第5回 発熱 温める?冷やす?

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看護師 岡本 優子さん

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熱が出たとき、あなたなら、温めますか?それとも冷やしますか?

子供の頃、熱を出すと、母は「汗をかくまで温まりなさい」と言っていました。しかしアメリカに来て子供が熱を出して受診をしたとき、「ぬるめのシャワーを浴びなさい」と、全く反対のことを言われました。

これは一見矛盾しているように思えますが、実はどちらも正しいのです。それはなぜでしょう。

発熱 温める?冷やす?

発熱について

発熱とは、体が身を守るための防御作用(自己免疫)です。個人差がありますが、一般に37.5℃以上の熱を発熱と言います。細菌やウィルスが体に侵入した場合、体温を上げることにより、白血球の増加と働きを助け、また、ウィルスの種類によってはその増殖を弱めることができます。

発熱の始めの熱生産期には、体の内部に熱を蓄えようとするため、また、体が筋肉をふるわせて熱生産を促そうとするため、手足が冷たくなったり、悪寒(さむけ)、戦慄(ふるえ)、関節痛などの症状が出ます。

そのような症状の看護には、まず体を温めて、自己免疫力を上げる助けをしましょう。

発熱のピークを超えると、熱放散期になり、今度は体が熱を放散しようとします。症状としては、顔が紅潮し、手足が温かくなり、発汗し始めます。その時は、薄着にする、体を冷やすなど、熱が放散しやすいようにします。

なお、頭痛がある場合は、頭や首を氷枕、氷嚢、などで冷やすと、頭痛の緩和に役立ちます。

発熱時の看護のポイント

  1. 温度調節(上記参照)
  2. 水分補給
    熱生産期:少しずつ進める(消化器官が収縮している可能性があり、吐き気を伴うことがあるため)
    熱放散期:発汗を伴っているので、この時期に十分な水分補給をする。
  3. 消化のよい食べ物
    熱生産期:無理のない範囲でとる
    熱放散期:おかゆ、うどん、チキンスープなど、水分量が多く消化のよいものを少しずつとる
  4. 安静、静養
    熱の生産により体力を消耗しやすいので、安静を心がける
  5. 解熱剤
    発熱による痛みなどの不快な症状があれば解熱剤を使用する。ただし、解熱剤を使用すると、免疫力を最大に引き出す前に解熱してしまうことがあるので、使用前には医師、薬剤師、医療者のアドバイスを受けることをおすすめする。

各家庭の文化や生活習慣はそれぞれ異なりますが、そこに医学的な知識を組み合わせることで、よりよい家庭看護を行えると思います。熱が出たら、あわてずに落ち着いて、症状をよく観察し、適切な看護を行いましょう。場合によっては、医師、看護師、医療者の助言を受けることも必要です。

次回は、擦り傷、切り傷などの日常的に起こりやすいケガについてお話したいと思います。

掲載:2014年9月

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。

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