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第1回 : 収益不動産物件への投資の優位性


株式市場の上げ相場は2000年(平成12年)3月に終焉を迎えました。バブル景気の時代には、誰もが金持ちになれる錯覚に陥り、モノづくりの尊さや、"勤勉こそ美徳" といった考えは拝金主義の勢いに押しつぶされました。バブルの産物である株式は限りなく上昇を続け、その収益で老後には何の心配もない、といった幻想が広がっていたのは記憶に新しいところです。

日本はこの時期、短期間で貯蓄型社会から投資型社会に変貌を遂げました。証券会社は「長期展望に立てば株式こそ歴史的に最も有利な投資」と断定し、自薦他薦の専門家が「株式投資のコツは長期に株を持つこと。さらに、株価が低い時に "買い" を行うと当然ながらリターンの成績は更に良くなる」と語りました。あまりにも結構ずくめなので、思わず「ウソー!?」と言いたくなることさえありました。そして、皮肉にも市場の現実は「嘘」そのものだったのです。

"株式投資に新規の資金投入が続く限り、市場原理から言って株価が限りなく上昇を続ける" という点には嘘はありません。バブルの頃は、限りない新規資金流入を前提に、日本は国民総投資家の様相を呈しました。しかし、大多数の人々が株式市場に参画してしまい、それ以上市場規模が発展する余裕がなくなれば、市場は下方に向くしかありません。饗宴の後に続くバブル崩壊も市場原理そのものです。この結果、今日に至るまで、日本経済はバブルの負の遺産を引きずっています。

昨今の株式市場を分析すると、一時的な株価の上昇はあっても、大局的に見て市場を支える健全な経済の底力を背景にした状態ではなく、市場全体の本格的上昇を期待するのは時期尚早と思われます。


理論的な利益や帳簿上の収益金を俗にペーパー・マネーと言いますが、株式投資もこのペーパー・マネーの一種かもしれません。では、ペーパーでないマネーには何があるでしょうか。
例えば、マイホームを買って不動産を持つことが思い浮かびます。しかし、自宅購入は、通常「不動産投資」には含まれません(この点は別の回に考察します)。それでも、自宅購入は賢い資金運用と言えます。例えば、年利5%のローンで自宅を購入し、何年かかかって返済が完了したとします。この結果、理論的には、年間5%の益を生む価値のある資産を持ったことになります。

優良収益不動産物件への投資は、対象物が長期的に価値を維持すると同時に、キャシュフローを生み出します。購入時に高値物件をつかんでしまわない限り、一般に優良不動産物件はインフレ率に勝る高い価値を維持するので、長期的には優れた貯蓄と言えます。このような投資に対して、前述のペーパー・マネーの致命的弱点は、抽象・理論的な利益であること以上に、(企業や業界の都合など)人為的な理由による操作の結果、投資家の利益が左右されやすいことです。

ペーパー・マネーと比較した場合、優良収益不動産投資には、基本的なプラス要素が2つあります。
  1. 不動産は有形財産です。
  2. 不動産は収益を生むものです。株式に無配当銘柄は珍しくありませんが、収益物件に投資した場合、賃料収入がゼロになることはまずありません。
弊社は、ワシントン州シアトルの中心街に隣接している軽工業地域に特化して、選択的な不動産投資を行っています。その経験から言えることは、米国西海岸の主要都市としてシアトルは確実に成長しているということです。私たちが着目した、倉庫群を含む軽工業地域は、その立地条件の良さから、今ではしゃれたオフィス・ビルや商店街へと急速な変貌を遂げています。さらに、軽工業のインフラが充実しているため、もともと広い道路に恵まれているところに、都市整備計画の一環としてライト・レールが通るようになり、利便性がさらに向上しました。ちなみに弊社では、当該地域を対象に行う投資は収益還元法的に優れたものであることが第一義的な選択基準で、長期的な付加価値の増加に伴うキャピタル・ゲインは "ボーナス" と考えています。

当面の収益性に優れ、長期的にも大きな譲渡益が期待できる不動産物件は、"犬も歩けば棒にあたる" 式に探せるものではありません。こうした物件を見つけるには、たゆまぬ努力と調査研究、決断力とタイミングが必要となります。不動産投資に成功するには、かなりのハードワークが求められるのです。

(2003年8月)
第8回 マイレージを賢く使う
第7回 老後の計画 - IRAへの投資 -
第6回 インフレとデフレ
第5回 金の購入方法
第4回 反騰相場?
第3回 マイホーム購入は不動産投資ではない
第2回 自己資金による、等身大の不動産投資
第1回 収益不動産物件への投資の優位性
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