第29回 :
抽選永住権当選後の永住権申請
毎年4月〜7月にかけて抽選永住権の当選者が発表されます。今年もすでに当選者に通知が届き始めました。しかし、当選したからといって、必ずしも永住権が得られる訳ではありませんし、手続き方法を間違えると、のちに問題が発生することもあります。今回は、当事務所に多く寄せられる質問を交えて、当選後の永住権申請についてお話します。
「抽選結果を知りたい」という質問をしばしば受けますが、残念ながら、現在のところ公式な当選者発表はありません。毎年4月〜7月の約4ヶ月間に順次当選者にのみ当選通知が郵送されることになっています。落選通知はありません。
また、当選したら自動的に永住権を取得できると思われている方も多いようですが、これは誤解です。当選者は永住権申請の基準を満たしていることが前提で、この抽選への当選により永住権を申請できる特権が与えられますが、自動的に永住権を取得できる訳ではありません。従って、当選後には永住権申請の手続きが必要となります。申請基準を満たしているかどうかは個人の具体的な状況によって異なりますので、ご自身で判断できない場合は、移民法弁護士に相談するとよいでしょう。
永住権申請には(i)ステータス変更手続き (ii)米国大使館手続きの2つの方法があります。ステータス変更手続きは、申請者がすでに米国に非移民ビザ保持者(例: F-1学生)として滞在している場合に利用する申請方法で、米国内で非移民ビザ保持者から永住権保持者へステータスを変更する手続きです。米国大使館手続きは、通常、申請者が米国外に滞在している場合に利用する申請方法ですが、米国内に滞在している申請者でも、状況によってはこの手続きを利用することが可能ですし、その方が好ましい場合もあります。この2つの申請方法に関する詳細は、第14回のコラムをご参照下さい。
なお、いつから永住権を申請できるかは、各当選番号によって異なります。当選番号は永住権申請における優先順位のようなもので、この優先順位のことを英語では "Priority Date" と言います。毎月、米国務省は "Visa Bulletin" (永住権の優先順位状況を伝える公法) を出版していますが、当選者の "Priority Date" が現行化される (Visa Bulletinに記載される日付より早くなる) と、永住権を申請することができます。
当選者の永住権申請は、当選通知が送られて来た年の10月1日から翌年の9月30日までに終了しなければなりません。そのため、せっかく当選しても、当選番号が高い場合は9月30日までに "Priority Date" が現行化されず、永住権を申請できない可能性があります。
シアトル地方移民局では、当選番号に関係なく、毎年10月1日から当選者の永住権申請を受理しています。つまり、"Priority Date" が現行化される以前から申請を受付けており、また、受理した順にインタビューも行っているのです。しかしながら、移民局は、インタビューを終えても、実際に "Priority Date" が現行化されるまでは、申請を認可することができないため、毎年、インタビューを済ませたまま、永住権が取得できない方が出てきてしまいます。このように、最終的に翌年の9月30日までに永住権が取得できない場合、のちに移民上のステータスに問題が発生する可能性があるため、当選番号が高い方の場合は、永住権申請期間中のステータスにも注意を払わなければなりません。ちなみに、2004度は当選番号16,000番代前半で打ち切りとなりました。
(2005年6月)
= お断り = コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。
読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。 |