第4回
: 家庭内暴力で有罪となった場合の刑法・移民法上の処分、被虐待者の法的保護 米国市民権を有しない外国人が家庭内暴力で有罪になった場合、刑法上そして移民法上に大きな影響が及ぼされます。
「家庭内暴力」とは、被害者が加害者と同じ世帯に住んでいる場合に起こる暴力的犯罪のことを意味します。家庭内暴力はたいてい暴力の行使を含みますが、そうでない場合もあります。多くの人は、他人に差し迫るほどの恐怖を与えるだけで暴行犯罪の罪に問われることがある、ということを認識していません。例えば、夫婦間で口論になり、どちらかがナイフやフォーク、もしくはボトルなどの「武器」を取り上げれば、それだけで暴行犯罪として成り立ちます。つまり、実際に暴力を行使しなくても、暴行犯罪とされることもあるということです。
家庭内暴力は「重い軽罪」("gross misdemeanor")であるため、有罪になった場合、被告は刑法上の罪を問われます。「重い軽罪」とは、1年の懲役か5,000ドルの罰金、またはその両方を科せられる有罪判決のことです。重い軽罪で有罪になると、ほとんどの場合、更なる執行猶予あるいは何年にも及ぶ法廷監督下処分となります。
家庭内暴力の有罪判決を受けた外国移民は、国外退去処分の対象になります。アメリカ議会は、INA Sec. 237(a)(2)(E)(I), [8 U.S.C.1227]の下、家庭内暴力を国外追放に値する犯罪に指定しました。つまり、外国移民が家庭内暴力容疑を認めた場合、国外追放を自ら招いてしまうことになります。そのため、家庭内暴力容疑を受けた外国移民は、有罪を認める前に、経験豊かな移民弁護士に必ず相談するべきです。
さらに、家庭内暴力の有罪判決を受けた外国移民に与えられる法的救済手段は限られているため、外国移民は家庭内暴力容疑に結びつくような状態をできる限り回避するべきです。例えば、家庭内暴力容疑のある米国永住権保持者(グリーンカード保持者)の場合、7年間継続してアメリカに住み、5年以上永住権を保持していれば、国外追放は免除されます。この7/5年の条件を満たしている外国移民の国外追放を免除するプロセスのことを「強制退去の停止」といいます。しかし、この7/5年条件を満たしていない永住権保持者は「強制退去の停止」の対象にはなりません。そのため、外国移民が国外追放を免れるには、根本にある刑事上の罪を解消するしかないわけです。
では、アメリカ市民の配偶者が家庭内暴力の被害者(被虐待者)である場合は、どうすればよいのでしょうか?被虐待者である外国人配偶者が(2年間のみ有効な)条件付永住権を取得し、まだ2年がたっていなくても、虐待的な配偶者と離別し、単独で永住権「2年間条件解除」申請(I-751)をするべきです。もしあなたが、アメリカ人配偶者から暴力または精神的虐待を受けている場合、あなたには法的保護あるいは解決策が与えられているのです。アメリカ議会は、このような状況にある外国人配偶者を保護するためにVAWA(Violence
Against Women's Act=女性への暴力決議)を承認しました。VAWAの目的は、外国人配偶者が虐待的な配偶者に依存せずに、永住権2年間条件解除の自己請願を可能にすることです。つまり、VAWAは虐待的な関係にある外国移民に法的なオプションを与えたのです。
状況は個人で異なります。家庭内暴力容疑を科せられた外国移民もしくは被虐待的関係にある外国人配偶者は、刑法そして移民法上の影響を避けるためにも、経験豊かで積極的な刑事弁護人の助けを求めるべきです。詳しい情報は、アクタス弁護士事務所までご連絡下さい。また、当事務所ウェブサイトもご覧下さい。
(2005年9月) = お断り = コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、
読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。読者個人の具体的な状況に関しては、損害事件専門の弁護士にご相談下さい。 |