていると、武内さんが "You have control" と言われました。「ついに私の操縦する番が来た!」と緊張しながら、合図を交わして操縦菅を1人で持つと、途端にヘリコプターが左方向へ傾いていって大慌て。ヘリコプター操縦の難しさを改めて実感した瞬間でした。でも、そこはプロの武内さん、すぐに機体を立て直し、「遠くを見るように」と言ってくださったので、講習で言われたことを思い出し冷静に。プロの方が一緒という心強さから、怖さは感じませんでした。その後は武内さんに再び操縦を任せ、数分後にボーイング・フィールドのランプが見えてくると、もう30分もたったことが信じられず、「まだまだ飛びたい」と思うばかり。着陸するときも、離陸と同様ふわっと着陸するので、衝撃は全くありませんでした。機体から降りるまでは気をゆるめず、指示に従いながら機体の横に出たら、小さいプロペラ(テールローター)のある機体の後方ではなく、前方に歩くようにとのこと。興奮がおさまらないまま武内さんと機体の横で記念写真を撮影し、初めてのヘリコプター操縦飛行が終了しました。

終わってもしばらくは夢見心地の気分が続き、現実に戻れたのは帰宅する時になってから。贅沢なひとときを過ごしたという満足感がたまりません。気軽に体験できるヘリコプターに乗って、天気の良い日は上空から、違った角度でシアトルの良さを再発見してみてはいかがでしょうか

(掲載:2009年8月)

 

事前に武内さんに講習を受けます。


浮いた直後に上空500フィートに上昇します。


ダウンタウンへ。シアトルの中心部はこんなにコンパクトなんですね。


レイク・ユニオンを左手に見ながら直進。


スペースニードルをゆっくりと旋回します。


セーフコ・フィールドの中も見ることができました。


操縦菅を握って初めてのヘリコプター操縦!緊張しました!


武内さんと記念写真。大満足です。

Classic Helicopter Corporation
8535 Perimeter Road South, Seattle, WA 98108 (地図

www.classichelicoptercorp.com

Phone:代表 (206) 767-0515; 瀬島さん(425) 269-6229; 武内さん (503) 547-4999

【営業時間】 毎日 8am-5pm ※土日は要予約

操縦体験には特に年齢制限はありませんが、事前講習を理解することが必須条件なので、目安は10歳以上。当日は動きやすい服装で行きましょう。時期はやはり青い空を見渡せる夏が一番。
遊覧飛行には3つのコースが用意されています。人気があるのは、スノコルミーの滝やビル・ゲイツ宅を巡ってワシントン大学からバラード、ダウンタウンを巡るコースだそう。(1人114ドル〜。ただし3人揃えば1人90ドル〜)
操縦飛行や遊覧飛行に加え、自家用免許などの各種免許を取得することもできます。忙しい社会人なら週末のみの練習でも約1年で免許が取得できるとのこと。料金は FAA では約1万2千ドルとしているそうですが、平均は約2万ドル。
チャーター・サービスもあります。 サンファン諸島まで約1時間で行けるそうで、時間に制限のある方、車の運転やフェリー乗船などに不安のある方におすすめとのこと。

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