■心に残った本
『魔女の1ダース』 米原万理
国によって常識も価値観も何もかも異なることがあるという、「所変われば品変わる」の現実を見せてくれる1冊。それらはすべてロシア語と日本語の通訳として働く筆者の米原万理さん自身が体験されたことやお会いした方々と交わされた会話などに題材を得ています。「所変われば品変わる、なんてわかりきったこと」と思われるかもしれませんが、それが実行できていない人たちや状況が巻き起こす騒動には、笑える時も考えさせられる時もありました。母国の言葉や文化とは異なるものに常に接していても、その違いの間でズレたままの人や、自分とは異なるものを否定する人は少なくないはず。そんな人と人との間をうまくつなぎとめていく米原さんは、やはり通訳という仕事を究めるプロの中のプロなのだなと思わせられます。
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『Kuhaku & Other Accounts From Japan』
Bruce Rutledge、Craig Mod、kozyndan
日本人やアメリカ人など16人の一般人が、日本での日常や出来事を書き綴ったエッセイ16編(すべて英語)。フツーの人の目線で語られるさまざまな人や出来事は、「日本とは」「日本人とは」と
"識者" が大上段に論じる本や、日々のニュース、統計の数字などからは見えない日本という国の "今" を、はるかに強く、そして生々しく、伝えてくれるような気がします。「生活する」のと「滞在する」のとではその土地の現実との向き合い方がまったく異なりますが、過去17年にわたり日本には住んだことのない私には、この本が英語で書かれていることも手伝って、母国のことなのにまるで知らない国について読んでいるように感じられました。
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『河童のスケッチブック』 妹尾河童
河童さんが日本を含むさまざまな国で発見したり、持ち帰ったりした物を、詳細な絵(これがポイント)とそれにまつわるエピソードで紹介する1冊。江戸時代の馬具からヨーロッパ各地のテレフォンカードや駐車票、イスラム教の教典コーラン、家屋、動物、食べ物、小話、出来事を絵で見せ、それに反映されるいろいろな国の歴史や文化にまで軽く触れてくれるので、百科事典のように「へぇー」と言いながら読み進んでしまいます。本書で紹介された中国の白菜鍋はいかにもおいしそう・・・。この紹介文を書くために見ていたら簡単にできることを再発見したので、今週末にでも作ってみようと思います。 |
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『ダーリンは外国人』 小栗左多里
「ダーリン・・・?古い呼び方だなぁ」と思いつつ、絵がかわいかったのでふと手にとってしまいました。それからは自宅でゲハゲハと下品に笑い、外国人の配偶者やパートナーを持つ友人たちに読ませては感想を聞いています。トニーの名言
「抜かれるなら、度肝がいいよね」を始め、日本語ができないうちの夫にはこのおもしろさを理解してもらえないのが残念と思うところや、日本語ができてよかったと思うところがたくさんあります。ある友人はこれをバスの中で読み始め、笑いが止まらなくて恥ずかしくなり、携帯で「この本、バスの中で読んじゃだめって言ってよ!」と苦情を言ってきました。外国での生活や日本になじみのない外国人との交流の経験が非常に少ない著者のような人にとってはこれが外国人で外国なのかなという疑問が湧くものの、「これは夫が
"外国人" であるからおもしろいのではなく、著者の夫トニー自身がおもしろいんだ」という点で、今のところ私の周りでは意見が一致しています(また、「いつかトニーに会ってみたい!」「語学について熱くトニーと語りたい!」という人も私の周りに多いです)。どのような人間関係でも、その人の所属する国がどうとか文化がどうとかではなく、パーソナル・レベルでのコミュニケーションをちゃんとできることが大切ですよね。
■おすすめ情報源
National Public Radio www.npr.org
Puget Sound Public Radio www.kuow.org
運転中に聴くラジオ局は必ずこれ。特に好きな番組は、そこかしこに入る地元と世界のニュースはもちろん、『Morning Edition』、『All
Things Considered』、『Conversation』、『BBC World Service』、『Talk of the Nation』、『Fresh
Air』、『This American Life』。専門家や有名人から一般人までの、いろいろな意見を知ることができる他、公共性の高い報道姿勢を気に入っています。 |
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