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第2回 : H-1B専門職者ビザ・申請手順


H-1Bビザ申請は、労働局、移民局、国務省(米国大使館・領事館)と3つの政府機関が関与し、3段階で行われます。今回は、申請手続きについてお話しますが、スペースが限られているため詳細は省略しています。H-1Bビザ申請は複雑な手続きですので、読者個人の具体的な状況に関しては、移民法弁護士にご相談することをお勧めします。


ステップ1: 労働条件許可証・労働局


外国人労働者の職名と職務内容をもとに職務コードを決定し、 それに相当する実質給与額と平均給与額を設定します。

実質給与額:
スポンサー企業で外国人労働者と同程度の学歴や経験を持ち、同職についている従業員に支給されている給与額のことで、そのような従業員がスポンサー企業内にいない場合は、外国人労働者本人に支給される給与額のことです。

平均給与額:
外国人労働者が就労する地域で同職に従事している労働者に支給されている給与の平均のことで、いくつか調査方法はありますが、通常は各州の労働保障局に判定を求めます。

前回のコラムで、外国人労働者に実質給与額、または平均給与額のどちらか高い方が支給されることが申請条件の1つになっていると述べましたが、労働保障局が判定した平均給与額が実質給与額より高い場合は、労働保障局以外の調査機関から平均給与額を入手することも可能です。しかし、その場合は、利用した調査機関が労働局の厳密な基準に沿って平均給与額を判定していることが条件になります。

申請書は、雇用主の所在地・納税者番号・外国人労働者の職名・職務コード・給与額等・雇用に関する基本的な情報に加え、外国人労働者を雇用することによって米国の労働市場に悪影響を与えることがないよう、"Attestation" と呼ばれる雇用事情に関する雇用主の供述から成り立ち、ファックスまたはネット上で申請することができます。ファックスの場合は、通常1〜3日、インターネットの場合は、同日に労働条件許可証を取得することができます。


ステップ2: H-1Bビザ申請・移民局

労働条件許可証を取得したら、移民局にH-1Bビザを申請します。在米企業に関する資料として、通常、企業の組織図や会社案内、決算報告書等を提出します。さらに、業務内容と外国人労働者の資格や職務内容を説明したサポートレターも必要です。外国人労働者に関する資料としては、パスポートのコピー、資格を証明するための卒業証明書や成績証明書、ライセンス(該当する職のみ)等を提出します。すでに外国人労働者が米国に滞在している場合は(i.e. F-1学生・PT)、I-94出入国記録カードやビザスタンプ、就労許可証のコピーも必要です。

必要な書類が揃ったら、申請用紙と労働条件許可証を添えて地方移民局に送ります。地方移民局は、全米でカリフォルニア州・ネブラスカ州・バーモント州・テキサス州の4ヶ所にあり、各地方移民局は、特定の地域を管轄しています。ちなみにワシントン州は、ネブラスカ地方移民局が管轄しています。H-1Bビザの申請期間は地方移民局やその時々の申請量によって多少異なりますが、ネブラスカ地方移民局では、現在2〜3ヶ月かかります。


ステップ3: ビザスタンプ申請・国務省

H-1Bビザ申請が認可されたら、ビザスタンプ発給手続きを行います。ビザスタンプとは入国査証のことで、米国に入国する際に必要な書類です。ステップ2でH-1Bビザ申請が認可されたということは、米国での就労許可を得たということにはなりますが、入国許可を得た訳ではありません。この点について、誤った解釈をしている方が多いのでご注意下さい。

H-1Bビザ申請時に外国人労働者が米国外にいる場合は、当然、入国前に米国大使館・領事館にてH-1Bビザスタンプを取得しなくてはなりません。外国人労働者がすでに米国に滞在しており、ステップ2でH-1Bビザ申請と同時にステータス変更(i.e. F-1ビザ→H-1B)あるいは延長手続きが認可された場合は、認可通知に新しい有効滞在期間が記載されたI-94カードが添付されます。このような場合、ビザスタンプを取得せずに引き続き米国に滞在し、就労することが可能です。しかし、一部の例外を除き、米国から一度出国すると有効なビザスタンプ無しでは再入国することができませんので、入国前に米国大使館・領事館にてH-1Bビザスタンプ発給手続きを行う必要があります。手続き方法や申請期間は、国や時期によって異なりますが、日本国籍の方が日本の米国大使館・領事館でH-1Bビザスタンプを申請する場合は、通常10〜14日かかります。

