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第3回 : H-1B専門職者ビザ・解雇


H-1Bビザ取得後、雇用先を変更したいという相談を受けることがあります。特に、2000年10月に、通称「AC21」と呼ばれる法律が制定され、米国の経済状況が悪化し始めてからは、このような相談が急増していますが、雇用先の変更手続きにまつわる噂や誤情報が多く出回っているのが現状です。そこで、今月と来月にわたって、正確な情報を提供したいと思います。今月は、突然解雇された場合についてお話します。


10日間の猶予期間

突然解雇されたH-1Bビザ保持者から寄せられる質問の中で最も多いのが、H-1Bビザの猶予期間の有無についてです。移民局は、これまで突然解雇されたH-1Bビザ保持者に対し、猶予期間を与えるべきかどうか議論を繰り返していますが、このコラムを書いている2003年2月現在、ビザの有効期限が切れる前に解雇されたH-1Bビザ保持者には、法律上の明確な猶予期間は与えられていません。従って、解雇された日から直ちにステータス違反が始まると解釈されています。

10日間の猶予期間が認められているのは、認可されたH-1Bビザの有効期間が満期に達した場合のみです。しかし、この10日間は、H-1Bビザ保持者の帰国準備を目的として与えられているもので、この間の就労は認められていません。


移民局の裁量権

次に多く寄せられる質問は、猶予期間がないならば、解雇後数週間経ってから新しい雇用先を見つけた場合、なぜH-1B延長・雇用先変更申請が認可されるケースがあるのかということです。それは法律で明確に認められた猶予期間がなくても、移民局はH-1Bビザ保持者の個人的な状況を考慮し、自由裁量でこのような申請を認可する場合があるとしているからです。私の経験からして、失業期間が60日未満の場合、H-1B延長・雇用先変更申請が認可されることが多々あります。しかし、こればかりは移民局の裁量次第ですから、必ず認可されるという保証はありません。


ステータス変更

解雇後、次の雇用先が見つからないまま残留を希望する場合は、他の非移民ビザにステータスを変更するのも一案です。例えば、夫婦揃ってH-1Bビザ保持者である場合には、解雇されていない方の配偶者としてH-4ビザを取得することが可能です。また、状況によっては、F-1ビザやB-2ビザが取得可能なケースもあります。しかし、ステータス変更が可能かどうか、さらに好ましい選択であるかは個人の状況によって異なりますので、移民法弁護士にご相談下さい。


解雇にまつわる雇用主の責任

雇用主は、H-1Bビザ保持者を解雇した事実を、申請を認可した地方移民局に報告する義務があります。

また、解雇したH-1Bビザ保持者に対して、本国へ戻るための旅費を負担する義務もあります。この法律は、H-1Bビザ保持者が、ビザの有効期限が切れる前に解雇された場合に限り適応され、辞任した場合や、H-1Bビザの有効期限が満期に達した場合には適応されません。また、解雇後、新しい雇用先を見つけた場合や、米国に残留している場合にも適応されません。なお、この法律は、事実上、雇用主とH-1Bビザ保持者との間で交わされた個人的な契約と解釈されており、これまでも移民局が実際にこの法律を施行したり、この法律から生じる雇用主とH-1Bビザ保持者間のトラブルに関与したりした例はあまりありません。


次回は、雇用先変更(転職)についてお話します

(2003年3月)

= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
2008年
第65回 米国移民法・最新情報
第64回 シアトル地域における結婚に基づくグリーンカード申請の状況
第63回 再入国許可証でのバイオメトリックス採取義務化
第62回 H-1B 申請について
第61回 ビザ申請料金の値上げ
第60回 有効期間のないグリーンカードの更新

2007年
第59回 就労ビザに関する最新情報
第58回 J-1ビジネス研修ビザ
第57回 DV-2009(抽選永住権)のお知らせ
第56回 E ビザ・L ビザ保持者の配偶者 ソーシャル・セキュリティ番号
第55回 申請料金の値上げ
第54回 PERM 最新情報
第53回 プライオリティ・デート
第52回 H-1B ビザ申請・最新情報(3)
第51回 H-1B ビザ申請・最新情報(2)
第50回 米国市民との結婚によるグリーンカード申請 最新情報
第49回 H-1B ビザ申請・最新情報(1)
第48回 2006年を振り返って

2006年
第47回 プレミアム・プロセス
第46回 DV-2008(抽選永住権)のお知らせ
第45回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(2)
第44回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(1)
第43回 H-1B ビザ最新情報
第42回 E-1条約貿易商ビザ
第41回 雇用ベースの短期就労ビザ、および移民ビザのサービス・センター変更
第40回 雇用ベース移民ビザのリトログレッションについて
第39回 H-1B ビザ申請
第38回 L-1A ビザ保持者から永住権申請へ
第37回 L ビザの申請基準について
第36回 帰化申請(3)

2005年
第35回 永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合の永住権の維持について
第34回 DV-2007 (抽選永住権) のお知らせ
第33回 PERM 申請
第32回 雇用に基づく永住権申請
第31回 永住権と離婚
第30回 I-864 Affidavit of Support(扶養証明書)
第29回 抽選永住権当選後の永住権申請
第28回 永住権申請時の健康診断
第27回 移民法に関する情報が入手できるウェブサイト
第26回 シアトル地域移民局・最新情報 永住権申請時のバックグラウンド・チェック
第25回 H-1B ビザ最新情報

2004年
第24回 J-1研修生ビザ
第23回 F-1学生ビザ保持者の社会保障番号・申請基準の変更
第22回 E/L ビザ保持者の配偶者・就労許可証
第21回 条件付永住権
第20回 シアトル地域移民局・最新情報(2)
第19回 永住権インタビュー・結婚ベース米国内ステータス変更(AOS)の場合
第18回 家族関係に基づく永住権申請
第17回 シアトル地域移民局・最新情報(1)
第16回 H-1B ビザ年間発給数が上限に到達・今後について
第15回 永住権取得後の留意点
第14回 永住権申請
第13回 E-2条約投資家ビザ

2003年
第12回 永住権の自己申請(VAWA)
第11回 O-1卓越能力保持者ビザ
第10回 米国市民との 結婚に基づく永住権申請・ステータス変更手続き
第9回 K-1 フィアンセ・ビザ
第8回 帰化申請(2)
第7回 帰化申請(1)
第6回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(2)
第5回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(1)
第4回 H-1B 専門職者ビザ: 転職
第3回 H-1B 専門職者ビザ: 解雇
第2回 H-1B 専門職者ビザ: 申請手順
第1回 H-1B 専門職者ビザ: 申請基準
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