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相談「離婚手続きの最終段階で夫からやり直したいと言われ、悩んでいます」

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ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん

2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com

夫がうつであることから、幸せに思えた結婚生活に突然の終止符を打たれ(離婚宣言をされ)、すでに一年近くが過ぎました。以来別居生活をしてきましたが、カウンセリングなどを通じて不安定な時期を今ようやく乗り越えてきたところです。相手に戻る気がないことを認識したため、弁護士を通して離婚手続きを進めてきました。

ところが、離婚手続きも最終段階という今になってやり直したいという内容のメールが送られてきました。宣告を受けてからしばらくの間、彼が私の元に戻ってくれることを強く願っていたので、私にとっては嬉しい知らせのはずでした。けれども、この経験を通じて自分の非などを前向きに考えることができ、前と同じパターンを繰り返したくはないと思うようになりました。いろいろ考えた末、「カウンセリングを通してのみ関係の修復を試みてよいが、ここ一年の相互の経験が違うため、修復できる可能性はゼロに近いであろう。また、うつであるとまだ思うのであれば、自分のためにもぜひともなんらかのヘルプを得て欲しい」という内容のメールを送り返しました。それに対する返答はまだもらっていません。

自分が正しい態度でベストの回答を出したと頭では思えるのですが、心にはもやもやとしたものが残っています。アクションを起こせる精神状態に相手があるように思えないですし、彼の肉親より別の地で職に就いたと聞いたので、このまま離婚が成立するように思います。成立したら少しは気持ちが晴れ晴れするのでしょう。一年近く顔もあわせていませんし、声も聞いていません。相手が目の前に現れたらとを考えると、自分がどんな気持ちでいられるか不安になります。もっと寛容に無条件で相手を受け入れられたら本当はよいのでしょうが、この経験によってうつというものを自ら体験した私はこれ以上の選択・行動ができないでいます。

回答:人生で起こりうる様々な苦難が心理に与えるショックの中で、離婚は配偶者・子供の死に次ぐ第二位にランクされています。そして、少なくとも二年は精神的・社会的に立ち直るのに要することも知られています。

あなたの場合、夫側の一方的な理由での離婚宣告に始まり、一年近くの別居やカウンセリングを経て、彼が結婚を続ける意志がないことを確認してから離婚手続きを始めた訳ですから、あなたの離婚のショックへの適応はすでに始まっていたのです。ところが、土壇場で、彼からの心変わりを知らされ、あなたの気持ちが混乱したり落ち込んでしまうのはあたりまえです。気になるのは、彼へのメールで、彼にヘルプを得て欲しいとありますが、彼は自分のうつを治療していないのでしょうか?さらに、あなたとやり直したいという意志がある彼が、なぜ、あなたに無断で別の地で職を得て、それをあなたに知らせないのでしょうか?そういう状態の彼を、寛容に無条件で受け入れるのがいいと思うのはなぜでしょうか?

恋愛中は「愛は盲目」と言いますが、結婚には「無償の愛」は存在しません。他人同士の契約ですから、家庭がうまくいくように努力する、浮気しない、嘘をつかない、お互いを尊重する、問題があれば対処する、などの条件をお互いが満たした上で始めて愛情が成り立つのです。あなたが今まで考えて、悩んで到達した回答は正しいと思います。これから、まだ何ヶ月、何年かは辛い時期が続くかもしれませんが、一生続くことはありません。あなたが、自分の体や心のケアをちゃんとして、新しい人生に向けて努力することで、いつかはこの辛さから抜け出して、今までよりいい人生が持てると思います。

掲載:2003年7月

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。



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