以前は米国本土から申請書を米国大使館・領事館に郵送し、ビザスタンプの発給を受けることが可能なケースもありましたが、2002年9月1日をもって、東京の米国大使館並びに大阪・那覇の米国領事館では、この制度を廃止しました。なお、H-1Bビザスタンプ更新の場合は、従来のように米国内の国務省で申請することができます。

次回は、雇用先変更(辞任・解雇)に関してお話します

(2003年2月)

= お断り =
コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法弁護士にご相談下さい。
2008年
第65回 米国移民法・最新情報
第64回 シアトル地域における結婚に基づくグリーンカード申請の状況
第63回 再入国許可証でのバイオメトリックス採取義務化
第62回 H-1B 申請について
第61回 ビザ申請料金の値上げ
第60回 有効期間のないグリーンカードの更新

2007年
第59回 就労ビザに関する最新情報
第58回 J-1ビジネス研修ビザ
第57回 DV-2009(抽選永住権)のお知らせ
第56回 E ビザ・L ビザ保持者の配偶者 ソーシャル・セキュリティ番号
第55回 申請料金の値上げ
第54回 PERM 最新情報
第53回 プライオリティ・デート
第52回 H-1B ビザ申請・最新情報(3)
第51回 H-1B ビザ申請・最新情報(2)
第50回 米国市民との結婚によるグリーンカード申請 最新情報
第49回 H-1B ビザ申請・最新情報(1)
第48回 2006年を振り返って

2006年
第47回 プレミアム・プロセス
第46回 DV-2008(抽選永住権)のお知らせ
第45回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(2)
第44回 雇用に基づく永住権申請に関してよく聞かれる質問(1)
第43回 H-1B ビザ最新情報
第42回 E-1条約貿易商ビザ
第41回 雇用ベースの短期就労ビザ、および移民ビザのサービス・センター変更
第40回 雇用ベース移民ビザのリトログレッションについて
第39回 H-1B ビザ申請
第38回 L-1A ビザ保持者から永住権申請へ
第37回 L ビザの申請基準について
第36回 帰化申請(3)

2005年
第35回 永住権保持者が長期間米国外に滞在する場合の永住権の維持について
第34回 DV-2007 (抽選永住権) のお知らせ
第33回 PERM 申請
第32回 雇用に基づく永住権申請
第31回 永住権と離婚
第30回 I-864 Affidavit of Support(扶養証明書)
第29回 抽選永住権当選後の永住権申請
第28回 永住権申請時の健康診断
第27回 移民法に関する情報が入手できるウェブサイト
第26回 シアトル地域移民局・最新情報 永住権申請時のバックグラウンド・チェック
第25回 H-1B ビザ最新情報

2004年
第24回 J-1研修生ビザ
第23回 F-1学生ビザ保持者の社会保障番号・申請基準の変更
第22回 E/L ビザ保持者の配偶者・就労許可証
第21回 条件付永住権
第20回 シアトル地域移民局・最新情報(2)
第19回 永住権インタビュー・結婚ベース米国内ステータス変更(AOS)の場合
第18回 家族関係に基づく永住権申請
第17回 シアトル地域移民局・最新情報(1)
第16回 H-1B ビザ年間発給数が上限に到達・今後について
第15回 永住権取得後の留意点
第14回 永住権申請
第13回 E-2条約投資家ビザ

2003年
第12回 永住権の自己申請(VAWA)
第11回 O-1卓越能力保持者ビザ
第10回 米国市民との 結婚に基づく永住権申請・ステータス変更手続き
第9回 K-1 フィアンセ・ビザ
第8回 帰化申請(2)
第7回 帰化申請(1)
第6回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(2)
第5回 H-1B 専門職者ビザ: H-1B ビザに関してよく聞かれる質問集(1)
第4回 H-1B 専門職者ビザ: 転職
第3回 H-1B 専門職者ビザ: 解雇
第2回 H-1B 専門職者ビザ: 申請手順
第1回 H-1B 専門職者ビザ: 申請基準
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