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スピーチ・セラピー 第14回「子供と笑いあう」

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アメリカの長い夏休みも、残すところ1ヶ月となりました。読者のみなさまはどのような夏休みをお過ごしでしょうか。旅行、キャンプ、水遊びなど、夏休みならではの経験をしながら、子どもたちはきっとさまざまな新しいことを学んでいることと思います。 この夏、私は二児の母として、ひとつ心がけていることがあります。それは、「子どもと笑い合うこと」です。日常の多事多忙に流されていると忘れがちになるからこそ、時間的・精神的余裕のあるこの時期にちょっと意識して過ごしてみようと思ったのです。

KidsHealth によると、笑いはストレスを軽減したり、自信を持って困難に立ち向かう力をつけるなど心理的に良い効果があるだけでなく、認知面や健康にも良い効果を生むのだそうです。また、「笑いあう」ことで、親子の絆を深めることができるとも言われています。

子どもが「楽しい」「面白い」という感じる感覚(Sense of Humor)は、発達ととも変化していきます。例えば、1歳未満の赤ちゃんは面白い音や顔の表情、くすぐられたりするのが大好きですが、1歳を過ぎる頃から「いないいないばぁ」などの、ちょっとした驚きを伴う遊びを好むようになります。また、学齢期に近づくと、なぞなぞのような、語彙や音のルールを用いた言葉遊びの楽しさがわかってきます。逆の言い方をすると、学齢児は「いないいないばぁ」をされても「面白い」と感じませんし、1歳前後の赤ちゃんにはなぞなぞの楽しさはわかりません。そういった意味では、発達段階にあった「笑い」が大切だということになります。

では、「笑いあう」のに必要な力は何でしょう。

「楽しい」「面白い」という人生のポジティブな側面に目を向けることが必要なのはもちろんですが、「笑い合う」ためには、自分が楽しいと感じるだけでなく、相手が楽しいと思うことを推測する力、すなわち、相手の立場に立って物事を考える柔軟性が必要となってきます。

これは、子どもだけでなく、大人にも当てはまることだと思います。忙しい毎日に追われていると、つい、親の視点だけで言葉をかけてしまいがちですが、ふと、子どもの視点に立って、「子どもにとって面白いこと、楽しいこと」を考え、実践してみてはいかがでしょうか。

残された夏休み、どうぞ、子どもと「笑い合える」、親子ともに充実した時間をお過ごしください。

情報提供:言語聴覚士 鈴木 美佐子さん

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