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子宮頚ガンの検査(パップスメア)

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ナースプラクティショナー・助産師・看護学博士
押尾 祥子さん

Sachiko Oshio, CNM, PhD, ARNP

Nadeshiko Women’s Clinic

【メール】 info@nadeshikoclinic.com
【公式サイト】 www.nadeshikoclinic.com
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21歳から65歳までの女性はパップスメアという子宮頚ガンの検査を受けることが進められています。つい最近までは、年齢にかかわらず毎年パップスメアを受けるように勧められていたのですが、2012年に新しいガイドラインが発表され、現在では、ほとんどの医療機関がそれに基づいた検査スケジュールでパップスメアを行うようになりました。

検査の開始時期
これまでは、パップスメアの開始時期は、性行為を行うようになってから3年以内か、21歳になってからか、どちらか早い方を選んで検査を開始することになっていました。新しいガイドラインでは、性行為の有無にかかわらず、21歳から検査を開始するように勧められています。

検査の終了時期
パップスメアは65歳まで受けることが勧められています。その後は、これまでの検査がすべて正常で、子宮頚ガンになりやすい因子がないかぎり、パップスメアをしなくても良い場合がほとんどです。

ヒトパピローマ・ウイルス
このウイルスには100種類以上のタイプがありますが、その中に、性行為を通して感染し、子宮頚部の細胞を傷つけるタイプのものがあります。健康な女性の場合は、子宮の頚部に繁殖したウイルスを自分の免疫力で排除し、傷ついた細胞を正常な細胞に入れ替えることができます。免疫が弱っていてウイルスを排除できない場合には、次々と傷ついた細胞の範囲が増えて、ガン化することがあります。(このウイルスについては、次の稿でもう少し詳しく説明します)

パップスメアとヒトパピローマ・ウイルス検査
30歳未満の女性では、ヒトパピローマ・ウイルスに感染している場合が多いのですが、その一方で、若い女性の免疫力はウイルスを排除することができるので、自然治癒してガンにまで発展する可能性はほとんどありません。したがって、30歳未満の女性にヒトパピローマ・ウイルスが認められても、再検査や治療が必要ないため、パップスメアだけを行い、ウイルスの検査は行いません。30歳以上の場合には、ウイルスの有無がガン化の速度に関係するので、パップスメアと同時にヒトパピローマ・ウイルス検査を行って、ガンの予測の精度を上げることができます。

検査頻度
子宮頚ガンは、細胞に軽い変性が起こってからガン化するまで時間がかかるので、毎年受ける必要はありません。30歳未満の場合、3年に一回、パップスメアの検査を受けることが勧められています。30歳以上の場合は、3年に一回、パップスメアを受ける方法と、5年に一回、パップスメアとヒトパピローマ・ウイルス検査を併用する方法の、どちらかを選択することができます。この検査頻度は、異常がなかった場合に限ります。異常が認められた場合には、主治医の指示に従って、追加の検査や治療を受けてください。

費用
婦人科検診を受けて、パップスメアの検査をすると、診療費用の他に、細胞診を行う検査会社に検査費用の請求が来ます。これは50ドルから75ドルぐらいです。ヒトパピローマ・ウイルスの検査を同時に行うと、追加料金が150ドルから200ドルぐらいかかります。Planned Parenthood という組織のクリニックでは、低所得者のために低料金で検査を行っています。

(2014年2月)

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