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第68回: グリーンカード携帯の義務

移民帰化法では、米国に在留する18歳以上の外国人は、常に外国人登録の証書(グリーンカード)、もしくはその受領書を携帯する義務があると規定されています。そして、その違反においては、軽犯罪の有罪とされ、100ドルを超えない罰金、または/および30日を越えない収監の罰が課されます。この条項はあまり知られていないかもしれませんが、実は法律としては50年以上前から存在していました。しかし、実際の法律の運用においては、この条項の違反によって、罰金が課せられたり収監されたりといった事実は、ほとんどなかったと言ってよいくらい、忠実に執行はされていませんでした。

同時多発テロ後でさえも、この条項の実際の運用状況は以前と変わらなかったのですが、その状況が最近変わりつつあるようです。ワシントン州の移民法弁護士会からの報告によると、ワシントン州内のみを運行するフェリー乗り場で、CBP (U.S. Custom and Border Protectionの略)のオフィサーが、フェリーから降りてくる車の乗客全員に米国市民権の有無、または移民法上のステータスを尋問していたという事実があったとのことです。そして、たまたまグリーンカードを携帯していなかったある外国人が、CBP オフィサーから厳しく非難され、「グリーンカードの携帯は外国人の法律上の義務」と叱責されたと報告されています。こ場合は叱責のみで、罰金などまでは課せられなかったようですが、同じような状況において罰金まで課せられたというケースも中にはあります。また、ブレイン近くの国境において、複数のグリーンカード保持者の一行が、親戚を迎えに行くために、たまたま道順を CBP オフィサーに聞いただけであったにも関わらず、移民法上のステータスをチェックされ、グリーンカードを携帯していなかった人に対して、連邦裁判所からの75ドルの罰金の支払い命令書を渡されたという事実があったようです。また、他州においても、アムトラック内にオフィサーが乗り込み、外国人らしき乗客に対しステータスを確認できる書類を提示するよう要求したというケースが増えているということです。

上記の例からもわかるように、CBP によるチェックポイントは、カナダやメキシコとの国境近くに限らず、思わぬ所に設営されている可能性があります。このように、この法律が執行され始めているという現状が明らかとなっている現在、、永住権保持者は常にグリーンカードを携帯しておくことに留意しなければなりません。

(2008年10月)


= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
2008年
第69回 報道関係者ビザ (I ビザ)
第68回 グリーンカード携帯の義務
第67回 離婚と移民法
第66回 H-1B ビザにおいて新たに明確化されたルール
第65回 米国移民法・最新情報
第64回 シアトル地域における結婚に基づくグリーンカード申請の状況
第63回 再入国許可証でのバイオメトリックス採取義務化
第62回 H-1B 申請について
第61回 ビザ申請料金の値上げ
第60回 有効期間のないグリーンカードの更新

2007年
第59回 就労ビザに関する最新情報
第58回 J-1ビジネス研修ビザ
第57回 DV-2009(抽選永住権)のお知らせ
第56回 E ビザ・L ビザ保持者の配偶者 ソーシャル・セキュリティ番号
第55回 申請料金の値上げ
第54回 PERM 最新情報
第53回 プライオリティ・デート
第52回 H-1B ビザ申請・最新情報(3)
第51回 H-1B ビザ申請・最新情報(2)
第50回 米国市民との結婚によるグリーンカード申請 最新情報
第49回 H-1B ビザ申請・最新情報(1)
第48回 2006年を振り返って

2006年
第47回 プレミアム・プロセス
第46回 DV-2008(抽選永住権)のお知らせ
第45回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(2)
第44回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(1)
第43回 H-1B ビザ最新情報
第42回 E-1条約貿易商ビザ
第41回 雇用ベースの短期就労ビザ、および移民ビザのサービス・センター変更
第40回 雇用ベース移民ビザのリトログレッションについて
第39回 H-1B ビザ申請
第38回 L-1A ビザ保持者から永住権申請へ
第37回 L ビザの申請基準について
第36回 帰化申請(3)

2005年
第35回 永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合の永住権の維持について
第34回 DV-2007 (抽選永住権) のお知らせ
第33回 PERM 申請
第32回 雇用に基づく永住権申請
第31回 永住権と離婚
第30回 I-864 Affidavit of Support(扶養証明書)
第29回 抽選永住権当選後の永住権申請
第28回 永住権申請時の健康診断
第27回 移民法に関する情報が入手できるウェブサイト
第26回 シアトル地域移民局・最新情報 永住権申請時のバックグラウンド・チェック
第25回 H-1B ビザ最新情報

2004年
第24回 J-1研修生ビザ
第23回 F-1学生ビザ保持者の社会保障番号・申請基準の変更
第22回 E/L ビザ保持者の配偶者・就労許可証
第21回 条件付永住権
第20回 シアトル地域移民局・最新情報(2)
第19回 永住権インタビュー・結婚ベース米国内ステータス変更(AOS)の場合
第18回 家族関係に基づく永住権申請
第17回 シアトル地域移民局・最新情報(1)
第16回 H-1B ビザ年間発給数が上限に到達・今後について
第15回 永住権取得後の留意点
第14回 永住権申請
第13回 E-2条約投資家ビザ

2003年
第12回 永住権の自己申請(VAWA)
第11回 O-1卓越能力保持者ビザ
第10回 米国市民との 結婚に基づく永住権申請・ステータス変更手続き
第9回 K-1 フィアンセ・ビザ
第8回 帰化申請(2)
第7回 帰化申請(1)
第6回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(2)
第5回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(1)
第4回 H-1B 専門職者ビザ: 転職
第3回 H-1B 専門職者ビザ: 解雇
第2回 H-1B 専門職者ビザ: 申請手順
第1回 H-1B 専門職者ビザ: 申請基準
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