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若い女性のために 第1回 思春期から20代までの心と身体の変化

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ナースプラクティショナー・助産師・看護学博士
押尾 祥子さん

Sachiko Oshio, CNM, PhD, ARNP

Nadeshiko Women’s Clinic

【メール】 info@nadeshikoclinic.com
【公式サイト】 www.nadeshikoclinic.com
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若い女性に特有の健康問題に関するシリーズ 『若い女性のために』 。第1回目となる今回は、思春期のあたりから20代の前半の女性にどんなことが起こるのか、簡単に復習してみたいと思います。

初めての生理は 『初潮』 と呼ばれます。初潮は卵巣が機能し始め、子宮や脳にホルモン刺激を与え始めた証拠で、つまり、妊娠が可能になったことを示しています。初潮は早ければ8才ぐらいから起こることもありますが、10歳から14歳ごろが一般的です。日本人の初潮は12歳ごろが平均となっています。

女の子は、生理が始まる何年か前から急に背が伸びることがあります。この時期は、男の子よりも背が高い女の子がずいぶんいます。しかし、生理が始まってしまうと、その後の身長の伸びはゆるやかになり、15歳前後で最終的な身長が決定します。生理の始まりの遅い女の子は、そのままどんどん伸び続けて背の高い子になることがあります。

生理以外にも身体に変化が起こります。例えば、生理が始まる前に胸が膨らみ始めます。最初は乳首のあたりが膨らみはじめ、それから胸全体が大きくなってきます。そのすぐ後ぐらいに、恥毛が生え始めます。手足の毛が濃くなる人もいます。また、腰が広がると同時に相対的にウエストが細めになり、臀部や大腿、お腹のあたりに脂肪がつき、全体にふっくらした印象になります。また、顔や手足が油っぽくなり、ニキビに悩まされることもあります。

この頃になると、抽象的な思考力がつき、自分の身の回りのことだけでなく、世界観・哲学・長期的な目標などに考えが向くようになるなど、思考能力も大きく発達します。その一面、自分がまだ確立しておらず、まわりの意見や友達に大きく影響されます。また、親から独立したいという欲求と、親に認めてもらいたいという欲求が自分の中でかち合います。

そして、異性との関係が自分の世界の大きな部分を占めるようになってきます。アメリカの統計では18歳前後で妊娠する女性の数は減少している一方、13歳以下でセックスを経験する女の子が増加していることがわかっています。また、病気や死は自分には関係のないことだと思い込み、健康な食事や身体を大切にすることなどには、あまり気を使わない時期でもあります。一方、この時期にスポーツに打ち込む若い女性もいます。スポーツは身体を鍛えるだけでなく、人間関係や自尊心など、若い女性の心身にさまざまな形で影響します。また、信頼できるロール・モデルに出会うと、一生が変わるほとの影響を受けたりします。

次回はこの時期に女性に起こりがちな健康問題について説明してみたいと思います。

(2012年7月)

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