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第4回 : H-1B専門職者ビザ・雇用先変更(転職)


H-1Bビザ保持者の就労は、移民局から認可されたスポンサー企業の業務に限られています。従って、雇用先を変更する場合、新しい雇用主はH-1B延長・雇用先変更の申請をしなければなりません。なお、2000年10月に制定された「AC21」により、下記の3つの条件を満たすH-1Bビザ保持者は、このH-1B延長・雇用先変更申請が認可されるのを待たずに、移民局が申請書を受理した日から新しい雇用先で就労を開始することが可能になりました。このH-1Bビザの携帯性を謳った条項のことを、"Portability" と言います。


 Portabilityの条件
  1. H-1Bビザ保持者は、合法的に米国に入国したこと。
  2. 新しい雇用先は、H-1Bビザ保持者のI-94カードに記載されている有効滞在期間が切れる前に、正当なH-1B延長・雇用先変更を申請したこと。
  3. H-1B延長・雇用先変更申請以前に、H-1Bビザ保持者が不法就労をしていないこと。
前回のコラムでは解雇についてお話しましたが、解雇されたH-1Bビザ保持者の場合も、上記の "Portability" の条件を満たすことができれば、移民局が申請を受理した日から新しい雇用先で就労を開始することが可能です。しかし、前回もお話しましたように、解雇されたH-1Bビザ保持者は、その日からステータス違反となるため、新しい雇用先のH-1B延長・雇用先変更申請が認可されるかどうかは移民局の裁量次第です。従って、"Portability" を利用して申請が認可される前に新しい雇用先で就労を開始することができたとしても、移民局の自由裁量を得ることができなければ、H-1B申請認可後、一度出国し、米国大使館・領事館にてH-1Bビザスタンプを取得しなければなりません。なお、解雇されたH-1Bビザ保持者が "Portability" を利用する場合、個人の状況によって複雑な問題が生じることがありますので、移民法弁護士にご相談することをお勧めします。

このコラムを書いている2003年3月現在、移民局は、まだ「AC21」に関する法規を履行していないため、「移民局が申請を受理した日」に関していくつかの解釈が公表されていますが、移民局に申請が配達された日ではなく、「移民局が申請の受理書(Receipt Notice)を発行した日」と解釈するのが一番確実で安全な解釈ではないかと考えられています。

また、移民局は、下記の3つの条件を満たすことができるH-1Bビザ保持者は、H-1B延長・雇用先変更申請期間中の出入国も可能だと公表しています。

  1. もとの雇用主名が記載してあるH-1Bビザスタンプがまだ有効であること。
  2. 過去にH-1Bビザ保持者として入国したことがある、またはH-1Bステータスを保持していたことがあること。
  3. I-94カードに記載されている有効滞在期間が切れる前に、正当なH-1B延長・雇用先変更を申請したことを証明できること (i.e. 申請受理書の提示)
すでにH-1Bビザスタンプの有効期限が切れている状態で出国すると、新しい申請が認可され、米国大使館・領事館にてH-1Bビザスタンプを取得しなければ再入国できなくなってしまいますので、ご注意下さい。出国の予定がある場合は、事前に弁護士にご相談下さい。

(2003年4月)

= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
2008年
第67回 離婚と移民法
第66回 H-1B ビザにおいて新たに明確化されたルール
第65回 米国移民法・最新情報
第64回 シアトル地域における結婚に基づくグリーンカード申請の状況
第63回 再入国許可証でのバイオメトリックス採取義務化
第62回 H-1B 申請について
第61回 ビザ申請料金の値上げ
第60回 有効期間のないグリーンカードの更新

2007年
第59回 就労ビザに関する最新情報
第58回 J-1ビジネス研修ビザ
第57回 DV-2009(抽選永住権)のお知らせ
第56回 E ビザ・L ビザ保持者の配偶者 ソーシャル・セキュリティ番号
第55回 申請料金の値上げ
第54回 PERM 最新情報
第53回 プライオリティ・デート
第52回 H-1B ビザ申請・最新情報(3)
第51回 H-1B ビザ申請・最新情報(2)
第50回 米国市民との結婚によるグリーンカード申請 最新情報
第49回 H-1B ビザ申請・最新情報(1)
第48回 2006年を振り返って

2006年
第47回 プレミアム・プロセス
第46回 DV-2008(抽選永住権)のお知らせ
第45回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(2)
第44回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(1)
第43回 H-1B ビザ最新情報
第42回 E-1条約貿易商ビザ
第41回 雇用ベースの短期就労ビザ、および移民ビザのサービス・センター変更
第40回 雇用ベース移民ビザのリトログレッションについて
第39回 H-1B ビザ申請
第38回 L-1A ビザ保持者から永住権申請へ
第37回 L ビザの申請基準について
第36回 帰化申請(3)

2005年
第35回 永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合の永住権の維持について
第34回 DV-2007 (抽選永住権) のお知らせ
第33回 PERM 申請
第32回 雇用に基づく永住権申請
第31回 永住権と離婚
第30回 I-864 Affidavit of Support(扶養証明書)
第29回 抽選永住権当選後の永住権申請
第28回 永住権申請時の健康診断
第27回 移民法に関する情報が入手できるウェブサイト
第26回 シアトル地域移民局・最新情報 永住権申請時のバックグラウンド・チェック
第25回 H-1B ビザ最新情報

2004年
第24回 J-1研修生ビザ
第23回 F-1学生ビザ保持者の社会保障番号・申請基準の変更
第22回 E/L ビザ保持者の配偶者・就労許可証
第21回 条件付永住権
第20回 シアトル地域移民局・最新情報(2)
第19回 永住権インタビュー・結婚ベース米国内ステータス変更(AOS)の場合
第18回 家族関係に基づく永住権申請
第17回 シアトル地域移民局・最新情報(1)
第16回 H-1B ビザ年間発給数が上限に到達・今後について
第15回 永住権取得後の留意点
第14回 永住権申請
第13回 E-2条約投資家ビザ

2003年
第12回 永住権の自己申請(VAWA)
第11回 O-1卓越能力保持者ビザ
第10回 米国市民との 結婚に基づく永住権申請・ステータス変更手続き
第9回 K-1 フィアンセ・ビザ
第8回 帰化申請(2)
第7回 帰化申請(1)
第6回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(2)
第5回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(1)
第4回 H-1B 専門職者ビザ: 転職
第3回 H-1B 専門職者ビザ: 解雇
第2回 H-1B 専門職者ビザ: 申請手順
第1回 H-1B 専門職者ビザ: 申請基準
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