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第64回: シアトル地域における結婚に基づくグリーンカードの申請状況

米国市民と結婚後、外国人はその配偶者という立場でグリーンカードの申請が可能となります。「家族が共に生活を送ることを可能にする」ことは、移民法の基本的な概念であるため、米国市民の配偶者というカテゴリは、移民法の区分けの中でも移民ビザの年間発給数に制限がないなど、伝統的に優先されていたカテゴリです。

結婚をベースにしたグリーンカード申請はシカゴにある地方移民局に送付しますが、最終的には申請したカップルの住む地域を統括する地域移民局に審査が回され、そこで結婚が偽装でないかなどのインタビューが行われます。グリーンカードを取得するための偽装結婚というと、映画かドラマでの世界のように思われますが、実はその件数が意外と多いことが指摘されています。移民局の統計では、シアトル地域は他の地域に比べて偽装結婚の率が高いことが明らかになっています。そのため、シアトル地域での結婚ベースのグリーンカード申請は、最近より重点的な審査が行われるようになりました。実際、シアトル地域管轄のU.S. Attorney General's Office(連邦犯罪を取り扱う検察事務所)が偽装結婚の罪で7人を起訴するほど問題は深刻になっています。

移民局は、結婚ベースのグリーンカード申請の標準処理期間は3 ヶ月という目標を定めていますが、全国的にすぐには達成できないので、3 ヶ月以内に審査を終えるように配慮された特定地域をモデルケースとして指定しました。シアトル地域はそのモデルケースの地域の一つで、2007年の一般的な状況では、3 〜4 ヶ月で審査が終了したケースが多々ありました。ところがその後、シアトル地域での偽装結婚防止の重点審査が行われるようになり、現在では、一般的なケースであっても4〜6 ヶ月、もしくはそれ以上の期間が審査に要されています。また、シアトル地域移民局では、新しい審査官が採用されたばかりで、そういったことも審査期間が長引いている要因の一つと考えられます。

シアトル地域移民局では現在、偽装結婚のみを調査する Fraud Investigation Unit が結成されており、審査の過程で偽装結婚の疑いをかけられたケースがこの Fraud Investigation Unit に回されています。Fraud Investigation Unit は少人数のため、一度このチームに回されると、最終的な審査期間は数年を要することになります。移民法弁護士協会の報告によると、Fraud Investigation Unitが早朝に申請者の家に押しかけてきて、「重犯罪の調査をする」と近所に聞こえるような大声で叫んだり、結婚が偽装だと言うように強要したり、それを認めない場合は、「5年間刑務所行き」と脅かしたりする行為があったとのことです。

報告されている Fraud Investigation Unit のこれらの行為は問題ですが、申請する側にとってはグリーンカードのための偽装結婚と疑われないための証拠提出がますます重要になってきていると言えます。

(2008年6月)


= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
2008年
第68回 グリーンカード携帯の義務
第67回 離婚と移民法
第66回 H-1B ビザにおいて新たに明確化されたルール
第65回 米国移民法・最新情報
第64回 シアトル地域における結婚に基づくグリーンカード申請の状況
第63回 再入国許可証でのバイオメトリックス採取義務化
第62回 H-1B 申請について
第61回 ビザ申請料金の値上げ
第60回 有効期間のないグリーンカードの更新

2007年
第59回 就労ビザに関する最新情報
第58回 J-1ビジネス研修ビザ
第57回 DV-2009(抽選永住権)のお知らせ
第56回 E ビザ・L ビザ保持者の配偶者 ソーシャル・セキュリティ番号
第55回 申請料金の値上げ
第54回 PERM 最新情報
第53回 プライオリティ・デート
第52回 H-1B ビザ申請・最新情報(3)
第51回 H-1B ビザ申請・最新情報(2)
第50回 米国市民との結婚によるグリーンカード申請 最新情報
第49回 H-1B ビザ申請・最新情報(1)
第48回 2006年を振り返って

2006年
第47回 プレミアム・プロセス
第46回 DV-2008(抽選永住権)のお知らせ
第45回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(2)
第44回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(1)
第43回 H-1B ビザ最新情報
第42回 E-1条約貿易商ビザ
第41回 雇用ベースの短期就労ビザ、および移民ビザのサービス・センター変更
第40回 雇用ベース移民ビザのリトログレッションについて
第39回 H-1B ビザ申請
第38回 L-1A ビザ保持者から永住権申請へ
第37回 L ビザの申請基準について
第36回 帰化申請(3)

2005年
第35回 永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合の永住権の維持について
第34回 DV-2007 (抽選永住権) のお知らせ
第33回 PERM 申請
第32回 雇用に基づく永住権申請
第31回 永住権と離婚
第30回 I-864 Affidavit of Support(扶養証明書)
第29回 抽選永住権当選後の永住権申請
第28回 永住権申請時の健康診断
第27回 移民法に関する情報が入手できるウェブサイト
第26回 シアトル地域移民局・最新情報 永住権申請時のバックグラウンド・チェック
第25回 H-1B ビザ最新情報

2004年
第24回 J-1研修生ビザ
第23回 F-1学生ビザ保持者の社会保障番号・申請基準の変更
第22回 E/L ビザ保持者の配偶者・就労許可証
第21回 条件付永住権
第20回 シアトル地域移民局・最新情報(2)
第19回 永住権インタビュー・結婚ベース米国内ステータス変更(AOS)の場合
第18回 家族関係に基づく永住権申請
第17回 シアトル地域移民局・最新情報(1)
第16回 H-1B ビザ年間発給数が上限に到達・今後について
第15回 永住権取得後の留意点
第14回 永住権申請
第13回 E-2条約投資家ビザ

2003年
第12回 永住権の自己申請(VAWA)
第11回 O-1卓越能力保持者ビザ
第10回 米国市民との 結婚に基づく永住権申請・ステータス変更手続き
第9回 K-1 フィアンセ・ビザ
第8回 帰化申請(2)
第7回 帰化申請(1)
第6回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(2)
第5回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(1)
第4回 H-1B 専門職者ビザ: 転職
第3回 H-1B 専門職者ビザ: 解雇
第2回 H-1B 専門職者ビザ: 申請手順
第1回 H-1B 専門職者ビザ: 申請基準
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