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第100回 母乳育児中の母親のサポートと法的保護(Nursing Mother Accommodation)

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今回は、雇用・労働法で最近多くなっている訴訟問題と言われる母乳育児中の母親に対するサポートと法的保護について簡単にご説明します。

2010年3月23日にオバマケアを通じて公正労働基準法の第7条が下記の通り改定されました。

A)子供が誕生した後1年間は、母乳育児中の母親に授乳や搾乳をする休暇または休憩を提供する義務がある。
B)雇用者は、授乳・搾乳する場所も提供する義務がある。

この改定の対象になるのは、基本的に従業員が50人以上の企業ですが、従業員が50人未満の中小企業でも、授乳期間中の母親に上記の A と B の条件を満たすことが多大な負担になることが証明できない場合、上記の条件を満たすことを求められています。

一般的には、「1回につき30分の食事休憩と4時間毎の10分休憩」が必要とされ、その時間に対して報酬を与える義務はありません。しかし、もし母親が Non-Exempt(公正労働基準法が適用される)の従業員であれば、州法・連邦上義務付けられている10分間の休暇時間を授乳・母乳搾取に使う権利があり、仮に休憩時間を授乳・母乳搾乳に使っていても、休暇時間に対する報酬の支払いは他の従業員に対してと同じく義務付けられています。

一般的に、企業にとって、上記の条件を満たすことはそれほど困難なことではありません。しかし、多くの訴訟が起きるのは、授乳期間中の母親による上記の権利の主張・申し立てを企業側が却下した上、報復として解雇した場合、母親が訴訟を起こすケースが増えているからと考えられます。

シャッツ法律事務所
弁護士 井上 奈緒子さん
Shatz Law Group, PLLC
www.shatzlaw.com

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関するご質問は、事前に弁護士と正式に委託契約を結んでいただいた上でご相談ください。

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