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第36回 : 帰化申請2

前回のコラムでは、永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合に永住権を維持する方法についてお話しました。その中で、再入国許可証(Re-entry Permit)についてもお話しましたが、再入国許可証の最大の難点は、有効期間が発行から2年間であること、また、更新は可能なものの、申請者が米国に滞在している間に申請しなければならないので、更新のために、渡米しなければならないことです。

長期間米国外に滞在しなければならない方の中には、初めから米国外での滞在期間が2年を超える、また、更新のために渡米できないことが分かっている方もいるかと思います。このような場合には、帰化により米国市民権を取得することも一案です。市民権を取ってしまえば、その後、何年米国から離れても、それが理由で市民権を失うことはありません。しかしながら、米国市民になることによって、永住権保持者にはなかった責任や義務も伴いますし、日本の国籍に関する問題も出てきますので、容易に決断できることではありません。

帰化を検討している方から寄せられる質問の中で最も多いのが、二重国籍についてです。しかし、日本の現在の法律では、「成人した日本人が自らの意思でアメリカに帰化した場合は、自動的に日本国籍を失うことになるため、二重国籍の問題は発生しない」というのが正しい理解です。そして、帰化した後に、最寄の日本総領事館に国籍喪失届を提出しなければなりません。この手続きや、一度失った日本国籍を取り戻す手続きに関しては、日本の法律ですので、アメリカの移民法弁護士では明確にお答えすることができません。総領事館に直接お問合せいただくとよろしいかと思います。

帰化の申請基準に関しては、第7回のコラムでお話しましたが、今回のコラムに関連している条件の1つに、「帰化申請前に永住権保持者として最低5年間米国に居住している」という居住年数の要件があります。なお、結婚によって永住権を取得された方の居住年数は3年に短縮されます。また、「このうち半分は実際にアメリカ国内で生活していなければならない」という要件もあります。

今回と前回のコラムの対象になっている長期間米国外に滞在することが決まった永住権保持者の方の中には、「帰化は考慮しているけれども、前述した留意点などを考えると、即決できない。でも、将来的には考えている」という方も少なくありません。このような場合、米国に戻って来てから帰化申請を行う際には、次の点に注意して下さい。

米国外の滞在期間が1年以上2年未満の場合、米国を出国する前の居住年数をカウントすることはできませんが、米国外で過ごした日数のうち、364日をカウントすることができます。

例:
2000年1月1日、雇用を通して永住権を取得
2003年5月まで米国に住み、その後、2005年1月まで海外で過ごす。
2005年1月15日に米国に戻る。

この場合、2000年1月から2003年5月までの居住年数をカウントすることはできませんが、米国外で過ごした364日をカウントできるので、帰化申請が可能になるのは、米国に戻って4年と1日目になる2009年1月16日です。

前回のコラムでお伝えしたように、米国外での滞在期間が1年以上になる場合は、再入国許可証が必要です。

もし、米国外の滞在が2年以上になった場合は、米国を出国する前の居住年数はもちろん、米国外で過ごした364日もカウントすることができません。また、この場合には、再入国許可証の更新も必要となります。

(2006年1月)

= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
2008年
第66回 H-1B ビザにおいて新たに明確化されたルール
第65回 米国移民法・最新情報
第64回 シアトル地域における結婚に基づくグリーンカード申請の状況
第63回 再入国許可証でのバイオメトリックス採取義務化
第62回 H-1B 申請について
第61回 ビザ申請料金の値上げ
第60回 有効期間のないグリーンカードの更新

2007年
第59回 就労ビザに関する最新情報
第58回 J-1ビジネス研修ビザ
第57回 DV-2009(抽選永住権)のお知らせ
第56回 E ビザ・L ビザ保持者の配偶者 ソーシャル・セキュリティ番号
第55回 申請料金の値上げ
第54回 PERM 最新情報
第53回 プライオリティ・デート
第52回 H-1B ビザ申請・最新情報(3)
第51回 H-1B ビザ申請・最新情報(2)
第50回 米国市民との結婚によるグリーンカード申請 最新情報
第49回 H-1B ビザ申請・最新情報(1)
第48回 2006年を振り返って

2006年
第47回 プレミアム・プロセス
第46回 DV-2008(抽選永住権)のお知らせ
第45回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(2)
第44回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(1)
第43回 H-1B ビザ最新情報
第42回 E-1条約貿易商ビザ
第41回 雇用ベースの短期就労ビザ、および移民ビザのサービス・センター変更
第40回 雇用ベース移民ビザのリトログレッションについて
第39回 H-1B ビザ申請
第38回 L-1A ビザ保持者から永住権申請へ
第37回 L ビザの申請基準について
第36回 帰化申請(3)

2005年
第35回 永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合の永住権の維持について
第34回 DV-2007 (抽選永住権) のお知らせ
第33回 PERM 申請
第32回 雇用に基づく永住権申請
第31回 永住権と離婚
第30回 I-864 Affidavit of Support(扶養証明書)
第29回 抽選永住権当選後の永住権申請
第28回 永住権申請時の健康診断
第27回 移民法に関する情報が入手できるウェブサイト
第26回 シアトル地域移民局・最新情報 永住権申請時のバックグラウンド・チェック
第25回 H-1B ビザ最新情報

2004年
第24回 J-1研修生ビザ
第23回 F-1学生ビザ保持者の社会保障番号・申請基準の変更
第22回 E/L ビザ保持者の配偶者・就労許可証
第21回 条件付永住権
第20回 シアトル地域移民局・最新情報(2)
第19回 永住権インタビュー・結婚ベース米国内ステータス変更(AOS)の場合
第18回 家族関係に基づく永住権申請
第17回 シアトル地域移民局・最新情報(1)
第16回 H-1B ビザ年間発給数が上限に到達・今後について
第15回 永住権取得後の留意点
第14回 永住権申請
第13回 E-2条約投資家ビザ

2003年
第12回 永住権の自己申請(VAWA)
第11回 O-1卓越能力保持者ビザ
第10回 米国市民との 結婚に基づく永住権申請・ステータス変更手続き
第9回 K-1 フィアンセ・ビザ
第8回 帰化申請(2)
第7回 帰化申請(1)
第6回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(2)
第5回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(1)
第4回 H-1B 専門職者ビザ: 転職
第3回 H-1B 専門職者ビザ: 解雇
第2回 H-1B 専門職者ビザ: 申請手順
第1回 H-1B 専門職者ビザ: 申請基準
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