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お金の話をするのは何となくタブー視される日本文化で育った場合、給与の交渉をするのに戸惑う日本人の求職者も少なくありません。では、アメリカ人は気負いなく給与の交渉をしているかというと、アメリカ人の就職コンサルタントの記事に給与交渉についてのアドバイスがよく登場するところを見れば、そうではないようです。
給与交渉は、金額を提示するタイミングが非常に重要です。ですから、自分という商品をいかに相手に理解してもらい、いかに高い値段で買ってもらうかというセールスにも例えることができます。
金額を提示するタイミングは、買い手である採用者の立場になってみると分かりやすいでしょう。 実際に希望の給与額を提示する時が最も緊張し、相手の反応が気になる部分ではありますが、先に自分の価値を相手に納得させ、相手を既に "買う気" にさせていれば、比較的スムーズに交渉が進むものだと思います。
例えば、企業側が「4万ドルの予算で社員を1人採用したい」と考えていたとします。そこで、ある求職者が、いかに自分が魅力的な商品であるかを説明し、企業側を "買う気" にさせた後に5万ドルを提示したとしましょう。そんな場合は、「少し予算をオーバーするけれど考えてみようかな」、あるいは「こんなに素晴らしい人材を$50,000で採用できるなんて安いかもしれない」と思えるかもしれません。逆に、企業側が求職者のことを十分に理解する前に5万ドルを提示されたら、「予算をオーバーしている、採用はできない」とあきらめてしまうか、「本当に5万ドルの価値があるのか」と疑いを持ってしまうことがありえます。この2つの例を比べてみると、後者の例では採用する確率は前者よりも低くなるのではないでしょうか。
TV ショッピングの広告で、最初に価格を出さずに商品の素晴らしさだけを説明し、「この商品が欲しい」「いくらなんだろう」と視聴者に思わせ続けた後、やっと最後に価格を出す、これも給与交渉に通じる相手に買わせるテクニックだと言えるのではないでしょうか。
(2006年10月) |