雇用労働法・企業法– category –
シャッツ法律事務所 井上奈緒子弁護士
雇用労働法と国際商業取引を含む企業法/ビジネス、企業買収と関連の訴訟を専門としている日本人弁護士です。ここではさまざまな事例を挙げながら、関連分野の米国法についてわかりやすくご説明します。
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雇用労働法・企業法
第98回 有限会社(LLC)を小規模株式会社(S-Corporation)として納税する際に考慮すべき点
第82回のコラムで、小規模株式会社(S-Corporation)を設立する際の利点と欠点について簡単にご説明した際、経営と管理が簡素化されている有限会社(LLC)と比べ、小規模株式会社(S-Corporation)の欠点として、管理と経営が複雑化・制約的であることを取... -
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第97回 ワシントン州会社法改正による投資家への影響
今回は2016年1月より一部改定となったワシントン州株式会社法(RCW 23B)において、投資家に大きく影響する部分の概要をご説明します。(2016年1月執行の有限会社法改定の概要については第92回のコラムをご覧ください。) 歴史的に、多くの州の株式会社法... -
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第96回 弁護士料の見積もりが取りづらい理由
第50回のコラムでは、弁護士は弁護士協会の職業倫理規定(Rules of Professional Conduct)に沿ってクライアントと業務契約を交わし、弁護士料の支払方法を決定し、通常、1)時間単位、2)均一(定額)料金、3)成功報酬、のいずれかで業務を行うというこ... -
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第95回 給料天引き禁止法について
雇用者が下記のような給料の天引きをすることは、ワシントン州 RCW 49.52.050によって法的に禁止されており、犯罪とみなされています。 従業員が会社から借金をしている、または会社に借りがあると判断し、従業員の給料からのその分をを天引きすること。 ... -
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第94回 判決の承認(Confession of Judgment)とは
判決の承認とは、原告側が被告人に対して非を認めさせる判決です。法的解釈としては、被告人に答弁の余地も与えずに原告側に勝利の判決を下すため、州によってはこの判決の承認は憲法違反と判断し、違法とされています。 ワシントン州では、原告から要求さ... -
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第93回 従業員の忠実義務違反とは
第57回、58回、及び90回のコラムで、主に会社経営者間の忠誠義務や利害相反について触れましたが、今回は、会社または会社経営者・雇用者に対する従業員の責任と義務について簡単にご説明します。 【雇用契約書】 多くの従業員は、入社時に雇用契約書を交... -
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第92回 ワシントン州の有限会社法改定のお知らせ
2016年1月1日をもって、ワシントン州有限会社法(Limited Liability Company Act)が大幅に改定されることになりました。 有限会社法は、一般的に株式会社法に比べ、組織としては柔軟性のある企業体ですが、新しい法律であるため法律自体が経営者同士の契... -
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第91回 消費者のオンライン・レビューの自由に関する2015年法令(The Consumer Review Freedom Act of 2015)について
第30回のコラムで、オンラインショッピングに関わる法律の一部を紹介しましたが、今回は、今年9月に米国議会(立法府)で制定された Consumer Review Freedom Act について簡単にご説明します。 年々オンライン・ビジネスの競争が激しくなるにともない、ビ... -
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第90回 企業内での利益相反取引(Conflict of Interest) とその対処について
企業の役員や幹部が個人の利益のために自分が所属する企業の利益や企業に対する忠誠心を弱体化させることを、「企業内での利益相反取引(Business Conflict of Interest)」と言います。このような社内での利益相反取引行為は Breach of Loyalty and Fiduc... -
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第89回 業務契約後に秘密保持契約(NDA)違反として訴えられた場合
第24回のコラムで秘密保持契約(NDA)の概要についてご説明しましたが、今回は、この NDA がいつまで有効で、交渉後の契約にどのように影響するかということについて例(判例法)をあげて簡単にご説明します。 まず、事業交渉の際の手続き上、交渉前には必... -
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第88回 労働安全衛生法(OSHA) の概要
今回は、連邦法(OSHA)・州法で規定されている労働安全衛生法(Washington Industrial Safety and Health Act)について簡単にご説明します。 労働安全衛生法は、従業員の安全と健康を守り、その権利を保護する法律です。そのためには多くの雇用者は業務... -
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第87回 正義を証明することと、正義のために支払う対価
訴訟の国と言われるアメリカでは、法的に問題があれば訴訟をすると思っておられる方は多いと思います。しかし、犯罪行為に対する刑事訴訟ではない、民事訴訟に関しては、訴訟をするかどうか選択する際に考慮するべきことがあります。 最初に考慮しなくては... -
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第86回 Protective Order(秘密保持命令)とは
秘密保持命令とは、訴訟の証拠開示の際に、証人や当事者に対するハラスメントや情報の悪用を阻止するために取得する裁判所命令です。 一般的に、証拠開示は、訴訟当事者または第三者の証人から陳述証明や宣誓供述書を得ることによって、裁判で必要な情報を... -
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第85回 夫婦で合同会社(LLC) を経営する場合に気をつけること
ワシントン州は Community Property State(共同財産制の州)といい、結婚している間に得た収入は、夫または妻のどちらかのみに支払われたものでも、夫婦の共同財産と法的に認められています。したがって、夫婦が離婚をする際、一方のみが働いて得た収入は... -
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第84回 雇用契約での「競業避止」と「勧誘禁止」の違いとは?
雇用契約を交わす際、被雇用者(従業員)として気をつけなくてはならないことの一つに、競業避止条項や勧誘禁止条項が挙げられます。 多くの雇用契約にはこれらの条項が組み込まれていますが、その内容によっては被雇用者に不利になることがあります。 ま...