MENU

相談「アメリカ人の夫に突然離婚を言い渡され、納得できません」

  • URLをコピーしました!

ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん

2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com

約2週間前に、夫から一方的に「離婚をしたい」と宣告されました。夫は前から考えていたと言いますが、私にとっては青天の霹靂で、どう考えていいのかまったくわかりません。夫に別に好きな女性ができたわけではないそうです(本人によると)。でも、離婚をする前にカウンセリングを受けたいと言っても夫は「離婚をした方がお互いが幸せになれる」というようなことを言うばかりです。夫はアメリカ人ですが、私は学生時代からアメリカに住み、アメリカの会社で専門職に就いており、私が日本人であるための言葉や文化が原因のすれ違いが生じているとは思えません。どうしたら夫と話ができるでしょうか。一緒にカウンセリングに一度でも行ってもらわないと、私としては納得した離婚ができないのです。私たちに子供はいません。

回答:ご夫婦の間には、結婚の受け止め方に明らかにずれがあるようです。あなたは離婚なんて考えられないくらい結婚がうまく行っていたと思っていたのに、夫は離婚した方がお互いが幸せになれると前から考えていた、というこのずれはどうして生じたのでしょうか?

カウンセリングに来られるアメリカ人と日本人のカップルで、「別に特に問題はないし、家計も家事も二人でちゃんとやってきて、うまく行っていると思っていたのに、彼から突然離婚してくれと言われて何が原因かわからない」という妻の言葉をよく耳にします。

夫の方は、「愛せなくなった。二人でいる時間がなくなった。何も一緒にしない。結婚している意味がない」などを理由に挙げることが多く、すると妻は、「そんなことは離婚の理由にはならないでしょう?」と釈然としないのです。離婚の原因は多様ですが、その一つに「結婚への期待度の違い」があります。もしかしたらあなたのケースもそれにあてはまるかもしれません。

アメリカ人は結婚に恋愛中と同じレベルの愛情・共有できること・理解などのクオリティを求めます。恋人のような間柄を求めるため、「愛せなくなった」はアメリカでは離婚の原因に十分なりえますので、離婚率が高いのもうなずけます。問題があっても乗り越えて添い遂げるとか、愛情が薄れても「情」があるから結婚が続くといった観念はありません。

日本人は結婚すると、愛情表現やシェアすることよりも、家庭と生活を安定させることに重点を置きます。ですから、よほどのことがない限り結婚は続き、お互いがそれぞれの役割を果たし、家が潤滑にまわっていくことを求めます。

だから、いつしかアメリカ人の夫は恋人時代のように接してくれなくなった妻に不満を感じ、妻はアテンションを欲しがる夫を不思議に思うようになるのです。

しかし、あなたの夫が離婚を考えていた気持を今まで表現しなかったのは問題です。これまで二人のコミュニケーションはどうだったのでしょうか?確かに、このままでは一方的な離婚になってしまい、あなたはいつまでも納得できないでしょう。

離婚に応じる前にカウンセリングに一緒に行くことを条件にする、共通の友人や彼の家族に話を聞く、彼と直接話ができないのであればメールで聞きたいことを聞くなどで、彼の気持ちを知ることと、また、あなた一人でもカウンセリングに行くことをお勧めします。自分の気持ちを吐き出すこと、モヤモヤとした気分をはっきりさせること、今回のことで乱されてしまった人生観や男性観をもう一度立て直し、将来に向けて心のエネルギーを取り戻すことなどの作業は、これからの人生を有意義に送るためにとても大切です。留学して、アメリカの会社で専門職で働いているあなたには、能力・経済力・生活力があるわけですから、自分ばかり責めずに彼と二人の結婚を客観的に見つめ、この逆境を乗り越えてください。

掲載:2004年4月

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。



  • URLをコピーしました!

この記事が気に入ったら
フォローをお願いします!

もくじ