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第1回 :
日本人事故被害者と訴訟
米国と日本の法律制度制度の違いからか、日本人の多くは米国で事故にあっても訴訟を起こさない傾向にあります。そのため、他人の不注意(過失)で起きた事故で自分が深刻な被害を長期にわたって被ったにも関わらず、慰謝料を受け取らないまま過ごしている人は少なくありません。こうした被害者は、訴訟しないまま "権利を眠らせている" 状態にある、と言っても過言ではないでしょう。この背景には個人の持つ権利に対する無知、もしくは訴訟に対して消極的な日本文化の影響があるのかもしれません。
米国の訴訟制度は社会の調和よりも個人の権利を優先します。一方、日本の訴訟制度はそれほど対立を好まず、むしろ社会の秩序や調和を尊重します。従って、事故やケガから起こる個人同士での訴訟が日本で起こることはそう多くありません。米国に住む大多数の日本人が、他人の過ちから生じた事故からケガや病気になっても訴訟しないのは、ネガティブなレッテルを貼られるのを恐れているからかもしれません。
このコラムの目的は、米国で事故に巻き込まれ、ケガや破損などの損害を被った時への対処に関する基礎的な知識などの役立つ情報を提供することです。偶発的事故による損害はあらゆる要因から生じます。最も一般的なものは自動車事故によるものですが、その他にもボートや漁船による事故、会社やショッピング・モールでの転倒によるケガ、危険な製品や非安全な食品から起こる病気や災害、もしくは防止可能な犯罪による被害などといったものが考えられます。つまり、もしあなたが他人の不注意の結果、ケガや病気を被った場合、あなたにはその相手もしくは会社に対して訴訟を起こす権利があるのです。このように他人の不注意によるケガや病気を被った被害者が慰謝料を受け取る法的概念を "Tort Law"(不法行為法)と呼びます。"Tort Law" は、簡単に言えば過失の責任を割り当てる法律です。そして、不注意によってもたらされたケガや病気に対しての責任は、"Liability" と言われます。"Tort Law" は米国内でも各州によって異なりますが、基本概念は同じです。
ケガを被った被害者は、受けた損害の回復、または慰謝料を請求することが可能です。この慰謝料は事故で被ったケガや苦痛の他にも、ケガや病気のためにやむを得ず欠勤した分の給料(賃金)や治療費、そして所有物の破損、その他の損害を賄うだけの金額が含まれています。
質問: 実際に他人の不注意で事故に巻き込まれたり、ケガを負った場合、まず何をすればよいのでしょうか?
回答: 第一に、弁護士と話し合い、自分に提訴する権利があるかどうか確かめてみることが必要です。事故後、被害者が訴訟できる期間は限られているので、なるべく早急の措置を取ることをお勧めします。ちなみにワシントン州では被害者が慰謝料を請求できる期間は事故の起こった当日から3年と定められています。さらに法律上、事故にあった被害者は、速やかに病院やクリニックで手当てを受け、ケガや損傷を軽減させなければなりません。自動車同士の事故の場合、事故に関わった当事者はすぐに警察に通報し、警察が事故のレポートを書き終えるまで事故現場に留まる必要があります。警察から現場を離れてもよいという許可が出るまでは決してその場から離れてはいけません。その間、被害者と加害者はお互いの保険情報を交換します。重要なのは、事故を起こした全ての要因がわかるまで、決して自分の過失を認めないことです。
(2005年5月)
= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、 読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。読者個人の具体的な状況に関しては、損害事件専門の弁護士にご相談下さい。
コラム
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第7回
食中毒:法的権利
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第6回
飲酒運転で捕まってしまったら
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第5回
アメリカ滞在中に事故にあった場合の損害賠償請求
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第4回
家庭内暴力で有罪となった場合の刑法・移民法上の処分、被虐待者の法的保護
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第3回
これだけは知っておきたい、ワシントン州の「飲酒運転(DUI)」法
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第2回
暴行犯罪と被害者の権利について
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第1回
日本人事故被害者と訴訟
Q&A
■
犯罪を犯した時の米国滞在資格への影響 -万引きで捕まってしまったら?-
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