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第35回 :
永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合の永住権の維持について
せっかく高額な費用と長い時間をかけて取得した永住権は、できれば維持したいもの。しかし、家族の事情、あるいは健康や仕事の理由などで、どうしても長期間に渡り米国外で生活することが必要とされることもあります。当事務所でも、このような場合、どうしたら永住権を失わずに維持できるかというご相談を頻繁に受けます。
永住権を維持するためには、基本的には、永住権保持者が米国に永住する意思を持っていることが条件となります。従って、米国で生活していないという状況では、米国に永住するという前提に相反しますので、グリーンカードを維持することができなくなってしまう可能性が出てきます。永住権保持者の中には、1年に何度か米国に入国して短期間滞在すれば永住権を維持できると思っている方が多くいますが、これは誤解です。このような滞在の仕方では、明確に永住の意思を表すことができません。法律上、年間何日以上米国に滞在しなくてはならないという規定はありませんが、長期間米国から離れると永住の意思を失ったとみなされ、入国審査で永住権を没収されるというケースも少なくありません。
通常、6ヶ月未満の米国外滞在の場合は、永住権保持者の意思に問題が生じることはありません。従って、米国に再入国する場合は、基本的にグリーンカードとパスポートのみが必要となります。
6ヶ月以上から1年未満にわたり米国外で滞在した後に米国に再入国する場合は、グリーンカードとパスポートはもちろんのこと、永住の意思を失っていないことを証明できる書類が必要となります。永住の意思を証明するのに決まった書類はありませんが、雇用証明書、納税証明書、物件権利書、クレジット・カード、運転免許証、銀行取引記録等、米国との結びつき、つまり米国に生活基盤があることを証明できる書類を完璧に準備しなくてはなりません。入国審査官は、これらの書類を検討し、永住の意思を失っていないかどうかを判断します。前述のとおり、永住の意思を失っていると判断された場合は、グリーンカードを没収される可能性もあります。
1年以上にわたり米国外で滞在した後に米国に再入国する場合は、グリーンカード、パスポートに加え、必ず再入国許可証(Re-Entry Permit)が必要になります。しかし、再入国許可証は自動的に再入国を認めるものではないので、やはり、上述のように、永住の意思を失っていないことを証明しなければなりません。再入国許可証の有効期間は発行から2年間です。
再入国許可証の申請で注意しなければならないのは、米国外からの申請は受理されないということです。つまり、移民局が申請を受理した日に、申請者が米国に滞在していなければなりません。しかし、移民局が申請を受理したことを確認したら出国し、再入国許可証は国外で受け取ることができます。
永住の意思を失っていないことを証明すれば再入国許可証の更新も可能ですが、更新手続きも新規の手続きと同様、申請者が米国に滞在している間に申請しなければならないので、再入国許可証の有効期限が切れる前に一度再入国する必要があります。しかし、米国外の滞在期間が長くなればなるほど、米国に本当に永住しているのか、あるいは、するつもりがあるのかを問われることになりますので、申請は一層厳しくなります。
万一、出国前に再入国許可証を申請し忘れてしまい、さらに出国から1年以上が経過してしまった場合は、米国に再入国する前に、米国大使館で帰省永住ビザを取得する必要があります。
(2005年12月)
= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
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